1998/04/27 田岡直博
例年恒例となっている新歓学習会の第1回である。参加者は8名程度であった。
昨年秋、国際子ども権利センターの主催でフィリピンから2人のJFC(マリコ・オーロラ)を招いてシンポジウムを行い、京大ユニセフクラブにおいても交流会を行うことができた。それがこの学習会を行おうと思った直接のきっかけである。
よほど詳細な報告でも書かない限り、出席していなかった人には分からないと思うのでここでは概要だけにとどめておく。別の形でJFCについての原稿を掲載するかもしれない。
まずJFCとは何か、何が問題となっていて、実数はどのくらいで、どういう生活をしているのかということについて概要説明。呼称問題にも触れる。
JFCが生まれる背景として、日本に出稼ぎに来るエンターティナーおよび外国人労働者全般の問題、フィリピンの社会・経済情勢、日本における国籍法の問題などを、データ・グラフ等を随時参照しながら説明した。
ここでは主に9条10条に附された解釈宣言の是非をめぐって簡単に触れた。
JFCを支援しているNGOとして、日本では国際子ども権利センター、JFCを支えるネットワーク、フィリピンではBATISの活動をおおまかに説明。
マリコ、オーロラのシンポジウムでの講演録を読んでもらった。さらに代表的な訴訟として、アンデレちゃん、ダイちゃん、ヨランダ・マリ事件、バルゴ・マイラさん(係争中)の各事件から、認知をめぐる訴訟や、国籍請求訴訟(国籍確認訴訟)の流れや、裁判所の態度を見た。
最後にわたしたちができることは何か、考えてもらった。
新歓学習会として、JFCに対して全く予備知識もなしに、関心もあるのかどうか怪しいまま、膨大な(?)知識を一方的に発信する形の学習会というのは難しかった。実際興味を持ってもらうことはあまりできなかったと思うし、どこまで伝わったのかもかなり疑問である。