19 Oct 2011 チェチェンニュース #370 ■チェチェン難民、イタリアで強制送還の危機 イタリアでチェチェン難民が逮捕され、ロシアへの強制送還の危機に瀕してい る。 10月9日の夜、フランスのニースに在住していたチェチェン難民のリナート・ イブラーエフと、ハバ・アブバカロヴナ・バンターエワの若い夫婦が(いずれも 80年代生まれ)、3人の子どもとともに、イタリアのタルヴィオスの街で逮捕 された。彼らはイタリアとオーストリアの国境に自動車で向かっていた。イタリ アにいた友人の家族を訪問したあと、オーストリアでの集まりに参加するつもり だった。 イタリア警察によると、イブラーエフにはチェチェンでロシアの警察官を殺害 したという容疑で国際刑事警察機構(ICPO)の逮捕状が出ていた。翌日、妻と子 どもたちは釈放されたが、リナートはトルメッゾにある拘置所に留め置かれてい る。数日以内に裁判所が強制送還に許可を出す可能性が高い。 Ichikeria.infoは、この事件に関連して、ロシア収容所元受刑者の会 (OKFUL-ChRI)が発行した声明を掲載している。これによると、リナートはロシア に占領されているチェチェン共和国から、政治難民としてフランスに亡命してい た。イタリアで逮捕された経験は以前にもあり、その時はフランス当局の要求で 釈放されていた。リナートにかけられた容疑はすべて作り事である。 事実は次のとおり。彼と兄弟のユヌースは、ロシア侵略軍に対する、チェチェ ン共和国イチケリア祖国防衛レジスタンスの正式なメンバーであった。このため にロシア当局は2005年以来、彼らと家族を迫害していた。2007年末、ユヌースは チェチェンでロシア軍に殺害され、同時に彼らの両親はFSBに誘拐され、拷問と 虐待を受けた。 拷問の目的は、リナートがどこにいるかを聞き出すことだった。こうしたこと が続いたために、彼ら一族はチェチェンから逃亡しなければならなくなった。 いま、リナートの家族は、彼の行く末を案じている。もしもイタリア当局がリ ナートの身柄をロシアの手に渡してしまったら、彼の命はまず確実に失われるか らだ。 http://www.waynakh.com/eng/2011/10/chechen-refugee-arrested-in-italy/ Chechen Refugee Arrested in Italy Friday, 14 October 2011 ==================================== チェチェンニュースは、ロシア南部で続くチェチェン戦争に反対し、 平和的解決を求める立場から発行している無料のメルマガです。 ぜひ、発行継続のためのカンパをおねがいします。いくらでも結構です。 〈郵便振替口座番号 00130-8-742287 チェチェンニュース編集室〉 〈ゆうちょ銀行 019店 当座 0742287 チェチェンニュースヘンシュウシツ〉 転送・転載・引用歓迎です。印刷物への転載の際は事前にご相談ください。 新規購読/購読停止はこちらから: https://list.jca.apc.org/manage/listinfo/chechennews よろしければ、ご意見、ご感想や情報をお寄せください。 ootomi@mist.ocn.ne.jp 発行部数:1390部 発行人:大富亮 http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/ [チェチェン総合情報] http://d.hatena.ne.jp/chechen/ [チェチェン総合情報 Annex] ==================================== -- chechennewsMLホームページ: http://www.freeml.com/chechennews ---------------------------------------------------------------------- メールだけでみんなを招待できる便利機能♪ http://ad.freeml.com/cgi-bin/sa.cgi?id=hzjmy -----------------------------------------------------[freeml by GMO]--