新歓学習会報告
深川博志(京大医3)
もともとは、一昨年のODAについての11月祭研究発表で私が医療分野について調べた際、
を知ったのがきっかけである。途上国でもエイズは大きな問題になっているということは漠然と知っていたものの、これほどまでに大きな問題とは思わなかった。この数字を見た当初、何かの間違いだろうと信用しなかったくらいである。
また、最近マスコミでエイズが取り上げられなくなっているので、ここで改めてエイズについての基礎的な知識を知ってもらい、その対策を考えてもらいたかったというのもある。
最低限、途上国にとってもエイズは大きな問題であること、犠牲者非難型・脅し教育型の対策よりも共感型・予防型の対策のほうが効果的であることを知ってもらおうと思った。
まず、これまでさまざまな地域で実施された9つの主な対策を参加者に提示し、効果的だと思う順に並べてもらった(これは一人一人で作業してもらった)。そして3人×4のグループに分かれてもらい、話し合いの上でグループでの順位づけをして、黒板に書いてもらった。
次に私が世界のエイズの状況について説明した。
そして最後にもう一度ランクづけをやってもらった。
最低限理解してもらいたかったことについては、理解されたようである。議論の時間が少なかった、メリハリがなかったという意見もあった。
私は話し下手で、今回も途中から声が小さくなってしまった。緊張して喉が乾いたという事情もあるのだが。話術が劣る人がやる場合、その他の部分で参加者の気持ちを惹きつける必要があるのだが、今回もうまくいかなかった。
参加者の知識や興味をどの程度のものと考えればいいのか、分からなくなった。実は今年2月に内部で学習会をやった際、「売買春で感染した場合、その人が悪いのだから、治療なんかしなくていい」という意見が出た。私はそのような考えをする人はほとんどいないものと勝手に決めてかかっていた。それだけに今回は、そうした考えを持っている人もいることを前提に学習会をやってみた。しかし最初の順位づけをみる限り、そうした人はいなかったようだ。
また、エイズに関する知識を参加者はほとんどもっていないという前提でやった。しかし、1回生の中には入学時に配られたエイズに関するパンフレットを読みなおしてこの学習会に臨んだという人もいた。この前提も間違っていたのかもしれない。
医学部生にもほとんど知らない人がいるので、まして他学部生なんて、と思っていたのだが、この仮定も間違っているのかもしれない。
今回はエイズに関する全体的な状況を取り上げてみた。例示したのも、国全体の話である。そのほうが、話に一般性が出ると思ったからだ。
しかし、一つの村に特定した具体的な活動事例を示して、「こうして○○村のエイズ対策は成功しました」とやったほうが、分かりやすく説得的であったかもしれない。
上記とも関連するが、全体的には特に途上国では感染が爆発的に拡大しているのに、成功した対策を取り上げて希望を持たせるというのもいかがなものかと思うわけである。
ワークショップをやっていただいた福田さん、考えるきっかけを作ってくださったODA研究発表責任者の安藤さんに感謝します。