WHO「科学的不確実分野における予防的方策展開のためのフレ−ムワ−ク」

追加資料B「極低周波電磁波分野におけるケ−ススタディ」(全文)

(翻訳:TOKAI)

 このフレ−ムワ−ク対策草案で対象にしている環境因子の一つとして、発電所や送電線や電気製品から出る極低周波電磁波(ELF field)の曝露問題がある。国際がん研究機関(IARC;WHOの公認機関)は、ELF(極低周波)磁場を「ヒトへの発がん性の可能性あり」(2B)の因子として分類している。この2Bとは、汚染曝露による健康リスクが不確実な場合にあてはめる分類である。その点で極低周波磁場は、この「予防方策展開のためのフレ−ムワ−ク」の適用にふさわしいケ−スといえる。

〈関連する健康問題〉
 極低周波電磁波(ELF EMF)には電力で使う周波数の電磁波が含まれる。極低周波電磁波ががんの原因になるとする証拠は、2001年にIARCによって採用された。IARCは極低周波磁場を「2B」とし、極低周波電場を「C」(分類できない)とした。極低周波磁場の2B分類は小児白血病に対する証拠を根拠にしている。白血病以外の小児がんや成人がんについては、IARCが評価した証拠からすると「2B」に値するには不十分であった。

 世界保健機関(WHO)が公認する機関では、がん以外のエンドポイント(目標点)をこれまでは正式には採用してこなかった。WHOは「がん以外のエンドポイント」を2004年に取り入れる予定である。そうなると、以下のIARCの分類も再検討されるであろう。しかし、小児白血病は「2B」のままで、小児白血病以外は「2B」に分類されない状況は変わらないであろう。

<小児白血病と極低周波磁場>
ヒトへの発がん性「2B」
今回提案されたWHOの「予防方策フレ−ムワ−ク」では、詳細な費用便益分析や費用効果分析などの予防方策の対象に十分値する。

<小児白血病以外の小児ガン、成人のガン、上記以外の病気(暫定的)、電場>
「2B」より証拠は弱い
今回提案されたWHOの「予防方策フレ−ムワ−ク」では、多額のコスト(費用)をかけてまで予防対策をとるほど十分な証拠はないとみている。詳細な費用便益分析は必要ない。もし、もっと基礎的な費用便益分析をするとしても、低コストなものに限定するなら考量してもよい。

訳注;上記の「費用便益分析」とは、ある事業計画に要すると推量される費用)とそれから生じると期待される便益を比較し、その経済的妥当性を分析する方法。また、「費用効果分析」とはある事業計画に要した費用とそれから生じた効果を比較し、その経済的妥当性を分析する方法。]

 予防方策のための十分な費用便益分析が求められる病気は、小児白血病である。
●この病気(小児白血病)は子供がかかる病気である。
●この病気は死に至る可能性のある病気として知られている。
●電磁波の曝露はほとんど無意識的になされる。
●いくつかの状況において電磁波曝露は経済的条件の良くない階層がより受けるという不平等さを示す証拠がある。

 今回提案されたWHOの予防方策フレ−ムワ−クにおいては、すべての要因についてなるべく防護した方がよいという意見が多かった。

 小児白血病に対する潜在的リスクの大きさ(たとえば生涯リスクに関する2000年の「オ−ダ−1」)について、否定的にとらえることはほとんどなかった。

 疫学調査において小児白血病と関係する電磁波曝露は、主に社会で使われる電気や電力会社が所有する送電線・配電線や住宅・学校などの建物の中の電気配線から出る電磁波によって生じる。

 その他の電磁波曝露は、家庭での電気製品や携帯電話や電車などの公共輸送機関から出る電磁波によるものだ。

〈リスク評価について〉
 小児白血病に関して言うと、疫学調査の証拠は、普通の住宅(特別に電気製品が近くにあるといったケ−スではない)に住んでいて長期間平均曝露(24時間以上の平均曝露)が0.4マイクロテスラ(訳注;4ミリガウス)以上の子供の場合、概ねリスクは2倍とみなしている。

