「お部屋を用意しております」…
地下で監視され施錠されトイレにもいけなかった
(「ミネ」さん特別寄稿 1999.7.30)
この特別寄稿は、大阪でダイオキシン問題の運動をしている「ミネ」さんから、通常のmailで送られてきたものです。本誌編集部は、……で区切られた内部の文章を、改行を増やして読みやすくし、前後の飾りを付け加えてhtml化しただけです。
「ミネ」さんは、先に本誌が「塩ビ」の製造禁止を求める記事を連載した際に、この記事の末尾のホームページ記事の転載を申し込まれました。ところが、本誌編集部全員がユーゴ問題のメディア戦争に総動員されたため、そのホームページを訪問する時間がなくて、ご挨拶もせぬまま、一日延ばしに過ごしていました。
この度、某メーリングリストにて下記の「事件」の報に接し、「事件屋」こと、わが大久保彦左衞門としては、これは一大事、一心太助が「てえへんだ!」と駆け込んできたかのような思いで、無音のお詫とともに、mailによる寄稿をお願いしたものです。
このような「××省」のお粗末な暴挙の背景に、本誌編集部は、設備過多、競争激化、バブル崩壊、リストラ、国庫補助金ゆすりたかり、などなど、経済紙に詳報されている「塩ビ」業界の不様な最後のあがき、焦りを見ます。
以下、寄稿文。
7月19日に××省で開催された中央××審議会において、××××の会他数名の方が中×審の審議の様子を見るため(会議は非公開のため傍聴は事前に不許可の連絡あり)××省に行ったところ、担当者に「お部屋を用意しております」といってある部屋に通された。
ところが、この部屋は地下であるため携帯電話で外部との通信が遮断され、さらに監視員が多いときで6人少ないときで2人常時待機し、そして、極端なときは施錠を施されトイレにもいけなかったそうです。
審議を見学に行った行為が、審議を妨害するなどの、何らかの犯罪行為の意図もなく且つその現実的危険性惹起の可能性がないことが明らかであるのにも拘わらず、行政当局として正当な根拠なくpm1時30分頃から4時50分頃まで約3時間20分身体の自由を拘束し、更に、その間、常時複数の監視人が待機し、そして施錠までしたことは裁量権乱用どころではなく逮捕監禁罪そのものと言わざるを得ません。間接政治の最大の欠陥は加藤前幹事長が述べたように「議員は行政に遠慮せざるを得ない」ということでしょう。
しかしこれが国民の政治不信の原因であれば間接一本という体制の正当性を証明するためにも、政治家は行政のこの犯罪を勇断をもって処断すべきではないでしょうか、勿論マスコミも勇気を持って報道すべきです。
「止めよう塩ビ」の垂れ幕で100名もの警官が出て3名逮捕された事件はどうしたことか余り報道されていませんが、今回の××省監禁事件は正に政府の命運にかかわる発端になるかも知れません。
今回の事件では、被害者に何の過失も無かったこと、省の組織ぐるみの犯罪の可能性があること、内容が卑劣で悪質であること、など過去にない重大な事件という認識が必要です。政治家が行政を擁護したいが為に「知らぬ顔」をする事は、情報公開法盗聴法背番号法などで政治不信を高めている折ですから、国民はいよいよ強権政治、恐怖政治へ突入かという恐れを持たざるを得なくなるでしょう。
次にサッチーミッチー騒動に関して、浅香光代さんが検察へ告訴状を提出したのに対して、窓口の検事が「時効が近いから」等として恣意的に「告発の取消行為」を行った事、しかし万を超す署名を見て、一転「受理」に切り替えた一件は公平厳正を求められる公務員の姿勢に反するものです。姿勢を変えたから一件落着であってはならないでしょう。
両方の事件は裁量権について重大な問いかけをしたものとして認識されなければなりませんし、間接一本の体制に温存される政治家がこの問題にどう対処するか、我々国民は注目している必要があります。
直接間接並存政治
http://www2.osk.3web.ne.jp/~mine2/
以上
『1寸の虫の5分の毒針』
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