海外情報
(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2002年5〜6月号より
□悪性脳腫瘍で特にリスク高い
電磁場(EMF)を労働作業中に浴びると悪性脳腫瘍になる可能性が有意に高まる、とする研究をカナダ・オタワ大学のポ−ル・ビルヌ−ブ(Paul Villeneuve)らが発表した。
その研究によると、平均磁場で6ミリガウスかそれ以上被曝した労働者の脳腫瘍は象に職33%増大した。このデ−タは統計的には有意ではない。しかし、グレ−ドVとグレ−ドWの星状膠細胞腫(とりわけ多形性神経膠芽細胞腫として知られる悪性脳腫瘍)では12倍までオッズ比は高まるし、統計的にも有意だ。悪性でない腫瘍ではリスクは高まらなかった。
この研究結果は「極低周波磁場はがんプロモ−タ−として働く」とする仮説との一貫性を示した、とビルヌ−ブは『国際疫学ジャ−ナル』2月号で結論づけた。
□94年〜97年の4年間の脳がん者を調べた
ビルヌ−ブらのこの研究は、1994年〜97年のカナダ人脳がん者543人と同数のコントロ−ル(脳がんでない人)を対象に職業とEMF被曝の関係を分析したものだ。6ミリガウスかそれ以上の平均磁場を被曝する労働者の多形性神経膠芽細胞腫は、198人中18人、オッズ比は5.5で98%信頼区間(Cl)は1.22−24.8であった。ビルヌ−ブは症例数が少ないので慎重に解釈されるべきだとしている。