木村愛二著/汐文社/1993年/120頁/定価1000円 絶版 在庫僅少 ➡ 注文
激争 佐川疑獄と国際エネルギー利権抗争
「環太平洋」構想 中曽根 VS
「新・大東亜共栄圏」構想 金・竹・小
『中曽根 VS 金・竹・小』 目次紹介
(参考:➡ 佐川事件で失脚 政界再編の端緒に 「政界のドン」金丸信(7) 政客列伝 特別編集委員・安藤俊裕(1/3ページ)2011/9/11 12:00)
ある予言 2
はしがき 5
序章 全体像が見えぬリーク発表報道への不信と疑惑 15
第1章 「永田町オタク」欠陥報道も「構造汚職」だ 23
第2章 後藤田法相「志願」人事に「内友会」の影 31
第3章 「橋龍」ニューョーク・タイムズ記者会見の怪 39
第4章 「臨調・行革」路線が育てた「怪物」佐川急便 43
第5章 「民活」疑獄のバブル演出と国ぐるみ腐敗構造 49
第6章 戦後史に見る贈収賄構造の発達と検察の頽廃 53
第7章 年商九千億円の企業実態がさっぱり分らぬ報道 63
第8章 「モーレツ運転」を助長したアキレス腱「物流」 69
第9章 新潟ルート「国際物流利権」が金丸の命取り 77
第10章 エネルギーで失脚は成り上がリドンの二の舞い 85
第11章 中曽根「環太平洋」vs「大東亜共栄圏」の激突 91
第12章 「隠し球」の暴力装置を使った「現職」総理 99
終章 「暴対法」でヤクザと利権の再編を狙う国家権力 107
あとがき 115
巻末参考資料 117
ある予言……………………
この高い殿上から広い国内を見おろす人は、
怪物が奇怪な姿で暴威をふるい、
不法が合法らしく世を支配し、
かくて間違いだらけの世界が展開しているのを見ては、
まるで悪夢のような思いをいたしましょう。
ある者は家畜をぬすみ、ある者は婦女をうばい、
また祭壇から杯や十字架や燭台をくすねとっても、
長の年月、無事息災で傷ひとつ負うことなく、
かえって己が仕業を自慢の種にすらしております。
いまや告訴人は法廷に押しよせ、
裁判官が高い褥の上にいたずらに威儀をつくろっている間に、
一揆の騒ぎは次第に大きくなり、
哮り狂いながら大波をよせてまいります。
勢力のある同業者をうしろ楯にすれば、
恥しらずの悪業を行っても大きな顔をしておられます。
そして罪なきものでも孤立無援であれば、
有罪の宣告をうけるのは、ごらんのとうりです嘱
かくて世の中は秩序を失ってばらばらになり、
秩序にしたがっている者は無価値となります。
そうすると、われわれを正義に導く唯一の、
分別というものがどうして発達しえられましょう。
廉直な人間でも、おしまいには、
おべっか者や賄賂をつかう者に款をつうじ、
罪を罰する力のない裁判官は、
結局犯罪者の仲間となるのです。
こう申すと、黒ぐろと描いた絵のようでございますが、
いっそ厚い幕で絵を覆い隠したいくらいでございます。
(間)
いまや決断が必要でございます。
…………………………
(『ファウスト』第二部 第一幕 評定の場での宰相の申立てより)