7月29日,ロシアのチェチェン駐留軍司令官ウラジミール・モルチンスキー将軍が語ったところよると,特殊作戦により20人のレジスタンスが死亡した.南部のベデノ地区のチェチェン側陣地に対して数回にわたって攻撃が行われた際,攻撃から生き残ったレジスタンスたちがロシア側の設置した地雷原に入り込んだため.
この作戦に続いて,ヴェデノ,ディシン・ヴェデノ,ナフタノイエ,イギシュバトイの各集落で,ロシア軍による掃討作戦が行われた.同将軍は「作戦は好成績だった.しかしこれが最後ではない」と語った.
一方,インターファックス通信によると,28日の戦闘で,連邦軍の兵士4人がレジスタンスの銃撃により重傷を負い,警察官1名がグロズヌイで地雷により死亡した.
ロシア軍は21ヶ月に及ぶ2度目のチェチェン進攻により,チェチェンの制圧と正常化を図っているが,レジスタンスの執拗な攻撃に悩まされている.
7月29日,首都グロズヌイで数トンの爆発物が発見された.FSBの発表によると,これは親ロシア政権の指導者たちを殺害するために準備されたものだという.爆発物と地雷は,親ロシア政府の建物からわずか300メートル弱の瓦礫の中から発見された.
99年からの第二次チェチェン戦争を通して,親ロシアの立場をとる指導者たちは,たびたびレジスタンス側の標的にされている.ロシア連邦軍はチェチェンの制圧に失敗したため,レジスタンスの攻撃によって兵員を失いつづけている.
8月1日,南ロシアのスタブロポリで,乗客30人の乗ったバスがチェチェン人にハイジャックされた.事件発生13時間後の午後8時に行われた突入作戦によって犯人は死亡,警察官一人が死亡した.
NTVによると,犯人のスルタン・サイド・イディエフは,ロシアに収監中の,チェチェン側レジスタンス6人の釈放を要求した.しかし交渉はイディロフとロシア連邦保安局(FSB)の間で行われたために,その他の主張についてはよくわかっていない.午後8時にアルファ部隊の急襲が行われ,狙撃によってイディロフは射殺された.乗客の犠牲者は今のところ報じられていない.
現地のイゴール・カチェーエフ検察官によれば,イディエフは34歳のチェチェン人.単独で犯行に及んだ.イディエフ氏は独立派レジスタンスの一員であり,別の犯罪の容疑者として指名手配されていたという.
8月2日,EC(欧州評議会)は,チェチェン戦争難民への人道援助に,2百万ユーロ(およそ2億2千万円)の追加支出を決めた.この予算は食料支援と人権擁護のために支出される.
ECの推定によればチェチェン国内の難民数は17万人,近隣国に19万人が避難している.今回の支援はデンマーク難民評議会とUNHCR(国連高等難民弁務官事務所)を通して行われる.
この支援を担当するポール・ニールソン評議員は,「さまざまな困難はあるが,評議会は難民に対して支援しつづける.いま,最大の懸念は実際に活動するNGOの安全だ.われわれはロシア当局に圧力をかけ続け,安全の保証を得てゆく考えでいる.今回からVHF無線機の使用を開始するが,これはエイドワーカーたちの安全のための,最低限の措置だ」と話している.