 疫学上の証拠が因果関係をそのまま反映しているかどうかは不確実である。不確実さの理由の一つは、影響評価にバイアスが入る可能性があるからだ。つまり調査段階での混同や誤分類あるいは選択バイアスが入る可能性が(疫学に)あるということだ。不確実さのもう一つの理由は、生体実験(動物実験)や生体外実験(細胞実験)およびメカニズム考察に基づく証拠がまだ信頼性において欠如しているからだ。そうした点がIARCの「2B」(ヒトに対する発がん性の可能性あり)分類へとつながった。

 もし極低周波磁場が小児白血病の原因であるとしても、リスク評価に際しての不確実さの主なものとして以下のことがある。

●どういう特徴をもった曝露なのか、あるいはどの程度の量の曝露なのかについての不確実さ。家での長期間の平均曝露という時間を重視する方法は、疫学調査における実利的な理由から使われてきたもので、それ以外の曝露タイブからすると一つの指標でしかないかもしれない。
●「曝露−反応関係」に関する不確実さ。もしも長期間平均曝露が実際に正しい計測方法だとしても、(0.4マイクロテスラとかそれ以外の)閾値があるのかあるいは閾値などなくどこまでもスム−ズな「曝露−反応関係」なのか、さらに言えば閾値がないならばどんなタイプの「曝露−反応関係」なのか、について不明なままだ。
●期間が因果関係に寄与するのかについて、そして持続反応関係があるのかどうかについて、ともに不確実である。

 不確実性を考慮して、WHOは次のような勧告をする。

●電磁波の平均曝露量を減らす方策は、リスクを実際に減らすのに役立つと考えられる。
 (この場合、電磁波の“窓効果”はないことを前提とする。窓効果とはある性質での曝露が特別リスクを増大させるという効果で、「ある性質」があたかも窓のような効果をもつことから名付けられたもので、そうした窓効果は除外して考える。またなんらかの曝露削減策を採用することで他のリスクが増大することはないという前提に立っている。)
●電磁波の曝露量を確実に減らせるための特定の方策はいまのところない、という認識にWHOは立っている。今回の提案されたWHOの予防方策フレ−ムワ−クでは、もしそうした特定の方策があるならばそれは費用便益分析の対象にならねばならない。

〈選択策について〉
 極低周波電磁波の予防策それぞれの国によって分かれる。WHOは予防策の参考案としてあるいは論議を深めるねらいで、以下のカテゴリ−を提案する。ただし以下のカテゴリ−についてそれぞれの国がそれぞれの事情に見合った修正がなされることを期待する。

☆なんの対策もしない
●公式にはなんの対策もしない。現状のまま。

☆調査研究
●科学的に不確実な部分を取り除くための調査研究の促進。
●それぞれの国の政策決定者が十分な情報を保有できるようにするための電磁波発生源や曝露分布に関する調査研究。

☆情報提供
●電磁波発生源に関する情報や個人の選択できる曝露削減方法など、市民への情報提供を強化すること。とくに個人レベルで予防策をとりたいと考えている市民に必要な情報が提供されるようにする。

☆技術的な方策
●配線構造や建築上の現行配線方法について、極低周波磁場を減らせるように配慮し実施すること。(なぜ現行配線方法の強化実施が必要かというと、極低周波磁場の主要な発生源として地上電流が寄与していることと、往々にして地上電流が誤った配線になっていることから磁場が多く出ているという実態があるからだ)
●地上電流を減らすために、電線配線方法を変更すること。(地上電流のすべてが問題だというわけではないが、多くの国において配線方法の管理者が法律上いろいろ複数錯綜していることで問題が生じていることは確かだ。これは変更が可能な問題だ。)
●送電線や配電線システムについてのその他の技術的変更の実践。(送電線や配電線を整理統合し撤去したり、三相交流等の分担電流設計の導入、あるいは地下埋設する等のやり方で磁場を減らすことも可能だ。)
●極低周波磁場を減らすための家庭電気器具の設計変更。

