編集長の辛口時評 2006年8月 から分離

ユダヤ・ロビーの米政治支配を無視できない朝日新聞の背景

2006.08.08(2018.3.28分離)

http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/362.html
辛口時評 060808 ユダヤ・ロビーの米政治支配を無視できない朝日新聞の背景

 前回の辛口時評では、以下の題名で、朝日新聞のエセ紳士振りを批判した。


辛口時評060806
ホロコースト神話を読者に教え込む朝日エセ紳士ニュース解説


 前回取り上げた解説、「ニュースがわからん」は、2006年8月3日の記事だった。最大の問題点は、「ナチス・ドイツがユダヤ人を強制収容所に入れて大量に殺したホロコーストはよく知られているよね」と念を押して、ホロコースト神話を読者に教え込むところだった。

 その後、4日、5日と、「ニュースがわからん」は3回の連載記事になった。

 各回の見出しは、「中東ではなぜ争いが絶えないの?」「昔いた土地にイスラエル建国」「住む場所失ったアラブ人が抵抗」、「『ヒズボラ』ってどんな組織なの?」「イスラエルの侵攻に対抗」「レバノンに拠点、学校、病院も運営」、「米国はなぜ、イスラエルをかばうの?」「冷戦期、事実上の同盟国に」「背景に在米ユダヤ人の影響力」、である。

 一応は全体を網羅し、「バランス」を取っているように見えるところが、いかにも朝日新聞エセ紳士たる所以である。

 以下の各社の公表頁で検索すると、朝日新聞は、読売と毎日の中間の部数だが、都市圏、知識人の読者が多く、世論への影響力が強いと評価されている。


朝日新聞 http://adv.asahi.com/2006/circulation/index.html
毎日新聞 http://macs.mainichi.co.jp/now/busu/index.html
読売新聞 http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/busu/index.html

 読売新聞の発行エリアは北海道から九州までの47都道府県にまたがり、販売部数は1000万部を超えています。この部数に回読人数(2.6人)をかけると推定読者数は約2,610万人です。

 朝日新聞は5つの発行拠点で全国をくまなくカバーしています。朝刊の販売部数は合計で約822万部、夕刊の販売部数は約377万部です。朝刊の世帯普及率は、全国で約16%、3大都市圏では約21%と、特に都市部を中心に高くなっています。

 毎日新聞は3,955,882部である。


 連載記事の3回目の「米国はなぜ、イスラエルをかばうの?」「冷戦期、事実上の同盟国に」「背景に在米ユダヤ人の影響力」では、誰の目にもあきらかなユダヤ・ロビーの米政界支配について、以下のように結構詳しく説明している。


 背景には「ユダヤ・ロビー」存在があると言われる。米国内にはユダヤ人が約600万人いるとされる。ニューヨークなど大都市に集まっており、政治や経済、マスメディアへの影響力は大きい。イスラエルを支持する人たちは豊富な資金を背景に、国会議員らに献金する。その後、議会での活動をチェックし、イスラエルの利益に反する行動をとれば献金をやめる。ブッシュ大統領の父のブッシュ元大統領が再選できなかったのは、「ロビー」と対立してユダヤ系の票が取れなかったからだとも言われている。


 レバノン侵略を目の前にして、アメリカ国内でも、イスラエル批判の声が高まっている。朝日新聞の論調も、それを意識しているようである。

 田中宇(さかい)の国際ニュース解説では、ユダヤ・ロビーの米政界支配に関して、その裏の事情を、以下のように分析している。


 イスラエル系ロビー団体の政治力が非常に強い米政界では、イスラエル支持を表明しない政治家は生きづらい。それで、みんな表向きはイスラエル支持を表明している。だが、腹の中ではイスラエルに牛耳られていることに怒りや屈辱を感じており、いつかイスラエルを潰してやるとひそかに思っている政治家が多くても不思議ではない。

 そういった「隠れ反イスラエル派」は、今回のイスラエルのレバノン侵攻を見て「これでイスラエルは自滅する」と喜んでいるのではないか。彼らは「停戦反対」「イスラエルに、思う存分戦わせてあげるべきだ」と言っているが、それは実はイスラエルのためを思っているのではなく、イスラエル滅亡させる戦争を誘発したいのではないかと勘ぐれる。イスラエルがなくなれば、アメリカの政界は、異常な従来の状況から脱することができる。