January 2007
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January 2007
 
2006
 
 
 
まちづくりと新しい市民参加
 
 
2007.1.30
 
「反住基ネットサマーセッション in 横浜2006 発言集」
 
 「安全」とは何か 「危険」とは何か、という副題をつけた「反住基ネットサマーセッション in 横浜2006 発言集」が発行される。

 編集・発行:反住基ネット連絡会
 頒価1000 円(送料込):A4版 104ページ
 発行・2007年2月4日

 これは、2006年8月26、27日の両日に横浜市で行われた「反住基ネット・サマーセッション in 横浜 2006」の内容をブックレットにしたものである。サマーセッション2日目に行われた「監視サイド」の全発言と、これを発展させたエッセイ「プライバシーの輪郭 国家の輪郭」が収録されている。

■パンフレットのご案内▽(予約受付中):
http://www1.jca.apc.org/juki85/2006SummerSession/2006SSReport.html

 なお発売日の2月4日は、当センターの「トピックス」でも案内しているが、反住基ネット連絡会・連続講座10周年記念として開催される『反住基ネット訴訟が開いた自己情報コントロール権の扉』に合わせて、会場で発売開始される。

■2/4集会のご案内
http://www1.jca.apc.org/juki85/20070204/20070204NakaMeguro.htm
 
 
2007.1.26
 
「イギリス ウフフ年金生活」
 
 この表題は、高尾慶子さんの本の題名である。私は不明にしてこの著者を知らなかったが、『イギリスはおかしい』『イギリス人はしたたか』『わたしのイギリス あなたのニッポン』『ロンドンの負けない日々』など、表題の本以前に6冊ものイギリス本を出版されていて、すべて文春文庫に収録されている。本書は単行本とて05年に展望社から出版され、最近やはり文春文庫として再出版された。
 何せ、アメリカに追随するばかりの小泉前首相への批判、無能な政治家に対する口舌は明快、かつ痛快である。対象としてイギリスの福祉政策が語られる。少しだけ「イギリスの年金はおいしい」から『医療と介護』のくだりを引用しよう。

 『英国では病院の診療、治療、入院費は生まれてから死ぬまで、一切無料だ。
 引っ越したらまず住居の近くのGP(開業医)へ名前を登録する。体が悪くなったら、まずこのGPに診察してもらいにいく。診察料は無料だ。診察の結果、医師から処方箋を渡されて、薬局へ行く。薬代は大体が2、3ポンドでこれは患者が実費で払うが、失業者や年金受給者は無料である。
 薬を服用しても病気がよくならない場合は、大きな病院へ行くよう指示される。(中略)レントゲンやら内視鏡やらで詳しく検査してもらえる。検査料や、次の来院までの薬代は無料だ。ただし、ブレア政権になってから、急病人はGPに行かずに直接大病院の救急受付に行けるようになった。
 GPや大病院で出してくれる薬はよく効く。できるだけ簡潔で早く効く薬の処方をしてくれるのだ。医療がビジネスになっていないから、効かない薬をどっさりくれて保険点数をかせぐ日本のようなことはしない。』


 全編がこのように、実体験を踏まえた筆致で描かれる。すでにイギリスに暮らして20数年。65歳になって年金暮らしを謳歌している。「年金はすべて使い切る」。「それがイギリス経済を潤し、地域を豊かにする」、と割り切っている。税金は高くても、将来にまったく不安がない。北欧ばかりが福祉国家ではないことを思い知らされる。簡潔、明瞭で大変分かりやすい。目から鱗の話題満載である。
 
