8月2日のノヴィエ・イズベスチアが報じたところによると、ロシア軍のチェチェン統合軍司令官ウラジミール・モルテンスコイ大将が任を解かれ、セルゲイ・マカロフ大将が新任した。消息筋が同紙に語ったところとして、この人事は最近のイトゥム・カリでの戦闘での、陸軍と国境警備軍の大敗北によるスケープゴートではないかと指摘するとともに、グルジア侵攻作戦の一つの前触れという見方も紹介している。マカロフ大将はこれまで、他国への侵攻についても「命令があればいつでも行う」という心構えを明らかにしていた。
http://www.rferl.org/newsline/2002/08/050802.asp
8月13日にインターファックスが報じたところでは、昨年10月にロシアの法廷で終身刑の判決を受けたチェチェンのサルマン・ラドゥーエフ元野戦司令官は最近、ソリカムスクの刑務所に移送されたという。同司令官は1996年の第一次チェチェン戦争の際に、ダゲスタンのキズリャルでの人質事件の主犯として判決を受たという。ラジオ・リバティーによる。
http://www.rferl.org/newsline/2002/08/140802.asp
8月15日付けのチェチェン独立派サイト、カフカスセンターは、ロシア人権活動家アレクサンドル・リュボスラフスキー氏のチェチェン戦争反対を掲げた平和行進が、モスクワに入ったことを伝えた。同氏は昨年、イングーシの難民キャンプからモスクワに向けて、難民による平和行進を組織したが、イングーシ警察に阻止された。以下はカフカスセンター記事の訳。
「リュボスラフスキーの単独平和行進」
ピャチゴルスクのモスクワ-ヘルシンキ・グループからの連絡によれば、人権活動家で、「チェチェン共和国での戦争停止と平和確立」ロシア全国委員会のメンバーであり、雑誌「人間の権利と自由」編集長は6月14日に始めた単独平和行進を成功裏に終わらせモスクワに着こうとしている。彼が行進中掲げているプラカードには、「チェチェン人には生きる権利、自由と独立を求める権利がある。チェチェンに平和を!」と大書されている。
彼は毎日35−37キロづつ歩いた。彼は非常に消耗して足を痛めていると伝えられている。8月7日には、ツーラ州のボゴロディツクで、エカテリンブルグ市の人権活動家ウラジミル・シクレインが加わって二人で行進を続けることになった。木曜日(15日)には夕方、毎週プーシキン広場で開催されている反戦集会に参加しようと行進を続けている。
不思議なことに、民主的と称されている部分も含めて、ロシアのマスコミも西側報道機関も、この既にロシア国内で2ヶ月続けられてきた人権活動家リュボスラフスキーの平和行進を黙殺してきたことである。
http://www.kavkaz.org/russ/article.php?id=4646
8月15日、ロシアの政府系通信社 strana.ru の運営するチェチェン親ロシア派政権サイトは、ロシア中央選挙管理委員会のアレクサンドル・ベシャニコフ議長が、エホ・モスコボイ(モスクワのこだま)放送局のインタビューに応えて語った「当面、チェチェンで選挙・投票を実施するのは無理」という談話を配信した。
ノーボスチ通信の引用として、同記事は、まず第一に国民投票を行って、そこでチェチェンの立法体制がいかなるものを選択するのかを決めなければならず、その後に選挙を行い立法府を選出し、それから行政執行機関を固める。それらの準備がチェチェンの現状ではなされていない。まずはチェチェンにおける法執行の根拠を固めるべきというのが中央選管の見解である。
http://kavkaz.strana.ru/news/155515.html
8月5日のカフカスセンターによると、7月21日カナダ、トロントで開催されたテコンドー世界選手権で、チェチェン人のアリ・チェプスカエフが見事優勝を飾った。チェチェンに多くの格闘技家がいることは知られており、ロシアのスポーツ官僚は、親ロシア政権を支持しないチェチェンのスポーツマンの海外競技への参加を執拗に妨害している。
それでもアリはついにカナダまで行くことに成功した。ところがロシア側はテコンドー競技主催者に、アリの出場を認めないよう圧力をかけた。アリは、友人達と一計を案じてドイツチームに加わって出場することにした。これにはロシア側も仰天したが、勝ち進むアリを止められるものはいなかった。こうして、ついに優勝の栄冠を獲得したアリは、チェチェン国旗を高く掲げて観客に自分の祖国をアピールした。
http://www.kavkaz.org/russ/article.php?id=4392