名古屋カナダ領事官宛

カナダ軍艦の名古屋港寄港に関しての抗議文

日頃の、日本とカナダとの友好と交流に尽力されている事に、敬意を表します。

 私たちは、名古屋近郊で平和・人権問題に取り組む不戦へのネットワークというNGOです。報道によると、4月18日から「Think Canada2001 見えてくるカナダ」のプログラム一環として、名古屋港に貴国の太平洋艦隊艦船、バンクーバーとレジャイナが入航し一般公開されますが、私たちは、二隻の艦船の寄港に対し、抗議の意思を表明します。

 今回の寄港目的は、貴国の「文化・歴史・産業を紹介し、日本との交流を深めるため」とされています。一連の貴国の文化・歴史・産業を紹介すると言うイベントの趣旨には賛同しますが、本来、友好・交流は平和的に行われるものであり、軍事を目的とする艦船を利用しての交流は趣旨に反しています。

 日本国憲法は、その九条で、戦力の不保持と交戦権の放棄を行っています。また、憲法前文には「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な思想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我々の安全と生存を保持しようと決意した。」とあります。昨今の日本の国内における憲法の空洞化の動きは大いに危惧するもでありますが私たちはあくまでも軍事力でない平和的な友好関係を築きたいと念願するものです。

 その意味で、戦争の道具である軍艦の寄港ならびに一般公開に強く抗議し、寄港と公開を再考されるよう要請します。

2001年4月13日

不戦へのネットワーク

代表 水田 洋 (名古屋大学名誉教授)

名古屋市昭和区白金1−13−10

пEファックス 052−881−3573


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