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秋田港管理者 
寺田典城秋田県知事 様
米海軍のイージス艦 ステザム の秋田港入港に関する申入れ書

 私たち、不戦へのネットワークは、名古屋を中心に平和や人権の問題を取り組む市民グループです。
4月4日から8日まで、横須賀基地を母港とする米海軍の新鋭イージス艦「ステザム」が秋田港に「親善と休養」を名目として入港しようとしていることに対し、寄航の中止を求めます。

今回、入港を予定している、「ステザム」は、トマホークを装備し、ミサイル防衛のレーダー役をも担う、米軍の先制攻撃戦略を象徴する危険な軍艦です。この間、ミサイル防衛(MD)の一環としてイージス艦を日本海に常駐配備する方針を示して以降、日本海側の民間港には、新潟、鹿児島、京都、北海道、長崎と米イージス艦の寄港が続いています。今年2月には同じく横須賀を母港とする米第7艦隊の旗艦ブルーリッジが名古屋港・室蘭港へ入港しています。秋田港への入港も名目は「友好・親善」としていますが、この動きの一環であることは明らかです。

民間港の寄航は97年に新ガイドラインが合意されて以降増加しています。つまり、有事の際に民間港を提供施設並に使うことを目的としています。
 昨年10月に発表された「中間報告」でも、「この検討作業は、空港及び港湾を含む日本の施設を自衛隊及び米軍が緊急時に使用するための基礎が強化された日本の有事法制を反映するものとなる。双方は、この検討作業を拡大することとし、そのために、検討作業により具体性を持たせ、関連政府機関及び地方当局と緊密に調整し、二国間の枠組みや計画手法を向上させ、一般及び自衛隊の飛行場及び港湾の詳細な調査を実施し、二国間演習プログラムを強化することを通じて検討作業を確認する。」と民間の港湾・飛行場の調査・使用の検討作業が確認されています。
昨年4月には、「優先使用」という考え方が報道されました(読売新聞05年4月9日)。米軍の自由な使用が可能になるように、あらかじめ優先的に使用する港湾を名指しするというものです。また、今年1月11日の読売新聞では、自治体が拒否できないよう周辺事態法を改正することが、日米両政府で話し合われていることが報道されました。各地で相次ぐ米艦船の寄航がこのような流れの中であることを是非認識してください。

 寺田知事は、「できれば寄ってほしくない」が「防衛や外交は国の専管事項である」として「やむを得ない」としていますが、これは明らかに間違っています。つまり、自治体が管理する港湾管理権は港湾法によって港湾管理者が使用権限を持っているということです。そのことは当然ご存知であると思います。周辺事態法という法律ができても港湾の管理権は、以下の文章が示すように港湾管理者に権限があります。99年7月に、日本政府が自治体に配布した「周辺事態法9条の解説」という冊子には、有事の際の民間港の使用について次のように解説します。「米艦船が地方公共団体の管理する港湾施設を使用しようとする場合、周辺事態においても、通常と同様、地方公共団体(港湾管理者)の許可を得る必要がある」。ましてや「平時」の時に米軍が勝手に使えるはずはありません。港湾法でうたわれている港湾管理権は地位協定5条に優先します。
だからこそ、室蘭市は『横須賀市内での殺人事件で米兵が逮捕されたことを踏まえて札幌領事館に「今回は寄港を遠慮して欲しい」また、「市民感情を考えるとふさわしくない」(総務部)として、歓迎行事は行わず、米国側主催の艦上レセプションにも出席しない。また週明けにも駐札米国総領事に対し、滞在中は市民の安全に配慮するよう、道とともに申し入れる。』と歓迎しない意志を表明しました。
戦前の港湾が侵略戦争の出撃基地として使われたことの反省と教訓として港湾法が出来ました。そのことを今一度思い起こし、港湾管理者として、法に則って平和利用に徹するよう管理権を行使してくださるよう、心より申し入れます。
                                  不戦へのネットワーク


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