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小牧基地への空中給油機配備決定についての抗議・要請書
愛知県知事 神田 真秋様
不戦へのネットワーク
代表 水田 洋
12月20日、防衛庁は、06年度配備予定の空中給油・輸送機の配備先を小牧基地
に決定しました。私たち、不戦へのネットワークは、空中給油機の導入・配備につい
てかねてから懸念をし、申し入れや署名の提出などを行ってきました。今回の防衛庁
の決定に抗議すると共に、以下の理由により小牧基地への配備の撤回に向け、県が真
剣に努力されることを要請します。
1)空中給油機の配備自体に問題があること
言うまでもなく、空中給油機は飛行中の戦闘機に給油を行う機能を持つものです。憲
法論議を百歩譲って自衛隊が専守防衛の任務にあるとしても、飛行距離がこれまでよ
り飛躍的に延びる空中給油が必要だとは認められません。防衛庁が説明したという輸
送機能優先とは考えにくく、また、輸送業務が主であったとしても、イラクへの空自
派兵のように空の派兵拠点としてより機能強化をすることは明らかです。
2)県は設置管理者として態度を明確にすること
名古屋空港は、2005年の中部新空港開設に伴って、コミュニュター空港として再
出発しようとしています。県は、その際、着陸帯部分を購入し、設置管理権を持つと
明言されました。
この間の私たちとの話し合いの席でも、県は一貫して「周辺自治体の意向を尊重し
て」との姿勢ですが、基本的に空港の管理・運営に責任を持つのは県であり、周辺自
治体にその責任を転嫁するのは無責任といわざるを得ません。
県民の命と安全を守るのは県行政の基本であり、空中給油機導入という重大な事態に
県の意思を示さないのはまったく責任回避です。
3)自治体の平和力を生かすべき
県は空港移転に伴って、名古屋空港新展開基本計画を策定し、その実現に努力されて
いますが、本来、基地は平和な市民生活になじまないものです。軍隊は常に戦争のた
めの準備・訓練をしており、それを「国際協力」や「国際貢献」と言うのは言葉のま
やかしです。現に、イラクへの自衛隊の派遣をめぐっても小泉首相は「イラク復興支
援」と言いますが、世論の多くは米・英の占領加担という見方をし、派兵に反対をし
ています。
名古屋空港は平和利用に徹するべきだと考えます。民間空港に日常的な軍事利用に関
しては、ここ数年間でいくつかの自治体が拒否や懸念を表明しています。米軍機の飛
来が多くある長崎空港では大村市長が「空港の基地化反対」を表明、また、2000
年、北海道帯広空港では米軍機の着陸を拒否しています。軍事は国の専管事項ではあ
りません。県民の命を守り、地域振興で経済を活性化させ福祉に寄与するのは県行政
の基本であると考えます。県は持っている平和力を生かし、積極的に発言すべきで
す。
2003年12月22日