チェチェン総合情報

チェチェンニュース Vol.07 No.09 2007.03.30

http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0709.htm (HTML版) 発行部数:1657部

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アムネスティ・インターナショナルが、チェチェンでの拷問や虐待、失踪に関して、ロシア政府の責任を厳しく批判する国際ニュースを発表しました。今回はこのニュースからお伝えします。

31日に開かれるイベントの紹介や、沖縄・辺野古関連の緊急署名のお願いなどもあります。かなり雑多な内容になっていますが、どうぞよろしくお願いします。(邦枝律/チェチェンニュース)

INDEX

■アムネスティ国際ニュース:チェチェンにおける拷問や虐待、「失踪」、恣意的な拘禁を止めなければならない

欧州拷問等防止委員会(CPT)の声明を受けて、アムネスティ・インターナショナルが3月14日に発表した国際ニュースを転送します。CPTがある一国に対して3度も声明を出したのは前代未聞ということなので、ロシア政府の人権感覚は世界に類を見ないほど低レベルだと言ってしまってよいかもしれません。

「2006年1月、グローズヌイのORB-2と呼ばれる拘禁施設で拷問を受けたとされる1人の男性の事件がある。CPTによると、この施設では、被拘禁者たちが『あきらかに恐怖に怯えている』。彼は、そこで電気ショックを受けたり、苦痛を伴う姿勢で手足を後ろへ曲げられたり、こん棒で殴られたり、反政府武装勢力のメンバーだったと告白しなければ『失踪』させると脅されたりしたと、後に弁護士に語っている」

「このような拷問が続いた8日ないし9日後、彼はやむを得ず反武装勢のメンバーに食事と住まいを提供していたと認めることを決めた。尋問中、彼は弁護士との接見は認められなかった。彼が他の拘禁施設に移送され、いわゆる自白を撤回した時、2度もORB-2へ連れ戻され、『自白』を繰り返すためさらに虐待を受けた・・・」

つづきを読む
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070323

■31日のイベント紹介

先日のチェチェンイベント情報でお送りしたイベントの中から、3月31日(土)に開催されるイベントをピックアップしてご紹介します。なぜよりによって同じ日に3つも…?という感じですが、皆様ふるってご参加ください。

●林克明講演会:「チェチェンで本当に起こっていること」

まずはチェチェンイベントから、林克明さんの講演会の宣伝です。 林さんのブログ、「チェチェン未来日記」はこちら。

チェチェン未来日記
http://www.actiblog.com/hayashi/

「チェチェンで本当に起こっていること」
●日時:3月31日(土) 13:30- (13:00開場)
●場所:武蔵野公会堂 第一会議室
●住所:武蔵野市吉祥寺南町1-6-22
●電話:0422-46-5121
●交通:JR・京王線「吉祥寺」駅南口(公園口)下車徒歩3分
●地図: http://www2.wagamachi-guide.com/musashino/map.asp?GPOS=139.5829284,35.6982458&GSCL=8000&SSIZ=500,500&ID=86&sid=5036
●参加費:1000円
●主催:フォーラム色川
●お問い合わせ:090−4914−4597(安東)まで

【講演会内容】( http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070322 より転載)

フォーラム色川 特別講演会

「チェチェンで本当に起こっていること」3月31日(土)開催!

 「チェチェン」と聞いて、みなさんは何を連想しますか?

 第一次・第二次とつづき、泥沼状態となっているロシアとの戦争でしょうか?

 それとも、「モスクワの劇場占拠事件や地下鉄爆破事件の実行犯である。べスラムの学校占拠人質事件にも関係している」とロシア当局から情報操作で名指しされたところからくる<テロ>のイメージ?

 しかし、一方的に送りつけられるその「チェチェン」=危険な集団という情報の裏側には、私たちがまったく知らない・知らされていない状況があるのです。

 例をあげると・・。

 ●チェチェンの現状は、現在進行形の“ジェノサイド”であるということ

 99年より始った第二次チェチェン戦争では、第一次戦争より大きな規模でロシア軍によるチェチェン民間人への攻撃がつづいています。

 特筆すべきは「掃討作戦」呼ばれるものです。

 ロシア側が「テロリストを匿っている」と判断した村落を包囲し、住民のうち10歳から60歳にいたる男性すべて拘束して尋問を加え、場合によっては逮捕者の多数を殺害するというもの。ダチヌイ村では民間人51人の死者が発見された事例があります。

 ほかにも民間人の拉致誘拐、逮捕、虐待、拷問、虐殺という状況が進んでいます。

 ●ジャーナリスト、プーチン政権批判者の相次ぐ暗殺

『チェチェン やめられない戦争』『プーチニズム 報道されないロシアの現実』などの著作を発表し、チェチェン戦争を追ってきたロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトフスカヤさんが、昨年10月に暗殺されました。