〈計画策定の見直し〉
●高圧送電線から出る電磁波を減らすための計画策定手順の変更。(たとえば高圧送電線の新設が本当に必要なのかどうかのアセスメント(評価)の手順とか、新設場所の設定に関するアゼスメント手順の変更。さらに、既設・新設問わず高圧送電線の周辺にある学校や住宅に影響を与えるような計画策定の見直し。)

〈曝露基準の設定〉
●曝露基準というものは立証された証拠に基づいて設定されるべきだ、とWHOは信じている。また予防方策の実行を保証するような仕組みもない、とWHOは考えている。それゆえWHOは小児白血病デ−タに基づく曝露基準設定を選択することを勧告しない。

〈コスト(費用)をベ−スにした選択について〉
●曝露削減を達成する方法はそれなりの経費を要するであろう。また磁場削減のための計画にかかった全体費用の中で相当な割合は磁場削減はどのくらいの経費を使えば達成されるか、というテスト内容によって左右される。だから冷静に考えると費用負担の大きさから便益も損なわれ曝露削減策は魅力を感じにくい。しかし強制なしで磁場削減するには負担を覚悟する必要があることを知らしめるという点で実践的といえよう。

 以上のすべての選択肢はそれぞれ実施後の総括と今後の見通しが必要であろう。

〈選択肢の評価と採用について〉
 今回提案されたWHOの予防方策フレ−ムワ−クにおいては、各国政府が上に掲げた選択肢と各国政府で考慮している方策について費用便益分析と費用効果分析をぜひ行なうべきであるという立場に立っている。「費用便益分析」とは、対象となる災難や病気を防ぐ上で必要な対策費用(コスト)とその社会の価値感に基づく便益を推測上数値化したものを比較する方法である。「費用効果分析」とは、対策をとったことによる効果と対策をとらないことによる社会の便益を比較する方法である。社会が合理的に行動すると仮定するならば、この二つの方法は同じ結論に達するとみなされる。

 WHOの予防方策フレ−ムワ−クの中で詳しく述べたように、費用便益分析と費用効果分析は以下のような課題に対して一体となって実施すべきだ。
●極低周波磁場が本当に小児白血病の原因であるのかどうか、についての不確実さ。
●どんな性質の電磁波が曝露削減の対象であるべきなのか、についての不確実さ。
●非意図的だが子供に影響を与えるおそれのある重大な病気のリスクについて、社会がそのリスクを減らすために取り組む姿勢を有しているのかどうか。
●方策を採用するにあたって、金銭上のコストとか金銭上以外のコスト、あるいは曝露に関わる負担を分散させる等、いろいろ広範囲にわたってのコスト検討。
●国内で懸念されている小児白血病問題や極低周波磁場が原因と考えられる部分についての検討。
●方策の対象となる子供数の検討。

