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『亜空間通信』253号(2002/05/11)
【似非紳士こと朝日asahi.comでリンクが消滅？ドイツでの911軍部CIA謀略寄稿】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎！
いやはや、困ったことで、今日(2002/05/11)こそと、昨晩決意した予定が、またまた狂ってしまった。
別に悪いことをしたのではないのだが、すでに事前予約金まで集めた911モサドCIA謀略徹底検証本のまとめに掛かろうかと思いつつも、とりあえず電子手紙を受信してしまったのである。その中に、本通信では後に匿名扱いで紹介するが、「憎まれ愚痴」愛読者による「２年ぶり２度目の投稿」があり、次のような箇所があった。
[前略]
似非紳士こと朝日新聞が開設している「アサヒ・コム」に、とのコラムが掲載されておりました。
[後略]
以上で引用終わり。
まずは、上記の電子手紙に掲載されたリンクによって、その記事を入手できたので、その全文を紹介する。
http://www.asahi.com/column/aic/Tue/tan.html
「欧州どまんなか」 May 07, 2002
陰謀論が陰謀論をひきおこす美濃口 坦
ミノクチ・タン
1970年から京都ドイツ文化センター勤務。1974年ミュンヘンに移住。1980年から1991年まで書籍販売業。人生の大部分を通訳、翻訳、教師等で日銭を稼いで生きてきた「フリーター」先駆者。この数年来、日独のメディアに寄稿。訳書「比較行動学」（アイブル＝アイベスフェルト）日本に、アンドレアス・フォン・ビュロー（６４歳）というドイツ人など知る人はいないと思われる。彼は２５年間連邦議員をつとめ、ヘルムート・シュミット首相の下で７０年代国防政務次官、８０年から８２まで科学省大臣にまでなった社民党の政治家である。今は政界から引退して弁護士をしている。
「９月１１日」のテロ事件以来、オサマ・ビンラディンを黒幕とする国際社会の通説に対して、異説が次から次へと生まれインターネットで世界中を駆け回る。過去の人ビュロー元大臣が時の人になったのは通説に異議を申し立てたからである。
事件後、世界中の人が色々な点に疑問を感じた。４機の旅客機がいとも簡単にハイジャックされたこと、パイロット経験が少ない人々が世界貿易センターに見事命中させたこと、ハイジャック判明後米空軍の対応おくれで「同時多発テロ」を許したこと、飛行機は延着するのに主犯格容疑者が飛行機を乗り換えるというリスクあるルートをあえて選んだこと、その他多くの疑問が「陰謀論」として抑えられて世論操作されていることにビュローさんは憤慨する。
歴史的には、陰謀論（conspiracy theory）は１８世紀啓蒙時代にはじまったとされる。これは、秩序転覆と世界支配をねらう秘密結社が謀議し、至るところで目に見えない力を及ぼしているとする考え方で、万象の背後に神の働きを見る当時流行の汎神論に一脈通じる。陰謀論は、当時から啓蒙に反対する保守反動派のお得意で、秘密結社の役割を演じたのはフリーメーソンやユダヤ人であった。
陰謀論は複雑な現象を単純化するので、欧米社会では評判が悪い。またこれは反ユダヤ主義と結びつくので、特にドイツのメディアは陰謀論を極端に警戒する。それでもビュローさんのインタビューが新聞に掲載されるのは地味で誠実な政治家だったというイメージが彼にあるからである。
彼は容疑者がたくさんの足跡を残していることに「象の群れがジャングルを歩いたよう」と皮肉る。これも、彼が長年議会の諜報活動監視委員会にいた経験から、プロの秘密情報機関ほど国家の不法活動の痕跡を消すために偽の証拠をたくさん残すことを知っているからである。でも、彼はどこの国の秘密情報機関が関与したかについては沈黙する。
彼とは対照的に陰謀論の特徴を大胆に示す本が少し前フランスで出版された。著者のティエリー・メーソンはフランスでは「調査報道」の代表者とされ、彼の「おそるべき詐欺」はベストセラーになった。
この本のなかで「秘密結社」の役割を演じるのは米国の軍部やCIAに昔から巣くう軍国主義的右翼過激派である。「９月１１日」はこの過激派がアラブテロリストを利用したヤラセ的事件になる。目的はブッシュ大統領を取り込んで操り、過激派好みの米国にすることにあったとされる。（あの時から確かに、米国は世界中の悪を撲滅する永久戦争をはじめる）。
１９９５年オクラホマ市のビルの爆破テロで１６８人が死亡したが、初動捜査ではアラブテロリストの犯行と見なされた。ところが、結局米国右翼過激派の単独犯行者が逮捕された。でも、事件にアラブテロの影を見る人々は跡を絶たない。とすると、「９月１１日」に同床異夢の米過激派とアラブテロの連携プレーを推定することは突飛なことではないかもしれない。
こう考えると、CIA関係者がドバイの米系病院に腎臓病で入院するビン・ラディンを訪問したとする報道が意味深くなる。著者は、ブッシュ家とビン・ラディン家との密接な関係、（パイプライン敷設のために）米国が早い時期からタリバン政権を打倒してアフガニスタンの分割支配の安定化をもくろんでいたことなどもその仮説に組み込む。こうして、「おそろしい詐欺」は９月１１日以来の異説的ニュースの集大成のおもむきがある。但し読みながら著者が関係妄想をわずらっている感じが時々するが、これも陰謀論の特徴である。
圧巻は９月１１日ハイジャックされた飛行機が米国防省の内部犯行説である。根拠は、建物の破壊が、飛行機が飛び込んだと考えるには小さすぎること、また壊れた翼が写真に見えないことである。（でも、それならハイジャックされた飛行機とその乗客はどうなったのでしょうか）。
