抗 議 ・ 要 請 書 

アメリカ合衆国大統領   ジョ−ジ・W・ブッシュ様

 6月29日、沖縄県北谷町で、嘉手納基地所属の米軍曹による暴行事件が起きました。私たちは、たび重なる米軍人による犯罪に心からの怒りを禁じえません。昨年7月のサミット以後、ひき逃げ事件・放火事件等々関を切ったように事件・事故が続発し、自治体・市民団体などが抗議の声を上げてきました。そしてそのたびに、四軍調整官の謝罪や「綱紀粛正」などと言ってきましたが、事態は一向に解決されていません。口先だけの謝罪や反省では事件の再発防止にはならないことを示しています。

 沖縄は、戦後ずっと米軍による被害に苦しめられてきました。その痛みの爆発が95年9月に起きた少女暴行事件をきっかけに起きたことは記憶に新しいことです。今回の事件で改めて、どのような小手先の対策をとっても良き隣人ではないことが明らかになりました。

 容疑者の、嘉手納基地所属のティモシ−・ウッドランド軍曹の日本側への身柄引き渡しに関して、貴国の「容疑者の人権」云々は、余りにも被害者の人権・沖縄の痛みを無視した手前勝手な、傲慢な言い分です。その対応こそが沖縄の人々や私たちの不信と怒りを増していることを知るべきです。

 貴国がまずやるべきことは、被害女性に対する真摯な謝罪と十分な補償です。それだけでなく、不平等な地位協定を抜本的に「改正」することです。しかし、何より重要なことは、基地・軍隊の存在そのものが事件・事故を引き起こしていることを直視し、基地の撤退をすることです。貴国は、SACO合意で基地の整理・縮小を言いながら名護市沖への新たな基地建設など基地の再編・強化を行おうとしています。そのような政策が続く限り沖縄の痛みはますます深まり、怒りはますます増していくことを知るべきです。

 たび重なる事件・事故への根本的な解決は、基地の撤退しかありません。貴国は今年プエリトリコ・ビエケス島での演習を中止しました。ビエケスの住民と同じように沖縄の人々も(そして私たちも)基地の存在を望んではいません。

 真に人権を尊重する国であるならば、他国の人権や生命も十分尊重すべきです。

私たちは、今回のような事件が二度と起きないよう、基地の整理・縮小・撤退を速やかに実行に移すことを要求します。

2001年7月16日

不戦へのネットワ−ク 代表 水田 洋

 C&Lリンクスあいち

環境と暮らしを考える緑ネットワ−ク

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