小学校のすぐ隣りに変電所を計画

鳥取市内に中国電力が計画。署名7000人集め住民は反対の声を上げている

□鳥取市中心街に11万ボルト変電所
 5月22日、中国電力は鳥取市中心街にある遷喬(せんきょう)小学校に隣接する場所に、11万ボルトの変電所を建設しよう、と住民説明会を開いた。
 当初この変電所は市内の鳥取商工会議所駐車場に計画されていたが、電磁波研会報第17号で報じたように、2002年6月、市長も含めた住民の反対で白紙撤回された。その後中国電力は近辺の代替地確保に動いていたがどこも反対され、結局当初の計画地から1qも離れていない今回の場所が中電自社ビル地ということで建設したい、と表明したのだ。

□830ミリガウスまで安全とする中国電力の見解
 今回は自社ビルでの変電所計画ということで前回反対で動いた市長も「中立」を決め込んで動かない。
 しかし小学校に隣接して電磁波発生源の変電所を建設しようというのは明らかに問題だ。ところが中国電力の説明は「ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の60ヘルツのガイドラインは830ミリガウスで、これに比べて変電所から生じる電磁界は十分低い」とか「小泉首相は国会で『近傍の住宅及び小学校等について(送電線が新設する際)配慮することは特に考えていない』と答弁している」といった具合で住民の電磁波への不安に真面目に応えようとはしていない。これでは住民たちが納得しないのは当然だ。

□文部科学省の見解をフルに使う中国電力
 下欄は文科省依頼の全国疫学調査への中国電力の見解だ。文科省のこの評価の問題点は電磁波研会報第24号16-22頁で明らかにしているが、このように悪用されているのだ。
 小学校に隣接した変電所建設など絶対に許してはなりません。


<文部科学省の見解>
Q2.電磁界のリスクについて(4ミリガウスで小児白血病リスクが倍増するのは.本当なの?)
 4ミリガウスで小児白血病リスクが上昇というのは,文部科学省の依頼を受けた国立環境研究所が行なった電磁界による子供の健康影響に関する疫学研究(統計調査研究)の報告ですが,研究を推進してきた文部科学省自身が,この研究は「優れた研究でない」として「最低のC評価」をしており,本研究で健康リスク評価を行なうのは不適切であると結論付けています。
 また,健康影響評価を行なうにはこのような疫学研究だけでは不十分で,動物実験や細胞実験による総合評価が必要ですが9電力設備から発生する電磁界による健康への影響が実験研究で確認されたことはありません。
 なお,国立ガンセンターの統計では,電力便用量が増えているのに小児白血病の発生率や死亡率はむしろ減っています。
 このようなことから,電力設備等から発生ずる電磁界が人や子供の健康に影響を与えることはないと考えており,変電所は,電気なしでは暮らせない現代生活を送るために必要な設備と判断ずることが妥当ではないでしょうか。


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