『亜空間通信』2001.10.29:72号

解説主幹怪死事件疑問点列挙2.「氏と死」綱渡りで必死に身を守るNHKの知恵か

送信日時 :2001年 10月 29日 月曜日 11:31 PM

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『亜空間通信』72号(2001/10/29)
【解説主幹怪死事件疑問点列挙2.「氏と死」綱渡りで必死に身を守るNHKの知恵か】

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転送、転載、引用、大歓迎!

 前回の『亜空間通信』64号(2001/10/25)【NHK副会長に直接:イラン紙の解説者「殺害」報道への対応要請:疑問点列挙1.】発表以来、すでに4日も経過した。その間、関連事件のテレビ朝日問題にも事態の変化が見られたので、その報告を2回分はさんでの今回の「疑問点列挙2.」となる。

 最初にまず、わが電網宝庫読者から次の電子手紙受け付け宛名が存在することを教えられた。NHK広報である。こちらは字数制限が「ない」。しかし、視聴者ふれあいセンターとやらは、この宛名を教えてくれ「ない」。つれ「ない」仕打ちである。「ないない」尽くしのNHkには金輪際、金は出せ「ない」。出したく「ない」。

 message@pr.nhk.or.jp

 で、私は、この宛名に、これまでにこの関係で発行した本通信を全部送りつけた。だが、当然のことのように、礼状は届か「ない」。

 さて、前回の最後に簡略に記した「氏」問題を、再録する。

 NHKは、他のいくつかのメディアと同様に、これまでに確立してきた犯罪報道の原則に従って、容疑者として「確定できない」から、「ラディン氏」と「氏」を付けて報道していたのである。この判断には、当然、「九七年に外交安全保障担当の解説委員。九八年から解説主幹を務め、米同時テロの解説も担当」していた長谷川さんの意見が反映されていたに違いないのである。

 この扱い方は、「ラディン主犯」説をゴリ押しするアメリカの阿呆大統領とその尻に従う日本の馬鹿首相、さらには「偽」イスラエルの極悪大量殺人鬼首相などにとっては、困ったことだったに違いないのである。

 以上で引用終わり。

 これと対照的な読売新聞の姿勢について、次の文章を参照されたい。

 読売新聞は事件直後、いち早く事件の首謀者と見られる人物を「ビンラーディン」と、敬称も省略して報道した。他の各紙が後々まで「ビンラーディン氏」「ビンラディン氏」と敬称をつけてきたのとは、対照的である。

 以上で引用終わり。

 この文章の方は、新聞記事ではなくて、元読売新聞の政治部記者の中村慶一郎による雑誌への寄稿、「テロ事件が暴いた、学者、評論家の正体」(『日本』2001.11)の一部である。中村は「報復賛成」の立場であり、「報復反対」派を「エセ人道主義」と批判しているのである。

 以下が、この中村による「エセ人道主義」報道「氏」つけ記事の実例となる。

『朝日新聞』(2001.10.17.夕)
ビンラディン氏関与
国内裁判耐える
証拠確かにない
小泉首相答弁

「国内の刑事裁判みたいな証拠は確かにない」。小泉純一郎首相は二十四日午前のテロ対策特別措置法案に関する参院合同審査で、米同時テロヘのウサマ・ピンラディン氏の関与について、国内裁判に十分耐えるだけの証拠は明示されていないことを示唆した。民主覚の佐藤道夫氏への答弁。

 首相は同氏の関与が濃厚なテロ事件が頻発している点を指摘。「(国際社会の忍耐の)限界を越えたということだ。証拠がないから何もしないという態度は日本として取り得ない」と強調した。首相はこれまでビンラディン氏の関与を裏づげる「説待力のある説明」を米側から受けていることを強調する一方、「情報の中身は明らかにできない」としていた。

 以上で引用終わり。

 NHKの放送の録画はしていないが、朝日の報道の仕方と似たようなものであろう。実は、このことの重要性に私が気付いたのは、わが電網宝庫読者から次のことを教えられたからである。

 私のNHK解説主幹「怪死事件」に関する通信を見て、わが読者が言うには、「音楽専門FMのJWAVEで珍しくビンラディンのことをやっていた。氏をつけるメディアとつけないメディアがあって、」。「えっ」と聞き返すと、「視聴者の質問に応えてスタッフの女性がNHKなどの広報に取材して、云々」。つまり、簡略に言うと、先に再録した部分のことである。再度、その部分のみを再録する。

 NHKは、他のいくつかのメディアと同様に、これまでに確立してきた犯罪報道の原則に従って、容疑者として「確定できない」から、「ラディン氏」と「氏」を付けて報道していたのである。

 以上で引用終わり。

 これにさらに、ある極秘情報を付け加える。もちろん、企業名も役職名も個人名も特に秘匿して「某」とする。「某」大手メディアの「某」長の「某」氏が、「ビンラディンの犯行ではないと思って裏取り取材をしている」のである。

 つまり、読売新聞は別として、ある程度の大手メディアの首脳ならば、首相が「国内の刑事裁判みたいな証拠は確かにない」と答えざるを得ない状況なのに、ビンラディンを主犯扱いするわけにはいかないと考えるのである。うっかり、そうしてしまったら、それが間違っていた場合には、自分達までが「戦犯扱い」されることになるのを恐れているのである。下手をすれば、企業または組織の「死」となり得る状況なのである。

 このような状況下、いわば「氏と死」の綱渡りで必死に身を守るメディア権力のNHKと政治権力との知恵比べの最中に、「同時多発テロ」問題の担当者だった長谷川解説主幹が「不審な死」を遂げたのである。この「事件」報道の小ささと遅れは、少なくとも、実に奇妙と言わざるを得ない。


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