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(2003.11.13 大富亮/チェチェンニュース)
ロンドンで審問にかけられていた、チェチェンのマスハードフ大統領の特使、アフメド・ザカーエフ副首相の、ロシア側への引渡しは却下された。このため、 和平のために活動する外交官が、西側政府の黙認により、ロシア側の手に落ちる事態はひとまず避けられた。
13日午後、バウストリート軽犯罪裁判所のティモシー・ウォークマン判事は、ザカーエフの犯罪についての目撃証言に触れつつ、「ロシア当局が、拷問によって証言を得たとしたら、ザカーエフ氏自身もその拷問にあう可能性があるという、避けがたい結論に達した」とし、ロシアに戻れば虐待や拷問は避けられないとする、弁護側の主張を認めた。
これは、7月に、ロシア側から、ザカーエフが誘拐などの犯罪に関与していたという、チェチェン人の証言が提出されていたが、一転して「証言は、ロシア の刑務所で拷問を受けてサインさせられたものだ」という本人の声明が出され、
証拠の妥当性が問題になっていたことに言及したもの。 今回の引渡し却下については、国際人権団体のアムネスティ・インターナショ ナルも歓迎の声明を発表。一方、ロシア検察庁は、談話で「またしても、<良いテロリスト>と<悪いテロリスト>を区別しようとしている」と、英国司法の判断を、ダブルスタンダードとして非難した。
参考記事: Court rejects Chechen extradition http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/3266325.stm
初公開映像に見るチェチェンの民衆
11月16日/東京
「ノアの人びと」のPart2は、「チェチェン・マフィア」の実像に迫ります。 また、前回大好評だったチェチェン舞踊のドキュメント、「踊れ!グローズヌ
イ」の完全版をご紹介します。どちらもオランダ随一の社会派ドキュメンタリー作家ヨス・デ・プッターの注目作。白熱の(!?)討論時間も設けますので、ぜ
ひご来場ください。
1999年 ヨス・デ・プッター作品 94分ドキュメンタリー・フィルム
オランダ/チェチェン 英語字幕
1970年代なかば、ひとりのモスクワ大学法学部のチェチェン人学生が地下組織 をつくった。それはロシア人によって、チェチェンマフィアの誕生と恐れられ た。しかし、チェチェン人たちは全く異なった見方をしている。それがチェチェン独立運動の揺籃であったと。チェチェン・マフィアの頭領、ドゥダーエフ政
権の対外諜報責任者、ヤンダルビーエフ政権の第一副首相をつとめたホジ−ア フメード・ヌハーエフは、1977年、官を辞して「コーカサス共同の家」の経済
建設を目指す。短い戦間期に旅に明け暮れ、奔走する彼をオランダのドキュメンタリーチームが追った異色長編ドキュメンタリー。チェチェン・テイプの大
集会をはじめ、ゼリムハ・ヤンダルビー、アスラン・マスハードフらチェチェ ンの指導者たちに加えて、マガレット・サッチャーや、エリザベス・テーラー まで登場する必見の注目作。
2002年 ヨス・デ・プッター作品 74分ドキュメンタリー・フィルム
オランダ/チェチェン 英語字幕
2003年: 第1回シカゴ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ作品
2003年: 第8回サンクトペテルブルク「人類へのメッセージ」国際映画祭「ケンタウルス」賞
98年以来チェチェンをテーマに取り組んできたオランダ・ドキュメンタリー界の鬼才が放つ最新作。民族舞踊家ラムザン・アフマードフは第2次チェチェン
戦争下もグローズヌイに踏みとどまって、民族の誇りである伝統民族舞踊を子どもたちに教え続けている。ロシア軍占領下の首都グローズヌイの重圧の中では、踊ることが非条理な日常を生きる数少ない心の支えとなっている。彼と教え子こどもたちのチェチェンでの厳しい現実と少年少女民族舞踊団「ダイモーク(わが祖国)」の33人の子どもたちが困難を克服してヨーロッパ公演を続ける姿に交錯させて描いている。団員の男性歌手が演奏する哀調を帯びた「わが祖国」の歌の音が見るものの胸を揺さぶる。
作品解説: 岡田一男(映像作家・東京シネマ新社代表/下中記念財団EC日本アーカイブズ所長)
日時 2003年11月16日 13:00 開場
1部 13:30〜17:30
2部 18:00〜21:00 (映写内容は1部・2部それぞれ異なります)
(問い合わせ kazuokada1@hotmail.com)
会場 東京都文京区 文京シビックセンターB1F 生涯学習センター 学習室
(定員60名)営団地下鉄丸の内線、南北線「後楽園」・都営地下鉄三田線、大江戸線「春日」5番出口
参加費 1000円(資料代を含む) 1-2部通し1500円 予約専用アドレス
予約制です。当日でも入場いただけますが、席に空きがある場合に限ります。
1部、2部、1−2部通しと、ご希望を明記の上、お名前、メールアドレス、
その他の連絡先などをお書きになり、予約専用アドレスまでお知らせください。
e-メールできない方は、fax::03-3811-4576へ
共催: 教育・科学・文化の記録映像を見る会
財団法人日本国際フォーラムチェチェン問題研究会
協賛: チェチェンニュース編集室 ChechenWatch 月刊あれこれ編集室