海外情報

(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2002年3〜4月号より

ボルボ車で高い磁場が計測された

□13台調査し、ボルボが高かった
 スウェ−デンの自動車専門月刊誌『ビ・ビラガ−レ(Vi Bilagare)』(2002年・2月)8メ−カ−・13台の磁場を調査した記事を載せた。
 その結果はボルボの3車種が最も磁場が高く計測された。3車種のうち「V70ステ−ションワゴン」は30〜70ヘルツの極低周波磁場が180mG(ミリガウス)以上、「S60セダン」で150mG、「S80セダン」で120mGであった。位置は運転席のドライバ−が左足を休める所が最も高かった。他で高いのは運転席シ−ト部分で20〜30mG、左の後部で同様座席で30〜66mGであった。

□発生源は電気ケ−ブル
 電磁場の発生源は前部の発電機から後部のバッテリ−までを繋ぐケ−ブルだ。
 ウメオ市にあるスウェ−デン国立労働生涯研究所のクジェル・ハンソン・ミルド(Kjell Hansson Mild)によれば、ボルボは1996年から車の電磁波問題を知っていたという。実際、1997年6月、イタリア・ボロ−ニャで開かれた生体電磁学会でチャルマ−ズ工業大学のイングベ・ハムネリアス(Yngve Hamnerius)とボルボトラック鰍フクジェティル・ベドホルム(Kjetil Vedholm)は、「後部にバッテリ−を載せるタイプの車はワイトカラ-労電磁波が約10倍高い」と報告している。5〜20ヘルツ帯でバッテリ−が前にある車は5mG以上だが、後部だと40mGにはね上がった。

□揺れ動くボルボの対応
 『ビ・ビラガ−レ』が出た翌日の2月15日にボルボ社は声明を出し「最大限、電磁波について取り組む」とした。しかし一方で同じ声明で「記事で出た電磁波値はEU(欧州連合)閣僚会議が採用した勧告基準値より10〜100倍低い値だ」とし、「わが社が技術上の方策あるいは別の方策をとらねばならぬ理由はない」としている。
 ところが2月20日、ボルボ社は一転し次のような声明を出した。「国内の所有者は10の要因で電磁波を低減する新しい電気ケ−ブルをオプションでつけることが可能となる。オプション金額は200ドル(2万5千円)」。(ただしスウェ−デン以外で同様の措置をとるかどうかはふれていない)

□他メ−カ−車も電磁波出ている
 他メ−カ−車は10mG以上とボルボほどでないが出ている。たとえばBMWセダンは後部座席で25mGだった。
 同誌は4月中旬に今回と別の車種で計測した調査を発表する予定だ。
 1998年に、ジェイムズ・ハトフィ−ルド(James Hatfield)、サミュエル・ミルハム(Samuel Milham)、リチャ−ド・テル(Richard Tell)の3人は「スチ−ル・ラジアルタイヤの回転で車内に20mGの電磁波が計測される」と報告した。
 話は変わるが、TCO(スウェ-デンのホワイトカラ−労組)啓発部は、ボルボトラック(株)は従業員の使う携帯電話を「TCO'01仕様」とすることを決めた初めての国際的企業である。ボルボトラック(株)はボルボ社と独立し現在フォ−ド傘下の企業である。

<電磁波問題市民研究会からのコメント>
週刊現代2002.3.9号に同様の記事が掲載されている。


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