 それぞれの選択肢のなかで考慮しなければならない要因について下表にまとめた。ただし、まだ完成品でなく今後も検討の余地あり。

選択肢便益があるとみなされる要因コストとみなされる要因
なにもしない 電磁波曝露を減らすための措置はとらない。不確実な面を解明しようとはしないし、将来に向けての知識を得ようともしない。
調査研究不確実な面を解明し、将来に向けて適切な決定ができるような能力が身につく。極低周波磁場が原因で小児白血病よりもはるかに市民の健康不安を煽るような広範に罹患する病気(現在はまだ問題にされていなくても)が起こる可能性を取り除く。その他のリスク要因を発見したり、そうすることで病気への不安を減らす機会となる。実際には発生しなかった別のリスク要因の調査研究に費やすコストの可能性
情報提供電磁波曝露についてわからないとか、意識されていないとか、避けることが困難な国や地域では、情報提供の効果は少ないかもしれない。必要以上の警戒や不安をつくりだす可能性がある。<訳注>WHOは情報提供は一般的に適切だと考えているが、しばしば誇張されていると思うこともある。
誤った配線の是正安全という便益をもたらす誤りか否かを識別するためには大きなコストがかかる。
地上送配電線設置に関する方法の変更地上送配電線設置に関する現行の方法は一つにはコストを理由にしてつくられている側面があるし、他方で感電による被害を減らすという安全面の理由からつくられている。感電のような実際的な害によるリスクは磁場を減らすことによる便益より優先される。コストがいくらかかるかといった専門的知識はほとんど電力会社の掌中にある。政府はこのような専門的知識を電力会社から引き出すと同時に、電力会社が提供した知識や技術が妥当なものかどうかチェックすべきだ。送配電線を新設する場合と既存の送配電線を手直しする場合を比較した時、コスト比較はまちまちでどちらがいいとは一概には判断できない。
その他の技術的変更電磁波曝露の削減は、理想化されたシステムではなく現実の電気システムにおいて評価されるべきである。たとえば現実の電気システムは不安定な状態のケ−スが多いがそうしたレベルを前提した上での曝露削減ということだ。同上
電気器具の設計変更電磁波曝露発生源としてまたは曝露状態としては、疫学調査からすると家の中の電気器具は送配電線ほどの因果関係は示されてなく今回の予防方策との関連も明確ではない。したがってリスクの不確実さに見合った便益の削減がなされるべきだ。曝露削減のためにどれだけ電気器具にコストがかかるかによる。また、曝露削減のために器具のサイズを小さくしたり重量を減らすことも含まれる。しかし適切な情報提供で消費者が曝露量の低い製品を選択するようであればコストを掛けたことが補われる。
事業計画を策定する側の体制変更電磁波曝露削減を念頭においた設備をもつ建物をつくるようになろう。そうすることで後になっての経費がかからず経費削減に貢献する。計画体制変更によって、土地の有効活用ができなくなったり、資産価値が低下したり、補償支払いが生じたりする、といった費用損失があるかもしれない。しかし、それぞれの国や地域の現行体制によって、費用損失の度合いはまちまちだ。
具体的な金額その国や地域がどの位対策に乗り出すかかどうかによる。便益と費用(コスト)に関する明確な比較はないので、便益に見合った以上の経費を費やすリスクは存在する。

 今回の予防方策フレ−ムワ−クが採用されるとした場合、社会全体としてどのくらいのコストが要されるか検討されるべきだ。その場合、そのコスト負担は企業、納税者、その他によってどのように負担されるべきなのかも含めて検討されるべきだ。

 下記の要因がそのような検討分析に適用される。
●小児白血病は比較的にまれな病気である。
●疫学調査を額面どおりの価値として受けとるならば、リスク増大と関係するレベルの電磁波曝露を受ける人々は社会全体では小さい割合である。
●極低周波磁場が因果関係があるのかないのかは、現在不確実だし、どういう種類の曝露状態が関係するのかどうかも不確実といったように、ある因子あるいは要因といった介在するものが影響をもつのかもたないのかに関して、多くの不確実さが存在する。

 上記のような要因を考慮した上でなおかつ、安全性重視に傾いた社会(国や地域)が法規制する場合は、なるべく低コストな方策ならば正当化されるかもしれない。
 特に、
●0.4マイクロテスラ程度の電磁波曝露基準の設定は妥当ではないと言えよう。WHOは、電磁波曝露基準は一般的に確立された(established)科学に基づいたものであるべきだ、と考える。
●安全性と社会的便益とが同等にもたらされる条件でないならば、あるいは低コストといった条件がないならば、技術的方法の変更といった方策は妥当ではないと言えよう。
●電磁波だけのための予防方策で地上送配電線設置方法を変更することは正当とは言えないであろう。しかし地上送配電線設置方法の変更が予定されているのならば、安全性と信頼性と経済性に併せて電磁波についても考慮されるべきだ。
●電機メ−カ−は極低周波磁場を低コストで減らすことができるのか調査すべきである。また電磁波曝露量の少ない製品を消費者が選択できるようにすることが市場戦略にとって優位となるのかどうかについても調査すべきである。
●非意図的な電流を減らすことに関して現行の送配電線規則を適用することは賢明であろう。しかし予防的に誤った所を探そうとか確認しようとして多大なコストをかけようとするのは妥当ではない。
●高圧送電線の配置計画体制の変更に関わるコストは、それぞれの国の条件によって変わる。したがって一般化することはできない。しかし高圧送電線の新設計画で電磁波曝露量を減らすための手順を採用することは可能だ。
●将来的に不確実な部分を克服するための継続的でより強化された研究調査計画が求められる。
●人々が意志決定できるようにするための情報提供はとても賢明だし正当である。

