第2回寮生交流会アンケート 13:交流会に参加しての感想 |
「義務と惰性」から「青春のほとばしり」へ 長谷川 源秀 |
僕は聖書研究が好きでなかった。 旅は好きだ。酒も好きだし、初対面の人と語り合うことも好きだ。全国の色んな寮に興味もあった。 だが、聖書に興味は無かった。入寮前は聖書に触れることにさえも抵抗があったほどだ。 昨年の第1回寮生交流会には「交流をメインにおき、それほど学Y色 を強くしない」という噂を耳にしたので、他の夏期ゼミや日韓などよりも、気軽に参加することができた。 ところが今回第2回交流会では、なんと聖研がある。正直、嫌だった。 寮の聖研には、ほぼ義務感で参加していた。浦山寮の聖研には全員参加の原則があるのだが、もしこの原則が無かったら僕は毎週欠席しているだろうし、そもそも誰一人参加しない可能性の方が高い。 もちろん、聖研と同時に行われる寮生会議には寮生全員が一度に集う ほぼ唯一の機会であるという意味があったり、聖研も、やるからにはで きるだけ楽しくやりたいという思いはあったとしてもだ。 九州地区の合宿の聖研にもあまり興味は無かった。問題の無いところに無理矢理問題をこじつけて、それを「難しいね」「わかんないね」と締めくくって終わっているようなイメージがあったからだ。 なぜ聖研をするのか、という問いには、「元々あったから」「ルール だから」という消極的な答えしか見出せず、かといって改善案を出すわけでもなく、廃止を要求するわけでもなく、ただだらだらと一年間を過 ごしてきた。 ところが今回の聖研は面白かった。 純粋に聖研そのものを面白いと感じたのは初めてだ。 比較的短めに選ばれた文章。ひとつに絞られたテーマ。相手の話を聞 くうちに自分の考えも高まっていき、また自分の発言によって相手の思 考も発展していくという快感。それが僕らの身近な体験に容易に結び付 けられるわかりやすさ。 それらは同じグループの方の手腕に依るとことも多かったのかも知れ ない。グループのメンバーの相性も大きかったのかも知れない。 僕は、これなら寮の聖研も面白くやれるかも知れないと、ちょっと思 った ちょうどその直後に、浦山寮の聖研で、キリスト教と聖書に対する寮生の思いを清算してみよう、という動きがあった。それを具体的に提案 してくれたのは、顧問の井上大衛先生だった。 次の週に、僕は提案した。以下はその一部である。 ******************************** 5.問いかけ「義務と惰性?」 おそらく聖研をやりたいと思っている人はほとんどいないと思われる。 皆がやりたくないことをなぜやるのか。今後もやるならばどういう姿勢 で望むか。やりたいと思えるような方向性とはどんなものか。 ではこれまで聖書あるいはキリスト教・YMCA活動に触れてきて、良 かったことは何だろうか。どんな小さなことでも良い。 6.今後どうしたいか。 こんな(だけの)聖研はつまらない。 ・キリスト教についての知識を得る。 ・聖書の正しい知識を得る。 ・井上先生の講義をただ聞く。 ・聖研担当者の調べてきた内容を聞く。 ・どう思いますか? という質問にただ答えていく。 ・眠いのをこらえてただ22時を待つ。 やはり、寮生全員が一同に集う唯一かつ最大の場として、青春のほと ばしりをぶつけ合(以下略) そのためには ・1回1テーマの原則 ・聖書は僕らが自分を・相手を理解し合おうとするための一つの道具である。 時にそれが酒であったりバイクであったりするのと同様に。 ******************************** それまで浦山寮の聖研は、聖書のある章について聖研担当者が調べて きた内容を全員に発表し、さらに詳しくを井上先生に解説してもらう、 というスタイルだった。 誰も望んでいないことを誰のためでもなくやっている、そんな聖研だ った。 手始めに、僕は恋愛についての議題を提案した。ちゃんとそのころの 寮生の現状をふまえての提案だ。 それは、なぜ僕たちは妥協するようになったのか、というところから 始まって、僕たちは間違いで生まれてきたのか、それでも地球はまわる のか、という深いところまで到達するものだった。 少なくとも、いつもの聖研よりは、お互いの経験や考えをぶつけ合う ということができた。そして何よりも、楽しかった。 井上先生も、自分の(いつも女子大生と触れ合っている)経験を話してくれたり、また、聖書の「雅歌」という、恋愛を題材にした一節を紹 介してくれたりした。 浦山寮の聖研は変わりつつある。そのきっかけは、この第2回寮生交流会にもあったのだ。ありがとう。 (この文章には嘘は無いつもりですが、僕が格好良く印象に残るように演出されています。ご注意してね) (「恋愛」の次の週の聖研の、船越案「長崎大学がなんぼのもんじゃ」 も大変盛り上がりました。良かった良かった) |
もくじへ |