□電源装置から電磁波は出ないと回答
千葉県松戸市内のマンションにKDDI(au)が携帯電話無線基地局建設を提案し、すでに臨時総会で許可されましたが、その後住民たちが「電磁波の危険性」を問題にして、決着には至っていません。
基地局は、大きく分けて、アンテナ部分と電源装置部分から成っています。アンテナ部分から周波数の高いマイクロ波が発信され、電源装置部分から増幅・復変調・音声処理のため数万ワットの極低周波電磁波が出ます。電源装置は重量が重いので(数トン〜10トン以上)、最近は屋上ではなく1階に置くケ−スも増えました。この例も1階に置きます。ところが、住民が電源装置からも電磁波が出るのではないか、と尋ねたら「電磁波は出ません」と答えたといいいます。住民たちにどうせ技術的知識はないだろうと、いい加減なことを言ったのでしょう。
□自然界より弱い電磁波しか出ないというデタラメ
住民たちが基地局の稼働前と稼働後の電磁波の強度変化を知りたいと要求したところ、KDDIは測定会社NHKアイテックに稼働前の測定をさせました。ところが、出してきた数値としては、電力密度で「0.000000O93ミリW/cm2」というのです。これは「0.000093マイクロW/cm2」ということですが、自然界の強度が「0.0002マイクロW/cm2」なのですから、自然界より弱い電磁波しか飛んでこないことになります。そこで私は住民にこう聞きました。「あなたのマンションでは携帯電話は使えませんか?もし使えるのならばその数値はデタラメです」と。
これが携帯会社の態度なのです。一方では科学的な言葉をちりばめて住民を煙にまき、他方では非科学的数値で住民をたぶらかそうというのです。WHOの予防方策フレ−ムワ−クでは、情報の透明性や公開性と決定への利害関係者の参加や関与が必要だとしているのに。もっと真面目になってください、携帯会社の皆さん。