チェチェン総合情報

チェチェンニュース Vol.03 No.32 2003.09.05

発行部数:982部

■イベント情報: ノアの人びと 初公開映像に見るチェチェンの民衆

チェチェンの人達は、踊りや歌や音楽、文化的なことにたけた才能をもって います。テロや暴力、戦争、そんなイメージだけでチェチェンを語ることは間 違いです。そして、私達は文化を通じてチェチェン人と友人になれるはずです。 ならば、下記の映画上映会が、チェチェン人を知るためのかっこうの機会とな ることでしょう。

史上初のチェチェン語による短編映画『MARSHO=自由』や、チェチェン人民 族舞踊家の活動を追ったドキュメンタリーフィルム『踊れ! グローズヌイ』の ほか、チェチェン人ジャーナリストのザーラ・イマーエワさんのドキュメンタ リービデオ『子どもの物語にあらず』では、チェチェン難民の子ども達へのイ ンタビューが見られます。9月27日には、これらの3つの作品が上映されますの で、どうぞ皆さん、この機会にチェチェン映画をご覧になって下さい。

9月27日 13:00 開場  1部13:30−17:30   2部18:00—21:00
会場 東京都文京区 文京シビックセンターB1F 生涯学習センター 学習室(定員60名)
営団地下鉄丸の内線、南北線「後楽園」・都営地下鉄三田線、大江戸線「春日」5番出口
地図: http://www.city.bunkyo.tokyo.jp/shisetsu/civic/
参加費 1000円(資料代を含む)
主催: 教育・科学・文化の記録映像を見る会
問い合わせ: kazuokada1@hotmail.com

※※予約専用アドレス infoche@vmail.plala.or.jp 当日でも入場いただけま すが、当日の受付事務の簡略化やお席の確保のため、ぜひ事前の予約にご協力 くださいますよう、お願いします。(1部、2部のうち、どちらの上映をご希 望かを明記の上、お名前、メールアドレス、その他の連絡先などをお書きにな り、予約専用アドレスまでお知らせください。

さらに詳しい情報:
http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/event/index.htm#0927

■FMシアター 『コーカサスの金色の雲』 放送
10月4日(土曜日)22:00-22:50 NHK−FM 82.5MHz

プリスタフキン著「コーカサスの金色の雲」のなんとラジオ版! が放送され ます。

あらすじ:

第二次世界大戦末期、ソビエトの独裁者スターリンは、コーカサス地方のチェ チェン人を反ソ的民族であるとして中央アジアに強制移住させた。その直後の 1944年夏、モスクワなどの戦災孤児が大勢コーカサスに強制疎開させられる。 コーリカ(弟)とサーシカ(兄)の双子の兄弟(10歳)もまた、豊かで幸せな 土地と聞くコーカサスに移送される。同じ列車でレジーナ先生に出会い、コー リカとサーシカは恋してしまう。コーカサスの村での農作業の合間に、お腹の すいた二人は食物や衣服などを盗んでは溜め込む。その間も、山岳ゲリラと化 したチェチェン人が村や孤児院を襲い、サーシカは殺され一人彷徨うコーリカ はチェチェン人の孤児アルフズールと出会う・・・。

原作:アナトーリイ・プリスターフキン/訳:三浦みどり/脚色:玉井恵子 /音楽:纐纈ミカ/演出:保科義久/技術:奈良孝弘/効果:片平洋資 出演 :夏八木勲 桜井誉礼 内山昂輝 田谷隼 大西多摩恵 織本順吉 佐藤輝

シリーズ・ユーラシアの現代文学:
http://www.nhk.or.jp/audio/prog_fm_future.html

■ロシアは死者を呼び招かず

「コーカサスの金色の雲」のFMラジオドラマ放送、そして映画化作品「金 色の雲は宿った」の上映会など、ロシアの作家プリスタフキンがあちらこちら で話題になっています。そこで、作家がチェチェン戦争について綴った文章を 紹介します。第二次チェチェン戦争はじまって間もない2000年の早春、パ リの亡命ロシア人の墓地を訪問したプリスタフキンは、48年前に世を去った文 人イワン・ブーニンの記憶と、戦争の泥沼にある現在のロシアの間を往復しま す。戦争にロシアの闇を見出す、文人の眼。

http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/archives/20000715pristafkin.htm

■ユーラシアに、今こそ平和の一大運動を

チェチェン平和運動の先覚者、日本山妙法寺の寺沢潤世上人がキルギスで書 いた手紙が、ファックスで届きました。主に韓国を歩き、朝鮮問題について書 かれています。発行人個人には、新潟に入港する北朝鮮貨客船に対する海、陸、 はては空からの厳戒態勢は、あからさまにこの一件をクローズアップし、別の 目的を果たそうとしているように感じられます。そうでもなければ、どう見て も税金の無駄遣いです。

http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/archives/tj20030820.htm

■チェチェン報道の現在/各紙論説を短評 その1

チェチェン問題をめぐる、主要紙の論説を短評します。まず8月19日の朝 日新聞の社説から。

『チェチェン——この流血を見過ごすな』(2003.08.19 朝日新聞)

チェチェン紛争は、ロシアによる掃討が終わるどころか、イスラム過激派に よるテロが激しさを増している。最近のテロの増加は独立をめざす武装勢力の 孤立を示す。過激派の台頭により無差別テロ、誘拐、麻薬や武器密輸が横行し ているのは紛れもない事実。また、独立派への弾圧で多くの男性が拘束され、 あるいは行方不明になったままだ。ロシア側は政治的な正常化を図ろうとして いるようだが早計に過ぎる。ロシアは人権侵害と過剰な武力行使を止め、他方 独立派は無差別テロを完全に放棄し、過激派と絶縁するべきだ。そして、独立 派を含むチェチェン側とロシア政府が和平を話し合うべきである。 (抄)

平和的解決を求め、一見正論に見える論説なのですが、読み深めてゆくと問 題の感じられる論旨です。詳しくは以下の記事をお読みください。

http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/archives/20030819asahi.htm