電子手紙の送信日付け順・注釈付き一般公開文書館 2001年7月

日本にない私人の起訴の権利を語らぬ偽善系弁護士と串刺しで激発主義は怠け者の裏返しと批判

送信日時 :2001年 7月 23日 月曜日 10:53 PM

件名 :[pmn 15646] 偽善系の激発主義は怠け者の裏返し

 7.18.ロフトプラスワンにて、私の方から主役の『偽善系』著者、日垣隆さんに質問したのは、その本で初めて知った以下の事実の位置付けの「重要性」でした。

 私人(個人でも良いでしょう)が刑事事件の起訴をする権利がないのは、日本と北朝鮮とキューバだけだというのです。されらにこれは、その場での日垣さんの回答で分かったことですが、北朝鮮とキューバでは、共産党が起訴の権利を持っているそうですから、それを考慮に入れて逆に見ると、検察だけが起訴の権利を独占しているのは、日本だけということになります。

 日本の私人は、警察や検察に被害を訴えたり告発することはできますが、事件の捜査も告訴もできず、従って、自力では刑事裁判に持ち込めないのです。警察も検察に告訴することができるだけで、検察が起訴しなければ法廷は開かれないのです。

 ところが、イギリスでは私人にしか起訴の権利はないというのですから、まさに真反対です。米軍放送傍受語学で一番困るのはアメリカの田舎訛りですが、かなり前のこと、誰かが誰かを「エンダイト」したというのがしょっちゅうあるので、何をしたのか、襲ったのか、いじめたのか、enditeかなと探せど探せど見つからず、もしや起訴かと和英辞典で探して、indictを発見しました。その後、アメリカ人が「インディクト」と発音するのも聞いたので、「もう訛るんじゃねえぞ!」と怒鳴ったのですが、昨日、イギリス製映画を見て「イギリス生まれなのにアメリカ訛りでしゃべるな!」という台詞を聞いて快哉を叫びました。

 閑話休題。私が上記のことを「初めて知った」のは、当然、これまで一度も聞いたことがなかったからなのですが、これがまた、驚きなのです。私は元々は法律嫌いの文科系ですが、労働裁判をやったために、刑事事件にも首を突っ込みましたし、弁護士との付き合いもあったのに、誰も、このことを言わなかったのです。

「人権の擁護」を旨とする弁護士たちは、つまり、「私人の起訴の権利」を人権とは考えていないのです。だから、日垣さんに「偽善系」と批判されるのです。この権利が無いから、日本の刑法は絵に描いた餅になっているのです。自称人権派弁護士も、この決定的に重要な権利を「法律家で司法試験合格者の仲間」の検察が独占していることを当然のこととしており、まことにもって鈍感至極なのです。

 ひるがえって、内心忸怩、名目だけでも「法治国」なのに、民事に持ち込める問題でさえも、いちいちやってられるかよ、という状態です。要するに手間が掛かるのです。口は悪いが真の平和主義者の私でさえも、ドラム缶の愛称の単一10本使用巨大ラジカセを担いで演説する方が楽なので、そちらを選びます。もっと怠け者は、サッカーのフーリガンそこ退け、ジェノバで暴れて、警察の過剰警備批判をしては、自分が正しいのだと言い張ります。

 しかし、1960年安保闘争でも無責任な不良少年が歩道の敷石を剥がして割って、警察官に投げ付け、結果として死者を出す事態を招きました。

 つい最近、花火見物でも死者が出ましたが、子供と老人です。1960年の国会構内でも、警官に追われた群れの横倒しの中で、唯一の女性志願参加者の樺美智子が下敷きになって死んだのです。私自身も、彼女を倒した群れの一人だったのです。それを警察官による「虐殺」と表現し、彼女を殉教者として神格化し、激発を重ねた成れの果てが赤軍派です。激発を擁護することは、同じ愚行の歴史を繰り返すことです。

 同じ生身の警察官の身になってみなさい。貧しい家庭に育って大学には行けず警察学校に学んで、国会警備に駆り出され、怠け者のチンピラ学生から「ポリ公帰れ!」と怒号を浴び、石を投げるのに耐え抜いて、目前の違法行為を命令を受けて排除し、それを虐殺と非難されるかと思えば、花火の警備は不十分と批判され、それで「偽善系の慢性左翼病」が嫌いにならなければ、不思議という他ありません。

 私は、武蔵野市の税金横領事件の裏に潜む政治犯罪を暴くために、昨年、上記のドラム缶活用を初めました。武蔵野警察署前でも最初は妨害されましたが、以後は何度も、「生命の危険を犯して頑張っている皆さん、悪いのは高級官僚です、武蔵野警察署の皆さん、御苦労さん、激励に参りました。武蔵野署だけで結構ですから労働組合を結成しましょう。私が地域労組の委員長になって、相手が警視総監でも警察庁長官でも、交渉を引き受けます」、などと、ぶっぱなしています。

 本当は、刑事事件も起訴、民事も賠償請求など、ありとあらゆる平和的手段を駆使し、同時に、上記のような日本の制度の問題点をも解明し、広く知らせる努力をすべきなのです。警察の過剰警備は権力の責任、抗議した方はあくまでも正しいという怠け者の「お粗末論理」は聞き飽きていますから、お止め下さい。でも、日垣さんと同様に大学の法科で学んだことのある人は沢山いるはずなのに、皆さん、煙草に放火したり、下手な放歌しているだけなのでしょうか。


電子手紙2001年7月分の目次へ
電子手紙文書館の目次に戻る
『憎まれ愚痴』総合案内へ
基地の出城の大手門高札に戻る

雑誌憎まれ愚痴 バックナンバー 目次一覧 連載記事一括 時事論評&投稿
憎まれ愚痴入口 テーマ別発言集 木村書店 亜空間通信 亜空間放送局