海外情報
2003年9月30日ロイタ−の発表を元に
(翻訳:TOKAI)
□FOMA・写メ−ルと同じ世代
次世代型(第3世代)携帯電話システムが人間の健康にどのような影響をもたらすかという初めての調査結果がオランダ政府3省(経済省・保健省・通信省)から発表された。
携帯電話は第1世代(アナログ)から第2世代(デジタル)を経て将来は第3世代の時代になると携帯産業は考えている。第3世代とは映像を音声とともに搬送するもので日本のFOMA、写メ−ルがこれに相当する。
□第2世代と第3世代を比較対照した調査
中継基地局は通常数q四方をセル(通話可能範囲)として携帯電磁波を搬送する。今回はオランダ政府3省の共同委託を受けた技術研究調査会社TNOが調査したものだが、第2世代と第3世代の中継基地局から発せられるマイクロ波を4つのグル−プに分けて反応をみる方法をとった。
□頭痛・吐き気・ちくちくする痛みが出る
結果は、第3世代基地局の電磁波に曝されたグル−プには著しい影響がみられた。具体的には頭痛・吐き気・ちくちくする痛みを感じた。だが第2世代基地局の電磁波に曝されたグル−プにはそれがなかった、と経済省のスポ−クスマンは語った。
付け加えてスポ−クスマンは次のように語った。「一方、記憶や反応時間のような認識機能の変化は第2世代も第3世代も両方とも増加した」。実際の運用では第2世代と第3世代の両方の電磁波に曝される、と人々は警戒するであろう。
□オランダ政府はECとの共同研究を検討
この調査ではダブルブラインド研究テストも実施された。ダブルブラインド研究とは基地局から電磁波は出ているのか出ていないのかがだれもわからない状態でテストするやり方である。
オランダ3省は「さらに研究を行い、検証することが必要だ。長期間被曝による健康影響や生物学的効果を調査する必要がある。EC(欧州委員会)との共同研究も検討する。」とスポ−クスマンを通じて発表した。
<電磁波問題市民研究会からのコメント>第3世代の携帯基地局から発信されるマイクロ波の影響を研究した初めての報告のため、欧州メディアはこの話題を頻繁に取り上げている。とくにオランダ政府の公式研究(委託)報告なので影響は少なくない。