 
2007.1.16
 
「公共工事の入札・契約手続等に関する実態調査」
 
 昨年暮れ、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づく入札・契約手続に関する実態調査及び公共工事の品質確保の促進に関する施策の実施状況調査結果」が、総務省および財務省、国土交通省から公表された(06年4月1日現在)。
 この2つの法律に基づく調査対象は、国(18機関)、特殊法人(131法人)、全自治体である。したがって、公共工事の入札・契約の適正化と品質確保に関する実態は、この調査結果にほぼ網羅されているといってよい。
 この間、つぎつぎと談合疑惑などで知事が逮捕されている問題の1つの核心は、入札・契約の問題である。すなわち公正な競争の促進である。その課題のうち一般競争入札は本格導入40.2%であり、国、都道府県は100%本格導入となっている。とすれば、課題は対象工事の拡大であるが、国44.4%、都道府県40.4%(一般競争入札の導入金額は最高24.1億円―秋田、福島、栃木、大阪の府県から、原則すべての工事―長崎県1県のみまで、幅が広い)にとどまっている。
 総合評価入札制度にいたっては、本格導入は全体ではわずかに3.0%であり、国(27.5%)、都道府県(10.6%)とも低レベルにある。このほかに、入札時VE(バリュー・エンジニアリング)、入札後VE、不正行為があった業者に関する競争参加取り消し、談合等に関する違約金条項など、興味深い調査結果がだされている。
 適正な施工の確保については、低入札価格調査制度、最低制限価格制度のいずれも導入していない機関が国が16.7%もあり(都道府県、政令市はさすがに0である)、市区町村は26.5%もある。
 また品質確保については、技術提案の審査・評価に関する調査項目が、総合評価入札制度との関連で興味あるものとなっている。
詳しくは以下のホームページにアクセスして下さい。

http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/061228_2_bt.pdf
 
 
2007.1.6
 
「市民版 杉並まちづくり白書(中間のまとめ)」
 
 杉並区内で活動する「まちづくりに夢をつなぐ市民の会」(略称・まち夢、代表理事:山内洋さん)が昨年6月、「市民版 杉並まちづくり白書(中間のまとめ)」を発行した。
 市民版まちづくり白書の目的を「中間のまとめ」では次のように述べている。『最大の狙いは今後の都市計画・まちづくりがより住民のためのものとして実施されることを促進することにあります。そのためには「まちづくり条例」のような、決定・施行のシステムの工夫が必要になります。この白書でも最終的には「住民のための都市計画・まちづくり」の実現を保証するような「まちづくり条例」の実現を促す提言を盛り込むことを考えています』。
 「中間のまとめ」はA4版24ページの小冊子であるが、杉並区の都市計画・まちづくりの歴史と課題が、実に手際よくまとめられている。一目みて素晴らしいと思うのは、A3見開きの分量にまとめられた「都市計画・まちづくり一覧表」である。
 横軸に年代・区分を、縦軸に課題を分類した項目を置いて、それぞれの時代にどのような計画や事業、市民参加の手法があったかがカラーで表示、整理されている。年代・区分は「関東大震災前」「大震災から大戦まで」「戦後復興期」「オリンピック」「高度成長期」「バブル」「現時点」と分かりやすい。杉並区が東京山の手郊外として本格的に市街化されてくるのは関東大震災以降というから、この一覧表からは杉並区市街化の歴史も読み取れる
 また、まちづくり事例研究として次の6つの事例が報告されている。
 
 事例1:まちづくりの基本方針(都市計画マスタープラン)づくり
 事例2:蚕糸の森と周辺(不燃化)まちづくり
 事例3:大田黒公園周辺地区(景観)まちづくり
 事例4:杉並区知る区ロード(イベント型)まちづくり
 事例5:住民まちづくり活動助成(参加型)
 事例6:高井戸清掃工場建設をめぐる東京ゴミ紛争(紛争と和解)
 
はなはだ面目ないことだが、この事例研究6で、清掃工場建設反対運動組織を財団法人化して(杉並正用記念財団という)、地域活動(環境・ゴミ清掃問題の社会啓発活動や地域社会活動支援など)を行なっていることを初めて知った次第である。「市民版 杉並まちづくり白書(中間のまとめ)」をまだご覧になっていない方は、次の「まち夢」ホームページにアクセスしてみて下さい。
http://machiyume.com/