西欧的「正統と異端」の区別と無関係な日本人には重苦しい陰謀論も推理小説と同じようにみえる。だから私たちには、「秘密結社アルカイダ」がアフガニスタンの洞窟でテロの謀議をし、世界中にテロの網を張りめぐらしたとする通説も、はじめから古典的陰謀論のように思えた。ところが、米国の言動が多数のドイツ人に胡散臭くなるのは米大統領の「悪の枢軸」発言あたりからである。話がここまで来ると「ユダヤ国際金融資本＝共産主義者」のヒトラーの陰謀論に似てくるためである。
陰謀論が陰謀論をひきおこす。この連鎖を断ち切るのは、私たちが「よくわからん」と自分にいいきかせて、関係のないことに巻き込まれないようにするのがいいと思われる。
以上で引用終わり。
確かに、この記事は朝日新聞社が作成している電網宝庫の頁に入っている。しかし、念には念を入れるべき問題なので、朝日新聞社の広報に電話をして、紙印刷の新聞の方にも載っているかと確かめた。ところが、なのである。事情を話して、何度も確かめてもらったので、「ない」という返事には間違いがないようである。
そこで、自分でもやってみると、確かに、そこへのリンクは発見できない。まずは、「美濃口坦」さんのことを知る必要があるので、グーグル検索すると、ご本人の電網宝庫があった。以下、その自己紹介を紹介する。
http://home.netsurf.de/tan.minoguchi/
ドイツ壁新聞このホームページはドイツを中心にした時事問題を扱っています。
更新日 ２００1年11月18日
開設日 １９９９年１２月２０日 目次のぺ－ジへ行く。
http://www.asahi.com
で欧州どまんなか(水曜日更新）いうコラムの連載をしています。
ホームページ作成・管理者 美濃口坦 （フリージャーナリスト）＜略歴＞ １９４５年鎌倉生まれ。 ６９年京都大学独文科卒業。 ７０年から京都日独文化研究所研究員。７３年からドイツ在住。 ９０年からドイツと日本のメディアに寄稿。訳書に 『比較行動学』 （アイブル＝アイベスフェルト） などがある。
以上で引用終わり。
で、このご自身の電網宝庫の目次の中には、「欧州どまんなか」があり、そこをクリックすると、上記の May 07, 2002「陰謀論が陰謀論をひきおこす 」が出てくる。
次には、この情報を知らせてくれた読者の手紙を匿名にして紹介する。
「憎まれ愚痴」を愛読させていただいている○○といいます。
こちらへは２年ぶり２度目の投稿となります。似非紳士こと朝日新聞が開設している「アサヒ・コム」にアンドレアス・フォン・ビュローというドイツ(元)政治家が９１１事件についての陰謀論をドイツ国内で発表し話題になっている、とのコラムが掲載されておりました。
「欧州どまんなか」May 07, 2002 陰謀論が陰謀論をひきおこす
http://www.asahi.com/column/aic/Tue/tan.html毎週火曜日には更新されるようですので、5/14には入れ替えられてしまうと思いますが、バックナンバーも有ります。
ただ「「アウシュビッツの嘘」の嘘」に見られるように、有る程度誰にも受け入れられるような真っ当な意見を取り上げた後に、方向性は同じように見えていささか極端な主張、トンデモなどと称されますが、を紹介し全体を疑問符で括る、という書き方は気に入りません。
それでもシンシア同様、皆の信頼を得た立場の人間が発した言葉は書き手の作為を超えて届いたように思いました。
今後も木村さんのご活躍を楽しみにしております。
それでは。
以上で引用終わり。
最後は、問題の記事の筆者への質問である。
差出人 : 木村愛二
宛先 :
送信日時 : 2002年 5月 11日 土曜日 11:39 AM
件名 : 貴兄の記事「陰謀論が陰謀論をひきおこす」の掲載の有無に関し
元日本テレビ社員、65歳の木村愛二です。
私は911直後から謀略説を採っていますが、本日、わが電網読者から以下の部分を含む手紙が来ました。
朝日新聞が開設している「アサヒ・コム」にアンドレアス・フォン・ビュローというドイツ(元)政治家が９１１事件についての陰謀論をドイツ国内で発表し話題になっている、とのコラムが掲載されておりました。
「欧州どまんなか」May 07, 2002 陰謀論が陰謀論をひきおこす
http://www.asahi.com/column/aic/Tue/tan.html
早速、これをクリックして記事を入手しましたが、念には念を入れる私の主義で、紙印刷の方を朝日の広報に尋ねたら、「ない」という返事でした。
7日は新聞休刊日なので、夕刊しかなく、夕刊の紙印刷をも入手しましたが、やはり、この記事はありません。一週間の掲載遅れの可能性もあり、特別な事情があったとも考え得るのですが、このところ、アメリカではフォックス放映のイスラエル・スパイ百人逮捕特集の文字化記事が消えたりしており、もしや、どこぞの圧力でリンクを切ったのかなと、新たな「陰謀論」が登場し得るので、しつこく事情を確かめる予定です。
よろしければ、事情を教えて下さい。
なお、私は、この件では、「狼少年が何度も嘘を付いたからといって、狼がいなくなるわけではない」、または「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と言って、実際には戦争屋が何度も実行している謀略を暴露しようとしないのは、「ジャラジャラなジャリすっとこどっこい」の臆病者どもとしており、マスコミ業界の商売人どもを厳しく批判しています。
以上で引用終わり。
さてさて、たとえば来週の火曜日に、上記の記事が紙印刷の「似非紳士こと朝日新聞」に掲載されるものかどうか、お楽しみである。
以上。