2003年7月17日(木曜日)
このところ、イラク関係情報が、まさに氾濫状態となり、単行本の発行はおろか、わが電網宝庫だけでは、とても処理し切れなくなったので、「阿修羅」の戦争掲示板を、急ぎの情報発信の場として活用している。
この「板」は、911事件の直後には10番目だったのが、いまでは37番目になっている。この種の「疑い情報」型の掲示板の常で、管理人は、いわゆる政治的には無党派志向で、普通の好奇心豊かな若者のようである。身元を詮索する気はない。昨年秋には、資金不足の訴えがあったので、毎月千円でわが電網「木村書店」の広告「バナー」とやらを掲載することで、資金カンパに応じた。しかし、「オーナー」気取りなどは一切せぬ。便利な「板」だから大事にするだけのことである。
イラク関係では、事柄の性質上、英語の情報が圧倒的に多い。いちいち訳していると、鮮度が落ちるから、以下の本日の投稿例のように、一応の見出しを付け、簡略に説明して、投稿することにしている。興味のある方は、阿修羅の方のURL を叩いて、英語の全文を見るだけでなく、阿修羅戦争37掲示板に戻って、それより前のわが関連記事の投稿などを参照されたい。
---------- 引用ここから ----------
ワシントンポスト:新中央軍司令官が米兵の軍紀乱れラム辞任要求を批判すれど実質的にラム判断と違うゲリラ戦を認める。
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/122.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 17 日 10:30:05:
ワシントンポスト:新中央軍司令官が米兵の軍紀乱れラム辞任要求を批判すれど実質的にラム判断と違うゲリラ戦を認める。
レバノン出身アラブ語流暢アビザイドのアラブ世論に関する現状認識は興味深い。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A487-2003Jul16.html?nav=hptop_tb
Pentagon: U.S. Facing 'Guerrilla-Type' War
New U.S. Commander in Iraq Addressed Troop Morale, Deployment Issues in First Briefing
Wednesday, July 16, 2003; 6:20 PM
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
私は、これを非常に重要な記事と評価した。画期的、または、米英軍にとっては衝撃的とも言える内容である。
私は、これまでにもすでに、大手新聞社などに電話をして、阿修羅戦争掲示板に投稿したから、早く見て、日本語の報道をせよと求めてきた。かなりの新聞記者が見ていると判断できる手応えが、十分にある。
私は、上記の記事の中で、特に、「新中央軍司令官が米兵の軍紀乱れラム辞任要求を批判すれど実質的にラム判断と違う」とした概略紹介の部分を重視する。
状況を要約すると、米中央軍のアビザイド新司令官は7月16日に、米国防総省で記者会見したのであるが、その中で彼は、非常に重要、かつ驚くべきことを、いくつか語ったのである。
以下、特に、その部分の英文も添えるが、アビザイドは、「第3歩兵師団における軍紀の乱れの増大を指摘し、本日のABCニューズの『お早うアメリカ』で引用されていたような、彼らの任務を疑ったり、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の辞任を要求したりする発言は、間違っていると語った」
(addressed growing morale problems in the 3rd Infantry Division, saying soldiers quoted today on ABC News' Good Morning America questioning their mission in Iraq and calling for Defense Secretary Donald H. Rumsfeld's resignation were wrong) のである。
このイラクにいる米軍の兵士の発言は、別途、このわが投稿以前に、日本語で投稿されていた以下の「米ABC,英BBC」の放送内容と同じものなのである。これは、戦闘中の軍隊にとって、実に由々しい事態である。
