木村愛二の生活と意見 2003年6月 1件のみ

情報洪水に溺れるまいと毎日もがく空しさに耐え、天皇制・民主主義・共産主義の虚妄を味わい尽くした人生50年以上の変転を語り継ぐ

2003年6月29日(日曜日)

 今月も、また、あっという間に終わりとなった。かつて、「諸悪の根源」という言葉が流行した時期があった。2年前の2001年の9月、911事件以来の情報洪水の処理には、真底、疲れ果てた。そこで、ひと休み、これらすべての混乱を極める時空の「諸悪の根源」の縮図として、今月の武蔵野市議会の議会運営委員会に関しての議会事務局における「わが闘争」の最新情報を要約し、冥土の旅の一里塚の石碑に、密かに刻むこととする。

 この問題は、別途、『9.11事件の真相と背景』で展開した「民主主義の大嘘」の仕組み「法律は手品の一種」(17世紀、イギリスの俳優・劇作家、マクリン)の実に醜い具体例の「発見!」である。

 最初に、石碑の準備として、石は石でも「他山の石」を示すと、すぐ隣の小金井市の市議会では、普通、「議運」と略称される「議会運営委員会」の会議は、誰でもが常時、傍聴できるのである。法的根拠となる地方自治法には、傍聴制限の条項はない。

 ところが、武蔵野市議会では、あたかも江戸城の大奥のごとくに、傍聴席に到達する廊下が、何回も難解に曲がりくねり、一応の制度に基づく請願・陳情に赴く一般市民こと、選挙の際には「主権者、有権者、清き一票」様は、廊下の外の庭の隅に控える「下郎」並の扱いを受ける仕組みになっているのである。

 わが地元の武蔵野市に関する連載などを中心記事とした週刊憎まれ愚痴を、1999年元旦を期して、わが電網宝庫で発行し始めて以来、早くも4年半が経過した。

 そこで取り上げる主題が、あまりにも急速に増えすぎて、週刊憎まれ愚痴発行開始の1年後から月刊に間引きしても、なお、収拾が付かないのが実情である。そこで別途、「日記風」を開始したら、これまた次々と主題が増え、さらに彌縫(びぼう・とりつくろうこと)策を講じて、時局に対応し、手軽な構成の亜空間通信を発行し始めたら、これまた、すでに619号となり、同じ状況に立ち至った。

 ともかく、自称「嘘発見」名探偵、調査魔、真相究明魔としては、この時空には、おかしな問題が多すぎるのである。それを避けて通れないのが、わが「業」である。「業」に取り憑かれた「馬鹿」なのである。広沢虎三曰く、「馬鹿は死ななきゃあ、直らない」。しかも、政治的に見れば、世界、日本、東京、どこを取っても、問題点は共通している。「嘘ばかり」である。武蔵野市議会では、個人でも出来る「陳情」を試みたら、これまた、矛盾だらけの「民主主義」のほころびが、次々に明白になったのである。

 簡略に言うと、人口は赤ん坊も含めてだが、13万の市の中で、千票そこそこで当選し、議員バッジをつけたら、急に身分が高くなったかの様な錯覚に捕らわれる連中が、与野党談合で、条例に定めのない「確認書」などを作り、通称「議運」の裏側の「懇談会」までを開き、ただでさえ無視されがちな「市民、主権者・有権者・清き一票」様の発言権、議会傍聴などの諸権利を、次々と侵害し続けてきたことが、2日前に判明したのである。

 2日前の金曜日、2003年6月27日、あまりのことに堪りかね、「情報公開を要求するぞ!」と宣言して、武蔵野市の議会事務局から、やっとの想いで入手した文書は、いかなる条例の文言にも基づかない与野党談合の結果の曲がりくねった文脈の法令蹂躙の「内規」であり、日本独特の「行政指導」(国際的には「カローシ」と同様、「ギョーセイシドウ」としてしか言語表現に位置付けられない説明困難な珍妙語)の類いである。江戸時代の大奥の有職故実の類であり、「松の間の廊下の刃傷」に至るほどの怒りを買う陰湿な差別支配の道具なのである。

 この文書は、一般市民向けの「情報公開コーナー」では公開されていない。以下の珍妙な文章の意味が、即座に分かる人は、非常に少ないであろう。

*********

 議会運営委員会に関する確認事項

 議会運営委員会の法制化に伴い、武蔵野市議会規則は廃止となるが、下記事項について申し合わせる。

  記

 1. 議会運営委員会(以下、「委員会」という。)は、条例による設置後も、従来の先例事項等を尊重することを確認し、円満な議事運営を図る。
 2. 会派に所属しない議員には、委員会開催通知を参考として送付する。
 3. 委員会の決定事項は、その委員の属する会派の所属議員に周知するものとする。
 4. 委員会には、議長及び副議長が主席するものとする。
 5. 傍聴は、委員会条例第15条により、制限公開が原則となるが、議会内部の調整事項が中心となるので非公開とする。ただし、議案、陳情等の審査を行う場合には、その部分のみ公開とする。
 6. 参考人制度の導入は、各常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会審査の対象となる。したがって、請願及び陳情者も参考人の対象になり得るが、請願・陳情の委員会付託後の初委員会での提出者からの申し出による陳述については、参考人の対象とせず、従前どおり、同請願・陳情を議題に供した後、直ちに休憩し、休憩中に意見を聴取するものとする。
 7. 条例化に伴い選出された委員の任期は、各常任委員会委員の改選時までとする。