 自宅の集合住宅のエレベータで、銃殺された遺体が発見されたのです。

 また11月には、プーチン政権とチェチェン戦争を批判してきた元FSB(ロシア連邦保安局)将校のアレクサンドル・リトビネンコさんが毒物により殺されています。

 彼の体内から放射性物質「ポロニウム」が検出されたという大きなニュースは記憶に新しいところです。

 このふたりをはじめとして、ロシアでは政権に批判的な人物の不審死が相次いでいます。

 これだけ大きなことが起こっているのに、私たちに知らされる情報はほんの一部です。

 いつも「現在」の問題とかかわりつづけていきたいと考えるフォーラム色川としては、上記の2点は見過ごせない大きなテーマです。

 そこで、私たちが知らない・知らされていない状態にある「チェチェン問題」について、日本におけるこの問題の第一人者、林克明さん(ノンフィクションライター)をお招きして講演会を開催します!

 チェチェンでこれまで何が起こってきたのか、現在はどうなっているのか。そして私たちは何を考えればいいのか。林さんにたっぷりお話をうかがいたいと思います。

 ひとりでも多くの方の参加をお待ちしています!

 林克明(はやしまさあき)さんのプロフィール

 1960年、長野県生まれ。業界紙記者を経てノンフィクションライターに。95年から1年10か月モスクワに住み、チェチェン戦争を取材する。それ以降も取材をつづけ、現在までのチェチェン入りは15回を数える。

 2001年に「ジャーナリストの誕生」で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。

 著書に、小学館ノンフィクション大賞を受賞した『カフカスの小さな国 チェチェン独立運動始末』(小学館)、『世界の戦場から7 チェチェン屈せざる人びと』(岩波書店)。

 共著に『チェチェンで何が起こっているのか』(高文研)などがある。

 「チェチェン総合情報」 http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/

●クルド難民関連 「周香織の部屋」

ブックレット

クルド難民関連の展示会「周香織・ねもとよしみ二人展 『おわりとはじまり』」の第二回目(つまり最後)のトークイベントです。運がよければクルド難民のメルヴェちゃんにも会えるかも。

「周香織の部屋」(スライドショー)
●日時:3月31日(土) 16:00-18:00 (展示会は4/1まで13:00-19:00)
●場所:ギャラリー[1号室|2号室]
●住所:千代田区神田神保町1-14 英光ビル2F
●電話:080-3179-0399(会場の携帯電話)
●交通:都営三田・新宿・半蔵門線「神保町」駅A5出口より徒歩1分
●地図: http://www.geocities.jp/galleryroom12/map.html
●参加費:無料

【展示会内容】( http://www.geocities.jp/galleryroom12/ より転載)

ひょんなきっかけから身近な存在となったクルド人難民。難民たちの苦悩が続く日々の中で、希望の光のように笑うメルヴェちゃん。支援者と難民という関係ではなく、一つの人間同士の絆として、向き合い続けた2年8ヶ月の記録写真を展示します。

また、この日々の出来事をまとめたブックレットの販売と、挿絵の原画の展示も行います。ブックレットのタイトルは、「お隣のメルヴェちゃん クルド人難民家族との出会い」(800円)です。

各作家によるトークイベント(スライドショー、紙芝居)も予定しています。

【関連サイト】

●周香織・ねもとよしみ展 「おわりとはじまり」日誌
http://www.geocities.jp/galleryroom12/owaritohajimari.html

●クルド難民二家族を支援する会
http://homepage3.nifty.com/kds/

●板垣雄三講演会「反テロ戦争の第2段階ーアメリカはイランを攻撃するか」

最後は板垣雄三さんの講演会のお知らせです。米国のイラン攻撃の可能性については、以下のサイトが参考になるかもしれません。

TUP速報516号 イラン戦争はもうすでに始まっている スコット・リッター
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/561

板垣雄三講演会「反テロ戦争の第2段階ーアメリカはイランを攻撃するか」

●日時:2007年3月31日(土)
     18:00〜21:00(開場17:45)
 ●場所:渋谷勤労福祉会館2階第一洋室
   (渋谷駅徒歩7分公園通りパルコ向い)
http://asp.netmap.jp/map/905872.html
 ●講師:板垣雄三氏(東京大学名誉教授)
 ●会費:1000円
 ●主催:板垣雄三講演会実行委員会
 ●連絡先:TEL/FAX 03−3739−1368

■最近の報道拾い読み

最近のロシア・チェチェン関連ニュースを簡単にお届けします。

●アンナ・ポリトコフスカヤ殺害とチェチェンギャング団の影 [チェチェンプレス 3/23]
http://www.chechenpress.info/events/2007/03/23/10.shtml

アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件は、チェチェン親ロシア派大統領のラムザン・カディロフが関与し、FSB(ロシア連邦保安局)-GRU(ロシア陸軍参謀本部諜報局)統制下にあったモヴラディ・バイサーロフ配下のチェチェン人が実行したとする内部告発にもとづく記事。