 「2B」(ヒトへの発がんリスクの可能性あり)のランク付けには不十分な証拠しかない要因や因子(訳注;極低周波電場等)に対して、今回のWHOの予防方策フレ−ムワ−クは低コストな選択肢などよりシンプルな評価を要求する。以下がそのような選択肢だ。
●研究調査
●情報提供
●別の理由で地上送配電線の配置方法を変更する場合があった際に、その要因・因子を減らすような方法の変更を同時に行なう。
●高圧送電線の配置計画体制の変更は、それぞれの国の条件によって一概には言えない。

〈行動選択と実行について〉
 いろいろな選択肢を実行するための分析に基づいて、各国政府や関係部局はその国に見合った選択を行い、実行に移す。その国にとってどんな方法が正当なのかどうかはその国の判断による。一般的には、予防の観点から方策を採用するのであれば、厳格な施行より自主的な規則とか奨励とか協調的計画のほうがふさわしい。
 WHOの予防方策フレ−ムワ−クとしては、すでに極低周波電磁波についていくつかの国では法規制を実施しているところもあるが、法的規制でない予防方策の実施を求める。とりわけ方策を選択する場合は次のような方法で実行すべきであろう。
●WHOの予防方策フレ−ムワ−クの考えからすると、電磁波曝露を減らすための個人や企業の行動は法的義務に基づいたものではない。
●電磁波曝露を減らすための決定は、電磁波曝露が危険であるとする証拠を基にしたものではない。

 WHOの予防方策フレ−ムワ−クは、はば広い利害関係者(stakeholder)を取り入れることを奨励する。極低周波電磁波に関して利害関係者とは、政府・学会・市民団体・計画立案従事者のような専門家・学校関係者・不動産関係者・企業が含まれる。企業の中には電力会社や電機メ−カ−が含まれる。

〈実行後の評価について〉
 今回のWHO予防方策フレ−ムワ−クで詳述したが、採用された方策は実施後定期的に再評価(再検討)されねばならない。新しい科学的知見が発表された場合は特に再評価が必要だ。

《翻訳者による解説》
WHOの「不確実分野における予防方策展開(開発)のためのフレ−ムワ−ク」と題された対策草案は、総論と3つの追加資料から構成されている。総論は「すべての不確実分野」に当てはまる予防方策フレ−ムワ−ク(大枠組み)について述べたもので、電磁波に限ったものではない。環境ホルモンしかり、食品添加物しかりである。しかし、3つの追加資料のうち二つは電磁波について言及している。WHOにとっての不確実分野で、いかに電磁波が大きな比重を占めているかの表れだ。この追加資料Bでは、各国の判断が優先されかつ曝露基準についても言及しなかったため、日本の電力会社や電機メ−カ−は「安全論」の補強として今回の対策草案を利用するであろう。しかし、(1)電磁波が安全でないからこそ「予防方策」が必要である、(2)情報提供、配線方法の変更、技術的変更、電気器具の設計変更等に言及している、(3)決定に関しては利害関係者の参加が奨励されており、その中に市民団体(住民団体)も明記されている、等は大いに私たちにとっても武器になりうるものだ。日本のやり方は企業中心主義であり、今後はこうした住民無視や市民無視の方法は批判されるであろう。


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