 (H3.9.26)

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 上記の最後の日付、H3.9.26は、平成3年、1991年9月26日である。この時期の「議会運営委員会」に関する記述を検索したら、次が出てきた。

----- 引用ここから ------------------------------ 
http://chukakunet.pref.kagoshima.jp/home/gikai/hsrc/annai/ayumi3.html
鹿児島県議会のあゆみ
[中略]
平成3年には、地方自治法の改正を受けて鹿児島県議会委員会条例の改正が行われ、議会運営委員会が法的な委員会として位置づけられた。
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 つまり、上記の平成3年、1991年という年に、法改正があり、議会運営委員会に関する地元の条例などの整備が必要となったのである。では、現行の地方自治法では、どうなっているのか。

----- 引用ここから ------------------------------
http://homepage1.nifty.com/greatforest/Jichi26.htm
地方自治法/第2編 普通地方公共団体
昭和22年4月17日 法律第67号
最終改正 平成12年5月31日 法律第89号
[中略]
第6章 議会
第105条
 普通地方公共団体の議会の議長は、委員会に出席し、発言することができる。
 [中略]
第5節 委員会

第109条
1 普通地方公共団体の議会は、条例で常任委員会を置くことができる。

2 議員は、それぞれ一箇の常任委員となるものとし、常任委員は、会期の始めに議会において選任し、条例に特別の定がある場合を除く外、議員の任期中在任する。

3 常任委員会は、その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、議案、陳情等を審査する。

4 常任委員会は、予算その他重要な議案、陳情等について公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる。

5 常任委員会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

6 常任委員会は、議会の議決により付議された特定の事件については、閉会中も、なお、これを審査することができる。

第109条の2
1 普通地方公共団体の議会は、条例で議会運営委員会を置くことができる。

2 議会運営委員は、会期の始めに議会において選任し、条例に特別の定めがある場合を除くほか、議員の任期中在任する。

3 議会運営委員会は、次に掲げる事項に関する調査を行い、議案、陳情等を審査する。

 1.  議会の運営に関する事項
 2.  議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項
 3.  議長の諮問に関する事項

4 前条第4項から第6項までの規定は、議会運営委員会について準用する。
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 以上のどこにも、上記の武蔵野市の議会運営委員会の「確認事項」の文言、「請願及び陳情者も参考人の対象になり得るが、請願・陳情の委員会付託後の初委員会での提出者からの申し出による陳述については、参考人の対象とせず、従前どおり、同請願・陳情を議題に供した後、直ちに休憩し、休憩中に意見を聴取するものとする」の内、「参考人の対象とせず」とか、「休憩中に意見を聴取する」とかを定める法的根拠は、記されていない。

 では、「委員会条例第15条により、制限公開が原則となるが、議会内部の調整事項が中心となるので非公開とする」とある部分の「委員会条例第15条」には、「制限公開が原則」と明記されているのであろうか。これも電網公開されている武蔵野市の市議会の頁にはない。仕方なく、市の条例全体の頁で検索すると、以下が出てきた。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.city.musashino.tokyo.jp/section/32010gikai/iinnkaijyourei.html
武蔵野市議会委員会条例
[中略]
(傍聴)
第15条 委員会は、議員のほか委員会の許可を得た者が傍聴することができる。
2 委員長は必要があると認めるときには傍聴人の退場を命ずることができる。
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 これも違法行為の明文化である。地方自治法には、「傍聴」に関する条文はない。偉っそうな「許可」も屁ったくれもないのである。「許可」の裏返しは「禁止」である。「許可」の権限は、武蔵野市の条例で勝手に定めた違法行為推進の宣言なのである。市議会の本会議の場合には、議場の入り口で受付用紙に住所氏名を記入すれば、傍聴券が出るのだから、「許可」など必要ない。それが委員会では、偉っそうに「許可」を「申請せよ!」となるのだから、この条例は、武蔵野市議会の内部でさえも、違法不当な越権行為に他ならない。

 ああ、ああ、やんなっちゃった、ああ、ああ、驚かない!

 このことの影響に関しては、事情が許せば、来月、2003年7月の「日記風」の題材とする。


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