告発文によると、殺害実施後、証拠隠滅のため、3人の下手人は、カディロフのもとに「報告」のため呼び出された後、行方不明になり、後日死体となって発見されたという。ただし告発文の信憑性については、チェチェンプレス自身も保留をつけている。

●露社会、高度成長の歪み 炭鉱爆発、墜落…176人死亡 [産経新聞 3/22]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000012-san-in

「炭鉱の爆発、老人ホームの火災、旅客機墜落…。ロシアで20日までの4日間に大事故が相次ぎ、176人もの人命が一挙に失われた。いずれの事故も、社会基盤や人間の生命にかかわる問題を置き去りにしたまま、年6〜7%の高度成長路線をひた走るロシア社会の歪みを露呈」している…。

●アンナ・ポリトコフスカヤ追悼アクション [ラジオ・リバティ 3/20]
http://rferl.org/featuresarticle/2007/03/55154671-DBB5-435F-93F2-E55A07EC5EB8.html

3月20日、アンナ・ポリトコフスカヤを追悼するために、世界各地で彼女の著作を読むというアクションが行われた。実施国はロシア、カナダ、パレスチナ、スーダンなど。

■「沖縄・辺野古基地建設のための事前調査反対」緊急署名のお願い

緊急署名のお願いです。沖縄・辺野古で、住民や地元行政の意向と環境アセスメント法を完全に無視した、政府による新たな米軍基地の建設手続きが進められています。

辺野古では、2004年4月19日から、普天間基地の代替施設建設に反対する住民や市民団体によって、完全非暴力の座り込み阻止運動が続けられています。もしも、私たちの無関心が、ジュゴンの生息する海を略奪し、汚染し、戦争を支える基地に変えてしまうのだとすれば、それはとても悲しいことだと思います。

以下の趣旨に賛同してくださる方は、どうか「沖縄・辺野古基地建設のための事前調査反対」緊急署名にご協力をお願いします。署名の集約期限は3月31日(土)。メール署名の場合は下記の形式で。

Subject: 辺野古基地建設事前調査反対署名
To: hananpojitsu@jca.apc.org
【本文】
「沖縄・辺野古基地建設のための事前調査反対」緊急署名に賛同します。
氏名
住所

詳しくはこちら
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070328

■「共謀罪を廃案に!」メールマガジンを読もう!

最近忙しくてまったくフォローできていない共謀罪ですが、まぐまぐから「共謀罪を廃案に!」という便利なメールマガジンが発行されています。登録はもちろん無料なので、よろしければご購読ください。以下にメルマガの紹介文を引用します。

「政府は犯罪に着手されなくとも、話し合うだけで罪に問える共謀罪を新設しようとしています。このメルマガでは、市民的な自由と人権を侵害する共謀罪に反対し廃案に追い込む運動を拡げることを目的として、必要な基本情報や関係者の発言などを掲載します」

「共謀罪を廃案に!」
http://www.mag2.com/m/0000207996.html

■イベント情報

●3/31 東京: 林克明講演「チェチェンで本当に起こっていること」
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070322

●4/25 東京: 映画『踊れ、グローズヌイ!』
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070314/1173860772

●3/31 東京: 板垣雄三講演「アメリカはイランを攻撃するか」
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20070303/1172934232

●4/8 東京: 「ボイサビ」バングラデシュの先住民族ジュマの人々のお正月祝い
http://daily.jummanet.org/?eid=378728"

●4/14と5/13 東京: 地球のなかま映画祭2007
http://momotomonet.seesaa.net/article/34594178.html

●4/21 東京: チェルノブイリ21周年救援 講演&コンサート
http://www.tokyo-art.info/work.htm#chernovyl

■長期間のイベント情報

●12/1- 東京ほか: みえない雲
http://www.mienaikumo.jp/

●1/27- 東京ほか: グアンタナモ、僕達が見た真実
http://www.guantanamo.jp/

●2/1-3/30 東京: 東京国際芸術祭2007
http://tif.anj.or.jp/

●3/10- 東京: パラダイス・ナウ
http://www.uplink.co.jp/paradisenow/

●3/22-4/1:周 香織・ねもと よしみ 二人展 「おわりとはじまり」
 会期中トークイベントあり
 ○3/31:「周香織の部屋」
 ○4/1:「ねもとよしみ劇場」
http://shukaori.exblog.jp/d2007-03-14

●4/5-9, 18-20 東京: 写真展「核の傷跡」
http://homepage2.nifty.com/chernobyl_children/index.html

●5/29-11/10 東京ほか: DAYS JAPAN フォトジャーナリズム写真展 「地球の上に生きる2007」
http://www.daysjapan.net/news/news2007/news200703_01.html


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