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 防衛庁の空中給油・輸送機の小牧基地配備「決定」に関わる要望書
  愛知県春日井市長   鵜飼一郎様           
 
 

 私たちは、愛知県内で平和や人権の問題に取り組んでいる市民グループです。私たちは空中給油・輸送機の小牧基地への配備計画に大きな不安を持ち、署名活動などをすすめてきました。先日、12月17日にも春日井市役所の庁舎に出向き、貴職にたいして、空中給油・輸送機の小牧基地配備に反対するよう要請をおこなったところです。ところが、新聞によりますと、貴職が春日井市、小牧市そして豊山町という地元自治体の代表として記者会見をし(12月20日)、「空中給油・輸送機の配備自体が基地機能の拡充・強化につながることはない」という認識を示したとされています(「中日新聞」12月21日付)。これと時期をあわせて、防衛庁が、「小牧基地配備」を決定したという報道がなされました。貴職の7月の春日井市議会での「(空中給油・輸送機が)議論に入る事すら考えていない」との答弁は、私たちにとって、大きな支えでありました。私たちは驚き、そして残念に思っています。
 空中給油機による給油により、F15などの戦闘機やAWACSは、その航続距離をのばし、きわめて攻撃的な、「防衛」の範囲を越えるような作戦が可能となります。そして、小牧基地は、その機能の一翼を担うことになります。またC130の「イラク派遣」にみられるように、「航空輸送」の業務も、たんなる輸送業務とは言えず、事実上、米軍の戦争への参加となっています。基地の役割が大きく変わってきているのです。防衛庁は「専守防衛」だけではなく、「海外活動」にも重点を置くとし、「防衛計画の大綱」を見なおすなどととしています。空中給油・輸送機の導入は、こうした方針にそったものです。小牧基地は海外派遣の拠点として、その基地機能が強化、拡充されようとしているのは明らかです。それにともない地元の負担、不安は大きくなります。春日井市は「戦争と隣り合わせの町」となります。
私たちは「空中給油・輸送機の導入は基地機能の強化にあたらない」という意見にはとうてい納得はできませんし、空中給油機の導入は容認できません。しかしながら、春日井市が、これまで、名古屋空港の着陸帯を防衛庁に渡すことなく、空港を県営空港にして、平和な町づくりをすすめようと努力されてきたことを知っています。私たちは大きな敬意を払っています。また貴職は、12月20日の上記の記者会見で、「防衛庁の行動によっては機能強化につながる恐れもある。問題はこれから」と釘をさされました。これは、空中給油機導入問題たいする、貴職のこれからの決意であると私たちは理解しました。空中給油・輸送機の実際の導入はまだこれからです。今や平和憲法の体制が大きくゆらいでいます。基地の役割も変化しています。平和で安全な地域住民のくらしをまもるため、貴職の今後の賢明な判断を切にお願いします。困るのは地元住民であり、自治体だと思います。
                     

                   2003年12月22日   不戦へのネットワーク
                                  代表 水田 洋
                    名古屋市昭和区白金1−13−10
                     TEL・FAX 052(881)3573


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