送信日時 : 2001年 2月 8日 木曜日 10:40 PM
件名 :シリア政府がホロコースト見直し論を信奉
ゴラン高原の返還を求めてイスラエルとは最前線で対決中のシリアが、引き続き、イスラエルの「ホロコースト神話」利用を非難し、アメリカの脅迫にも屈することなく、事実に基づく果敢な言論戦を展開中です。
『歴史見直し研究所・最新情報』
5号/2000年10月
Institute for Historical Review
http://www.ihr.orgシリアがホロコースト見直し論を信奉
『ホロコーストの欺瞞』と題し、中東では最初のホロコースト見直し論の発行となる本が、歴史見直し研究所と提携の関係にある満潮出版社(Noontide Press)によって、近く出版の運びとなる。このことが示すように、ホロコースト見直し論は、イスラム世界で支持者を拡大し続け、広がり続けている。
9月6日には、シリアの政府機関紙、『シリア・タイムズ』が、イスラエルに向かって、「己が罪を覆い隠し、『世界……を脅迫』するために『ホロコースト』を利用し続けている」と攻撃した。この記事では、ガス室で殺された者はいないと明確に宣言しているだけでなく、シオニストの指導者たちが国家社会主義者[ナチ]と協力関係にあったことをも指摘している。
シリアのメディアは過去にも、イスラエルとホロコーストについて論じてきたが、『現代イスラエルの建国神話』(拙訳『偽イスラエル政治神話』の英語版の題名、"Founding Myth of Modern Israel")の執筆によってロジェ・ガロディが示したホロコースト見直し論に関する確信が熱狂的に迎えられる以前には、シリア人のイスラエルに対する攻撃は、シオニストの指導者たちをナチを比較したり、イスラエルの政策をイスラエル自体が主張するホロコーストの申し立てと比較することに傾いていた。1998年のガロディ裁判は、この傾向の訂正を加速し、たとえばダマスカスのラディオは、これまでに受け入れられていたホロコースト物語を明確に否定する報道を行った。
昨年の1月には、もうひとつ別の、シリア政権と提携関係にある『ティシュリン』が、イスラエルに対して、「ホロコースト神話」を作り出し、「世界中を脅迫し、政治家を威嚇するために利用している」と非難した。
[わがホ-ムペ-ジとメ-ルで、上記『ティシュリン』記事に関するロイター電を既報。以下は、抄訳とする]
上記『ティシュリン』記事に対して、アメリカの国務長官[当時]、オルブライトは、公開の場で、けたたましいの非難を浴びせ掛け、先のシリア大統領、ハフィズ・アサドに対しては、ホロコースト産業の重量級の担い手(原語のlifterには[俗]泥棒の用法もある)、エリー・ヴィーゼルらの連名の手紙が送り付けられた。
最新の『シリア・タイムズ』記事は、意義深いことに、ハフィズ・アサドの息子で大統領職の後継者のバシル・アサドが、父親と同様にホロコースト見直し論の信奉を継続していると報じている。この記事はインターネットの『シリア・タイムズ』のホームページにも掲載されており、いわば、ホロコースト見直し論が、シリア政府の支持を背景にして、印刷物としてもデジタル情報としても、イスラエルの入り口の前に広げられていることになるのである。
パレスチナ人の新たな反乱がイスラエルとその占領地で一斉に展開されている状況下、最早、これ以上は、ホロコーストを彼らへの武器として利用することを許さないという中東諸国とイスラム世界の人々の声が、ますます高まっている。
歴史見直し研究所の編集長、マーク・ウィーバーは、イランの『イスラム・ラディオ』のインタヴューを何度か受けたが、その放送は、中東だけでなく、インド亜大陸の英語を使用する非常の数の多い人々の耳にも届いている。
英語の原文は、わがホームぺ-ジに同時掲載。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/glo-50.html
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