抗議文

内閣総理大臣 森喜朗様

 2月10日、ハワイ・オアフ島沖で発生した米海軍原子力潜水艦の浮上訓練による愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」沈没事件は、軍事力が平時にも人々の生命を脅かすと言う恐ろしい事実を証明しました。

 毎日新聞(01・2・12付)『余録』によれば「平時に軍が無害航行している同盟国の民間船を撃沈したのだから、ものすごい事態なのだ。調べた結果、後で事故とわかることはあっても、発生した事実は原潜にいきなり実習船が沈められたのだ」とあります。同感です。これが事実の冷厳な受け止め方と言うものです。

 しかし、森総理はゴルフ場にいて、一報を聞きながらもおよそ二時間あまりもプレーを続行したと聞きます。官房長官に指示してあるとか「風呂にも入るな、着替えもするなと言うのか」と総理周辺の弁明はいかにも聞き苦しく、あまりに恥ずかしいと言わねばなりません。既に森総理の「総理としての資質は」幾度か問われています。問われていながら、再び今回の事件に接して、もはや総理としての信任は皆無となりました。

 総理は、同盟国アメリカの原潜が引き起こしたことで、事実究明も厳しい責任追及をする意欲も持たないのではないかと思わざるを得ません。被害者がたとえどこの国の人々であれ、海洋を我が物顔でのし歩く巨大な軍事力に対し、警告や批判をするのが平和を求める国家の首相の使命だと思います。ましてや今回の被害者は自国の民間人です。取るものもとりあえず、情報の収集や被害者の安否の確認、あるいは捜査の指示などに全力を注ぐことが当然の措置ではないでしょうか。少なくとも風呂や着替え以上に重要な仕事は目の前に山ほどあったと思われます。

 自らの職責への認識が甘く、生命・人権への配慮がこれほど極端に希薄な人を国政の最高に頂くことは私たちの恥です。

与党公明党の神崎代表さえ厳しく総理を批判しました。愛知県の自民党関係者も「首相の資質を問う」と非難の声をあげています。

森首相はもはや首相の座を降りるべきです。

私たちは、米国が謝罪してすむ事だとは思っていません。今後日本政府がこの事件をどのように判断し、事故の教訓をどのように政治に生かしていくか、日本ばかりか世界中が注視しています。

 しかし、そのような判断力が森首相にあるとは到底思われません。。私たちは怒りを込めて、即時、総理の退陣を求めます。

不戦へのネットワーク
2001年2月13日
名古屋市白金1−13−10 代表 水田 洋


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