もしも、旧大日本帝国の軍隊において、このような事態が生じたとすれば、即座に、往復ビンタが飛ぶどころの騒ぎでは済まない。しかも、「ラムズフェルド国防長官の辞任を要求した」のは、旧大日本帝国の軍隊の場合には「内務班」の実質的な親分、または家父長制と言われた時代の父親役の「曹長」(後の報道によると旧日本陸軍の「曹長」に相当するsergeant majerではなくて、ただのsergeantだから「軍曹」が適当)だと言うのである。日本軍ならビンタを飛ばす立場の「老練兵士」で、一般兵士の中では最高級の幹部なのである。この曹長(軍曹または先任軍曹でも同じ)の上の位として赴任する将校は実質的に、曹長の意見を無視する命令を出せないのである。老練の曹長の意見を無視する将校には兵士は、「危ない」から、従わないのである。
以下は多分、英語の放送を聞いて、録画したのかもしれないが、ともかく、投稿者自身が日本語に訳して記したものであろう。
---------- 引用ここから ----------
イラクの米兵士が「ラムズフェルド長官は辞任せよ」と(米ABC,英BBC)
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/119.html
投稿者 さすれば 日時 2003 年 7 月 17 日 10:00:23:17日朝(日本時間)、英BBC放送と米ABC放送ともに、イラクにいる第3歩兵師団の兵士数人にインタビューした番組を放映した。以下は兵士たちの発言である。
問:「もしラムズフェルド国防長官がここにいたら、何を言いたいか」
答:「カメラの前では言えません」
「何故私たちはここにいるのか分からない」
「国防長官の辞任を求めたいと思います」
「もっとも早く解決する道だと言われてきたが、いまでもまだここにいます」ABCは、ラムズフェルド長官の辞任を求めた軍曹の故郷で、軍曹の妻にインタビューした。妻は「夫はめったに怒るような人ではありません。よほど我慢できないのでしょう。夫の言うことを信じます」ときっぱり語った。妻がインタビューに応じていた基地周辺では、人々が「NO BUSH!」などと書かれたプラカードを掲げていた。
ABCはまた、イラクで米兵士の5人が自殺したと報じた。国防総省に問いただしたら、その件については返答できないという微妙な反応だったという。
---------- 引用ここまで ----------
さて、私は、パソコンの画面ばかり睨んでいると不健康だから、時折、大手新聞の読者への対応の部署に電話することにしている。すると、こちらが名乗りを挙げるまでもなく、わが美声をすぐに判別し、「木村愛二さんですね」などと言う記者が増えてきた。中には、こちらが電話代持ちを承知の上で、長々と質問してくる記者までがいる。私は、いずれ元を取る積もりで、無料の教授を務めている。ところが、本日は、画期的と表現して差し支えないほどに、様相が一変した。
様相一変の基本的な理由は、本日(2003.07.17)が、イラクバース党の革命記念日だということにある。偶々、わが66歳と半分の記念日であることも、間違いのない歴史的事実ではあるが、この事実は、イラクにもアメリカにも、通報はしておらず、本日の急激な事態の進展とは、無関係であると認めざるを得ない。
私は、上記のワシントンポスト記事を短い解説付きで投稿してから、電網記事の状況を視察、朝日新聞、読売新聞の「中央軍司令官」記者会見記事を、阿修羅戦争37掲示板に紹介して、続く毎日新聞の記事に関しては、以下の見出し付きで投稿した。
---------- 引用ここから ----------
毎日新聞【「ゲリラ戦」展開の認識示す 米中東軍司令官】これも同工異曲で3紙ともラム辞任要求米兵発言や軍紀の乱れに言及せず。やはり腰抜け報道なり。
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/126.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 17 日 14:15:34:
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030717k0000e030030000c.html
イラク:
「ゲリラ戦」展開の認識示す 米中東軍司令官
[後略]
---------- 引用ここまで ----------
以下、東京新聞、日経新聞、産経新聞も、同種記事を発表していた。産経は、以下のごとく、「第三歩兵師団約1万5000人を9月をめどに米本土に帰還」の計画発表にも言及していた。
---------- 引用ここから ----------
http://www.sankei.co.jp/news/030717/0717kok035.htm
