チェチェン総合情報

チェチェンニュース
Vol.03 No.04 2003.01.18

■チェチェンイベント情報

写真展&トークショー <私の出会ったひとたち 〜チェチェン戦争〜>

期間: 1月23日(木) 〜1月29日(水)
参加費: 無料
会場: 大田区男女平等推進センター「エセナおおた」1階大田区大森北4-16-4 Tel: 03−3766−6587
交通: JR大森駅より徒歩8分
地図: http://www.city.ota.tokyo.jp/ota/danjyo/esena/esena-index.htm

会期: 2003年1月23日(木)〜29日(水)10:00〜20:00
(初日は13時〜、最終日は16時まで)

トークショー: 1月25日(土)13:30〜 (ビデオ上映あり)
 「私の出会ったひとたち〜チェチェン戦争〜」 林克明(ジャーナリスト)
 「忘れられた子どもたち〜人道支援の現場から〜」 田口かずみ(メドゥサン・デュ・モンド ジャポン)
主催: 大田区立男女平等推進センター区民自主運営委員会

主催者より:戦争しかしらないチェチェン共和国のこどもが描いた絵、日本のこどもたちが描いた戦争よりすてきなことの絵、チェチェン紛争を取材しつづけるジャーナリスト林克明氏が撮影した写真、紛争下で人道支援活動を続ける医療NGOメドゥサン・デュ・モンドの報告資料。これらの展示を通じて、それぞれの視点から、戦渦での人々との出会いや関りを語る写真展を行います。子どもたちが絵にこめたメッセージを受け止めに、会場に足を運んでください。

■チェチェン南部地域を激しく爆撃

1月14日のチェチェンプレスは、情報センターSNOからの通報として、最近数日間、チェチェン南部山岳地帯、イトゥムカリ、シャトイ両地区の森林部をロシア軍機が激しい爆撃を加えていることを伝えた。爆撃は大部分が夜間爆撃で、大深度用の強力爆弾が使用されているという。なおこの爆撃に関する地元住民の被害状況は不明である。

http://www.chechenpress.com/news/01_2003/8_15_01.shtml

■1月12日の戦況 カフカスセンター

1月13日のカフカスセンターは、12日のチェチェン共和国南部の戦況を伝えた。それによるとバス川上流アギシトゥイとトフゼニ村の間で激しい交戦があった。

南部地域に展開するモジャヘド(イスラム戦士)の機動遊撃隊は、日曜日に敵兵4人を戦死させ7名を負傷させた。そして空挺隊用のBMD(軽量キャタピラ式装甲車)を撃破した。もう1両の装甲車両をベデノとツァ・ベデノ両村の間でも炎上させ、1名を戦死させ、6名を負傷させた。シャリ地区でも昨日中に遠隔操作地雷の爆破により、侵略者6名を殲滅した。2名はアフトゥル村間際で、他の4名はチリ・ユルト村の近くで交戦後射殺された。

イトゥム・カレ およびシャトイ地区の山間部には爆撃が続けられている。ボルゾイ村の住民一人が犠牲となった。また地区中心のシャトイ村では6名の住民が負傷した。またアルグンの町は、ロシア軍の封鎖下にあって、大規模な掃討作戦が続いている。100人以上の住民が人質に取られ、目撃者の通報によれば、すでに10人以上が殺されている。拘束され連行された人々の運命は不明である。

http://www.kavkazcenter.com/russ/article.php?id=3257

■欧州議会 チェチェン問題決議案草案を審議

「チェチェンの状況はたんにチェチェン国民の悲劇であるばかりではなく、ロシアの民主主義、全コーカサス地方の安定、そして全人類の安全保障への深刻な脅威である」

モスクワのロシア人権ニュースサイト、プリマニュースは、1月13日にヨーロッパ議会に対し、国際ラジカル党(TRP)議員団が中心になってまとめたチェチェン問題決議案草案を紹介した。またTRPのサイトは1月10日、ロシア語と英語で決議案草案の全文を紹介している。

決議案草案は1月13-16日の審議に付されるが、欧州議会がEUに対し、早急にプーチン・マスハードフ両大統領による交渉の開始を勧告するよう提案している。草案ではチェチェンでロシア軍が行った基本的人権の侵害の範囲と酷薄さは、近代史上他に例を探すことはできないと論難している。

