海外情報

マイクロウェーブ・ニュース
2002年7〜8月号より
(抄訳 TOKAI)

アメリカ・メリーランド州で携帯電話による脳腫瘍を訴える集団訴訟

「ケ−タイ脳腫瘍訴訟」で今後は「イヤホン付き販売」となるのか?

□携帯電話訴訟大詰に
 米メリ−ランド州ボルチモア市の医師クリストファ−・ニュ−マンが脳腫瘍になったのは携帯電話の使用が原因だと訴え、著名な弁護士であるピ−タ−・アンジェロスの法律事務所が弁護に立ち話題となっている「ニュ−マン事件」は大詰を迎えている。
 裁判は連邦裁判所のキャサリン・ブレイク判事が担当で、原告側は「ヘッドセット(イヤホンの一種)を付けて携帯電話を売るべきなのにそれを怠った携帯電話メ−カ−に過失がある」と訴えてきた。
 米国の訴訟は日本と違い「集団訴訟(class action)」の制度があり、一度判決が出ると訴訟していない被害者にも賠償金が支払われる仕組みになっているが、今回のニュ−マン裁判は「タバコ訴訟」同様にこの集団訴訟の形で展開されている。

□州訴訟が連邦訴訟になった影響は?
 タバコ訴訟の勝訴で有名なピ−タ−・アンジェロス法律事務所側は、訴訟を起こしたそれぞれの州毎に裁判をすべきだ、と主張してきた。ところがモトロ−ラ等の被告側はクリストファ−・ニュ−マンら複数の携帯電話と脳腫瘍の関係を巡る事件を一括して連邦裁判所で審理すべきと主張し、2001年10月31日からとりあえずニュ−マン事件は連邦裁判所に移って審理されることになった。すでに原告・被告双方の証人意見陳述も終了し、まもなく判決が下される段階にきている。
 被告側の主張である「連邦裁判所で審理すべき」が通ってキャサリン・ブレイク判事が担当したことが、どう判決に反映されるかは大いに注目すべきことである。


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