申し入れ 航空自衛隊小牧基地司令様
小牧基地は3月1日、東チモール派遣輸送部隊を編成しました。2日、4日の二日間で、C130H輸送機を使い、北海道千歳基地から陸上自衛隊員と武器、装備を輸送しています。
私たちは、何回も小牧基地におもむき海外への派遣を止めるよう、申し入れしてきました。にもかかわらず東チモールへ派遣されることになりました。
私たちは自衛隊が武装して海外へいくことはなにも国際貢献にはならないと思います。むしろ、アジアや世界の人々は、日本の軍事進出に危惧を抱いています。
今回の自衛隊の派遣は、国連PKOへの参加で、道路や橋の維持、補修となっています。その規模はカンボジアPKOを上回る最大規模の派遣であり、携行する武器も機関銃10丁を始め、ほぼ隊員すべてにいきわたる数の小銃などです。東チモールでなにをするのか疑問になります。
自衛隊の道路工事などが、役に立たないことはカンボジアPKOで立証されています。隊員の半数以上が駐屯地の警備や維持活動に従事するため、実際の工事を行う要員はわずかなものであること。その場しのぎの工事で、すぐに穴だらけの道路にもどってしまっていること。現地の人たちの技術研修などは行わないため、長期の維持管理ができないなどなどです。
東チモールでも結果は同じです。こんな武装した大部隊を派遣することになにもメリットはありません。民間の技術者を派遣し、現地の人を雇用し技術研修を行いながら工事をするほうが、長期的に東チモールの復興と発展の下地をつくることになります。
小牧基地所属の航空自衛隊も海外派遣が日常化しています。テロ対策法に基づくアメリカ軍支援もまだ継続しています。小牧基地は自衛隊の海外進出のもっとも重要な基地になっています。このままではこの小牧基地所属の輸送機で完全武装の自衛隊が、戦争地域や紛争地域へ「出撃」するのも近いといわざるをえません。
現在、名古屋空港の跡地問題が大きな問題になっています。地元住民は小牧基地が強化、拡張されることに反対しています。海外派遣の拠点化はこうした地元住民の不安を増大させます。
以上にふまえ、私たちは2日に出発した部隊の即時帰還と4日の派遣の中止を強く申し入れます。
2002年3月3日 不戦へのネットワーク