9月11日、アメリカで起こった旅客機を利用した同時多発テロは、世界平和を願う私たちに強い衝撃と悲しみをもたらしました。尊い命が犠牲になったことに対し深い悲しみを覚えます。傷ついている方々の早期の回復、行方不明者の早期の発見を切に望んでいます。
報道によれば、ブッシュ大統領は、「米国に対して宣戦布告がなされた。これは新しい戦争だ」とし、イスラム指導者オサマ・ビンラディン氏をテロの「主要な指導者」として、アフガニスタンへの報復攻撃の準備を進めているとのことです。すでに上下両院は武力行使を承認し、予備役の召集、NATOなど同盟国、周辺諸国への協力要請などが行われています。また、第七艦隊の母港である横須賀からは巡航ミサイルトマホーク搭載のイージス巡洋艦カウペンスが出港、厚木基地でも空母搭載機の発着訓練が始まるなどの動きがあります。
私たちは、今回の市民を巻き込んだ、無差別テロはいかなる理由があれ、断じて容認するものではありません。同時に、アメリカによる報復攻撃は、テロの再発防止にならないばかりか、新たな憎悪と敵対心を呼び、暴力の連鎖を生み出すことにしかならず断じて支持することはできません。
小泉首相は、事件後いち早くアメリカの報復措置に支持を表明しました。そして自衛隊法の改正、有事立法法制化、集団的自衛権行使容認などへの動きを早めようとしています。更に、周辺事態法の拡大解釈や、「同盟国として米国への責任を果たす。テロに対して日本が責任ある行動を取らないと国際社会の中で孤立してしまう。」とし、自衛隊が米軍や多国籍軍への後方支援が出来るような新法の成立を画策していると報道されています。アメリカに追随したこのような動きは、平和憲法をますますないがしろにし、戦争への道に突き進むことは明らかです。
小泉首相は、米国への責任を言う前に、まず日本の市民を守るべきです。冷静に考えれば、沖縄・佐世保・岩国・横須賀・厚木など米軍が駐留する所は正にテロの標的になり得ます。基地・軍隊の存在そのものが緊張を生み出しています。
今回の事件の背景、動機はまだまだ明らかにされていませんが、根本的な原因は、アメリカの覇権主義が生み出す、矛盾=貧困と抑圧の矛盾の拡大が原因です。その根本的な解決策を図らない限り、対立の悪循環に陥るだけです。小泉首相の言動は、なんら根本的な解決になりません。
憲法前文・九条を持つ日本は、その崇高な精神に従って、直ちにアメリカに報復攻撃を中止するように働きかけるべきです。そのことが、「同時多発テロ」で無残に殺された多くの人々に報いる方法です。
これ以上、無用な殺戮は止めるよう、直ちに行動すべきです。
2001年9月18日
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恋民の会
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