2007.07.05(2019.9.6分離)
季刊『真相の深層』に連載してきた『カール・マルクスの大罪』を、単行本として発行する準備をしている。
これまた、わが人生の過半をしめてきた共産党員としての体験を基礎とするライフワークである。
ソ連でも中国でも、いままた北朝鮮でも、カール・マルクスの理論に基づくとされる共産主義を国是とする国が、なぜ、独裁主義になるのか。一九一七年のロシア革命から九〇年を経て、共産主義の思想の根本に迫る議論が、なされなければならない。
フランス革命の思想的源流、ルソーに関しても、その個人的な人格に疑問を呈する向きがあるので、「ルソー、マルクス」のインターネット検索をしたら、以下の本が出てきた。
インテレクチュアルズ―知の巨人の実像に迫る (文庫)
ポール ジョンソン (著), Paul Johnson (原著), 別宮 貞徳 (翻訳)出版社/著者からの内容紹介
ルソー、マルクス、ヘミングウェイ、サルトルら 精神世界の巨人7人の意外な実生活人類愛、富の平等、女性解放、社会の変革。高邁な理想を掲げ、時代をリードした知識人たち。
子を捨てる、妻に横暴、大衆を蔑視、金儲けに走る。驕慢な態度でわがまま放題に振る舞った現実の姿。
ルソー、マルクス、イプセン、サルトルら精神の世界に強い影響力を及ぼした知の巨人、七人を俎上に載せ、その思想・言説と実生活のギャップを白日の下に曝す。知識人であればすべてが俎上に上がるわけではないし、単に言ってることに比べて人格が低劣といったレベルではポール・ジョンションの批判の対象とはならない。彼が対象としている人間は、自分の奉じる思想をもって社会を変革できると考える者たちである。ジョンソンは、人類にいかに身を処するべきか教えた知識人達に、教えを垂れるほどの資格が果たしてあるのか批判の目を向けている。
(2019.9.6野次馬追記)
木村書店2010年3月5日発行の書籍『カール・マルクスの大罪』は、ここに記した決意とは少々ずれて、内容は次の通りとなっている。
第1部 カール・マルクスの大罪
第2部 ラダイトからボルサまで(社会変革の道は労働組合が開く)
第1部は、労働組合活動の中で著者が実体験した「左翼政党」への批判、背後のマルクスの「暴力性」への批判が中心。
第2部は、「歴史の中の地域的組織と産業的組織―ラダイトからボルサまで―」とあるように、労働旬報社の『労働組合運動史研究』に収録予定で書かれ、その後労働問題研究所の『地域共闘を考える』討論シリーズとして発行された(ガリ版印刷)論文の再録。
1部よりむしろ2部の論文の比重が大きい。
日本の労働組合運動の理論家としては第一人者の故中林賢二郎(当時法政大学教授)の推薦を受け、労働旬報社のシリーズ『労働組合運動史研究』に収録されるはずだったが、出版社の経営困難により延期のままとなった。
その後、上記のとおりガリ版印刷出版企画(1)として発行したが、当時から「せめてタイプ印刷ぐらいにせよ」との意見あり。きちんと印刷して発行したいとの長年の想いは、木村書店DTPにより可能となった。
書籍名ともなっている「第1部 カール・マルクスの大罪」については、発行当時の2010年には健康状態が悪化し、書ききれなかった感が残る。
「大罪」をあえて一言でいうなら、サブタイトルでもあり、11頁に記載の「カール・マルクスが社会主義に暴力と憎悪を導入した」ことであろうか。
書籍『カール・マルクスの大罪』と合わせて、下記のページをご覧いただければ、著者の言いたかった事を知る手掛かりになるかもしれない。