またチェチェン難民の置かれている悲劇的状況は、EUがチェチェンに対する大規模な人道支援作戦を策定せねばならない段階に来ていると指摘している。そして20万人に上るチェチェン難民への避難場所を全EU参加15国家が分担して提供するよう呼びかけている。

さらにこの草案によれば、欧州議会が参加各国にヨーロッパ各地で避難場所を求めるチェチェン人のロシアへの引き渡し手続きの停止を求め、チェチェン政府要員とチェチェン国民の利益を代表する活動家のヨーロッパ国内での移動の自由を確保するため、ビザ発給に関してEU諸国が共同行動をとることを勧告している。

http://www.prima-news.ru/news/news/2003/1/13/22443.html
http://www.radikaly.ru/news/?text=1807 英文 決議案草案
http://www.radikaly.ru/news/?text=1806 露文 決議案草案

■親ロシア政権財務相解任騒動

1月13日、チェチェンにおける親ロシア政権のミハイル・バビッチ副首相は、アフメド・ハッジ・カディロフ行政長官による、セルゲイ・アブラモフ財務相の辞表の受理と、チェチェン人のエリ・イサーモフの財務相への任命を批判した。バビッチによるとこの決定は、ヴィクトル・カザンツェフ南部連邦管区大統領代表から下されたチェチェン行政府の機能分担についての大統領令に違反しており、またアブラモフの解任には何の根拠もないとしている。ラジオ・リバティーによる。

http://www.rferl.org/newsline/2003/01/140103.asp

■ロシア、OSCEチェチェン支援団活動継続を拒否

1月13日、ロシア政府は、12月末までに期限切れしていた欧州安全保障協力機構(OSCE)のチェチェン支援団事務所の再開について、「その必要がない」と回答していることがわかった。13日にウィーンで開かれた記者会見の場で、OSCEのシェッファー事務総長(オランダ外相)は、「新規の査察期間を設けるために、今後も(ロシアのイワノフ外相に対して)説得を続ける」と答えた。同事務総長はOSCE常任理事会の場で、第一次情報を確保する意味でのOSCEのフィールドミッションの意義を強調し、「ロシア側が責任を持つことを期待することはできない」と発言した。ラジオ・リバティーによる。

http://www.rferl.org/newsline/2003/01/140103.asp

■イワノフ外相 チェチェン問題に関しOSCEとの協力の用意ありと表明

1月16日のロシアのインターネット新聞 grani.ru によると、ロシアのイワノフ外相は、ロシア側はOSCEをはじめとするヨーロッパの諸機関と、チェチェン問題解決のため協力する意志があると確認したと伝えている。そしてOSCEの議長国であるオランダの外相とできるだけ早く話し合いを行いたいと語った。

http://grani.ru/War/Chechnya/m.19852.html

■シュワルナゼ、CIS平和維持軍の期限延長に反対

1月13日に放送されたグルジア国営ラジオでの定例のインタビューで、シュワルナゼ大統領はグルジアと、グルジア内で分離独立を求めるアブハジアとの境界に駐留しているCISの平和維持軍の期限延長に反対の意向を表明した。平和維持軍の主体はロシア軍であり、昨年12月31日に展開期限は切れているが、現状では合意のないまま駐留が続いている。また、12月25日にアブハジアのスフミからロシアのソチへの鉄道の運行が再開されたこと、および昨年よりアブハジア市民15万人のうち、8万人がロシアのパスポートを取得するなど、ロシアとの関係が緊密化していることが、グルジア側を刺激している。ロシアの新聞 gazeta.ru による。

http://www.gazeta.ru/2003/01/14/Abkhaziatrai.shtml

■グルジア ロンドンの毒物発見事件とパンキシの関連を否定

1月13日、トビリシのグルジア国連協会ニュースサイト、「パンキシ・クライシス」は、グルジア国家保安省と諜報局が、ロンドンの毒物事件とパンキシ渓谷を結ぶものは一切ないと言明していると伝えた。

それによると英国の週刊紙「サンデー・タイムズ」紙は、1月11日づけで、ロンドン北部で1月9日、グルジアのパンキシ渓谷で作られた猛毒のリシンが警察により発見されたと伝えた。これに関して、グルジア諜報局アフタンディル・ヨセリアニ局長は「当方には、イギリス当局から、そのような通報が一切ない」と新聞報道を否定した。

http://www.civil.ge/cgi-bin/newspro/fullpnews.cgi?newsid1042446171,73472,