組織的な「ゲリラ戦」と米中央軍司令官 イラクの米兵襲撃写真:16日、国防総省で記者会見する米中央軍のアビザイド新司令官(AP)
米中央軍のアビザイド新司令官は16日、国防総省で記者会見し、イラクの現状について「古典的なゲリラ型の戦闘が米軍に対し行われている」と述べ、組織化されたゲリラ戦に入っているとの認識を事実上表明した。
イラクでは、同日もバグダッド国際空港に向かうC130輸送機に地対空ミサイルが発射されるなど、米兵が連日襲撃されている。ブッシュ大統領は5月1日にイラク戦争の戦闘終結を宣言。ラムズフェルド国防長官も「ゲリラ戦ではない」と頑強に否定してきたが、戦闘の組織化を認めざるを得ないと判断したようだ。
司令官は、米兵襲撃について「ロケット弾やマシンガンで武装した6人から8人のグループが自由に攻撃を仕掛けている」と説明。「米軍はバース党の残党とイラク全土で戦っている。地域的に組織化されており、間違いなく戦争だ」と述べた。
また駐留米軍の規模に関しては「現状レベルが適正だと思うが、状況が悪くなればちゅうちょせず増強を要請する」と強調した。
イラク戦争の主力部隊だった米陸軍第三歩兵師団約1万5000人を9月をめどに米本土に帰還させ、代わりに別の陸軍部隊を派遣する方針を示した。(共同)
---------- 引用ここまで ----------
以上、いわゆる全国紙の朝日・読売・毎日も、いわゆるブロック紙の東京・産経も、すべて、私が重視した部分の第1、「新中央軍司令官が米兵の軍紀乱れラム辞任要求を批判」を欠いていた。「同工異曲」の「腰抜け報道」であった。こりゃあかんわ、もう寝るわ、と風呂に入って、それでもな風呂上がりにしばし視察を続けると、以下の投稿が出現していた。
---------- 引用ここから ----------
イラク駐留米兵「国防長官は辞任を」 [日本経済新聞]
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/140.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 17 日 23:52:20:連日の米英軍襲撃など治安状態が悪化、駐留の長期化が確実視される中、イラク「最前線」の米兵から16日、「国防長官に辞任を要求する」との極めて異例な公然批判が噴出した。
中央軍のアビザイド新司令官は「国防長官や大統領を非難する発言は許されない」と、処分もあり得ることを示唆して引き締めを図っているが、部隊の士気が著しく低下していることが浮き彫りとなった。
長官批判は16日夜(日本時間17日午前)放送の米ABCテレビのインタビューでイラクに駐留する米陸軍第三歩兵師団の米兵が相次ぎ訴えた。
同師団の技術下士官は「もしラムズフェルド国防長官がこの場にいたら、辞任を要求する」と明言。ある軍曹は「振り回されたり、平手打ちをされたりしているようだ」と述べ、命令が再三、変わり士気を保てないと指摘した。
同師団は開戦時にイラクに進攻、最初にバグダッド入りした。別の軍曹はABCに「なぜいまだにイラクにいるのか(国防長官に)聞いてみたい」と批判した。(ワシントン=共同) (21:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030717AT2M1701T17072003.html
---------- 引用ここまで ----------
うむ、ついに出たか、で、こりゃあ、まあ、結構と私は、以下のフォローをして置いた。
---------- 引用ここから ----------
↑「国防長官に辞任を要求する」との極めて異例な公然批判が噴出した件の重要性に関しては別途、「日記風」で発表する。
http://www.asyura.com/0306/war37/msg/148.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 7 月 18 日 00:31:45:
(回答先: イラク駐留米兵「国防長官は辞任を」 [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 17 日 23:52:20)
「国防長官に辞任を要求する」との極めて異例な公然批判が噴出した件の重要性に関しては別途、「日記風」で発表する。
これ以前の阿修羅戦争37掲示板に、関連投稿多数。サッカーのゴールへの突進のごとし。集団プレーが大手メディアを追い込む。「やったあ!」
---------- 引用ここまで ----------
と言ったことが、実はもう昨日となってしまった2003年7月17日のわが66歳半の「記念日」終了間際の「日記風」のわが偽らざる1日の記録である。
以上。