7.18激論会 大分岐!ウクライナ反戦
ジャーナリストの林克明さんと、「九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」の著者である加藤直樹さんの「激論会」が開かれます。ぜ ひご参加ください。
「大分岐」というのは、たぶんロシアのウクライナ侵略めぐって、「どっちも どっち論」や、「むしろウクライナの方が悪い」というような議論をする左翼 は、もう平和運動とは言えない、そんな人たちなら、もはや袂を分かつしかない という強烈な問題提起が含まれているのだと思います。
私としてはそのような分岐はあってほしくないと思いますし、そのためにも、 より多様な立場の人々がこの議論に加わって、事実に基づいた理解を共有する必 要があると思います。ぜひご参加ください。(大富亮)
〇7月18日(月・祝日)13時半開場 14時開始
〇神保町区民館3F(神田神保町2の40)
https://www.next-fu.co.jp/areacho_nf/shisetsu_nf13101/shisecate_nf0714/detail_nf2112342/
〇パネリスト
林 克明 (ノンフィクションライター)
加藤直樹 (ノンフィクションライター)
原 隆 (NO—VOX Japan)
主催 7.18実行委員会 (呼びかけNO−VOX Japan TEL090-1429−9485)
独裁者プーチンによるウクライナへの侵略戦争は、21世紀の世界情勢を一変さ せた歴史的な転換点と言える。このウクライナ戦争を巡って反戦運動が、かつて ない混迷と大分岐にある今だからこそ、「歴史と現実を直視する」真摯な討論の 舞台が設けられるべきではないか—私たちは、そういった考えから今激論会を呼 びかけた。
間抜けな左翼の侵略擁護論
その最大の動機は、プーチンの陰謀論とも言えるプロパガンダにすっかり操ら れミスリードに一役買っている「間抜けな左翼」が散見されるからだ。「アメリ カやNATOが、ロシアの弱体化と分割を目論み、ロシアをウクライナへの戦争 に誘い込んだ」。「この戦争は、シア対ウクライナではなく、ロシア対NATOの戦 いだ」。つまり帝国主義同士の代理戦争だからどちらにも味方しない—「冷戦」 時代そのままの反米(帝)を前提とした時代錯誤のこうしたシェーマは、事実上 の「侵略擁護論」に他ならない。実際、NATOの「脅威」をデッチ上げ、「自衛」 のため、「住民保護」のためと称して、侵略を正当化する口実にしたプーチンの 主張を追認するかのようだ。中国政府がまさにこの立場である。あるバイアス (思い込み)に強く囚われているほど、根拠に乏しい陰謀論に操られやすいので ある。
プーチンの大ロシア主義
またウクライナや東欧の1989年以降の「民主化」やロシア国内の反体制運動 は、全てCIAの工作であるとする。自由を求める民衆の主体的自発的な立ち上が りを徹底して否認し愚弄するのは、それを恐れているからだ。元KGBで暗殺や陰 謀に手を染めてきたプーチンらしい「作り話」だ。典型的なのが「反ロシア=ネ オナチ」というレトリックである。それが詭弁であることは、ロシアの民間軍事 会社ワグネルこそナチス信奉者によって創設されたプーチンの傭兵部隊である事 実が明らかにしている。こうしたプロパガンダを真に受けてしまっているから、 「大ロシア復活」というプーチンの残虐で卑劣な野望、チェチェンで実証された 民族浄化の暴虐を見過ごし批判することができないのである。ファシスト並の独 裁者・戦争犯罪者であるプーチンがほくそ笑んでいるのが想像できる
侵略への抵抗は民族自決の権利
ロシアが今、ウクライナに対してやっていることは、紛れもない侵略であり、 大量虐殺(ジェノサイド)であり、破壊、戦争犯罪ではないのか。NATOを批判す るばかりで、何故この残虐行為を黙認するのか。ロシアによる侵略によって、自 由と尊厳、命を奪われ虐げられているウクライナの現実を目の当たりにして、あ なたは心が痛まないか。怒りが湧かないか。それで反戦を訴えられるのか。これ は、もはや人間性の問題であろう。侵略者に対して自衛のために武器を手に抵抗 することは(国際法上も認められた)権利である。この当然の権利を放棄して 「降伏しろ」などとどうして言えるのか。ロシア軍による占領下での殺戮、強制 連行、略奪、レイプ—こうした戦争犯罪を黙って見ていられるのか。断罪できな いのは何故か。ロシアによって植民地的隷属を強いられ自決権を奪われて、「小 ロシア」として併合されたウクライナの歴史をなぜ無視するのか。侵略に抵抗し て戦う以外にウクライナにどんな選択肢があったのか。抵抗をやめればウクライ ナはロシアに併合され存在しなくなる。国連や国際社会が、ロシアのこの暴挙を 止められたのか。むしろプーチンの大ロシア主義の野望を増長させてきた責任が 日本を含めた主要7カ国にあるのではないのか。侵略を止められるのは、暴力か 非暴力かを問わず、抵抗することによってしかない。自由と尊厳は戦わないで得 られない。そのためにウクライナの人々が、どれだけ辛く苦しい選択を余儀なく されているか想像してみよう。
自由と尊厳のための抵抗
自由と尊厳、生存のために侵略者と戦うウクライナへの連帯と支持が世界中で 広がっている。当たり前だ。この世界の潮流から取り残されてしまっているのが 時代遅れの左翼とりわけネオスターリニストだ。だから反戦運動は今や「大分 岐」に直面しているのである。自由や尊厳、民族自決の権利を奪う侵略者に対し て抵抗するウクライナの人々を「NATOの手先」「ネオナチ」だと貶めたり、侵略 者とそれに抵抗する者を同列に扱う主張は、ロシアの侵略を正当化・擁護するに 等しいと言わざるをえない。ウクライナの抵抗を担っているのは、大統領や軍人 だけでない。民衆一人ひとりの意志がなければ、簡単に崩壊する。ウクライナか ら自由と自己決定権を奪ういわれは、ロシアにもNATOにもない。「NATOが戦争の 元凶」論や「帝国主義の代理戦争」論、「侵略にも抵抗にも反対」論等、「反 戦」を装ったいかなるタワ言も、滑稽であり、人間性が疑われる。欺瞞と偽善で 固められた「反戦」では共感を得られない—ということが、共通認識になるよう な議論を始めるべきではないかと私たちは考える。「ウクライナの自由」は、私 たちの自由でもあるからだ。侵略者ロシア軍は直ちにウクライナから出ていけ! 自由と尊厳のために侵略に抵抗するウクライナに栄光あれ!
(文責・原 隆)
参考文献
「増補版プーチン政権の闇~チェチェンからウクライナまで」高文研
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784874987995
「ロシア・チェチェン戦争の628日~ウクライナ侵攻の原点に迫る」
清談社Publico
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909979339
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