(1) 「自衛隊の即時撤退を求める署名」を緊急集約し、参議院議員福島瑞穂事務所を通じて、6月8日に参議院に請願署名として提出しました。5月末に提起した新しい署名は、まだ10日しか経っていません。実際に取り始めてまだ1週間も経っていないのが実情です。でも毎日のように全国から署名が返送されてきています。 提出した署名は、6月6日までに事務局に返送された607名分です。まだ数は少ないですが、6月11日にも採決強行が予想される有事7法案廃案に向けた意思表示をすべきだと考え、先行して提出することにしました。 (2) 小泉首相は、憲法の平和主義を根本から覆す政策転換をまたもや、首相個人の一存で決めてしまいました。イラク多国籍軍への参加です。どさくさ紛れ、なし崩しもいいところです。6月8日の日米首脳会談で、日本で国民に対して何の正式な提案もせず、国会審議もなしに、ましてや憲法論議も法案化もせず、勝手に表明したのです。まるで「独裁者」のような振る舞い、一体何様なのでしょうか。 ブッシュのご機嫌取り、対米従属外交、日本型多国籍企業と日本経団連の対米市場確保、イラクの石油利権等々。−−小泉首相は、ブッシュ政権のイラク占領泥沼化に日本全体を道連れに引きずり込もうとしているのです。政府は来週中にも、政令改訂(国連安保理決議1546を明記)と官房長官談話(武力行使を伴わない)だけで押し切る構えです。私たちは、これを何としても阻止しなければなりません。 一体彼は誰に向かって政治をやっているのか。ブッシュに媚びて勝手に「国際公約」を先行させ、然るべき後に日本の国民に結果だけを押し付ける。かつてこんなデタラメな政治があったでしょうか。許し難い暴挙です。やりたい放題やっても人気は下がらない、参院選も圧勝予想、戦争に踏み切っても年金保険料を増やしても、年金の未納・未加入問題で開き直っても文句一つ言わない国民、どこまでも付いてくる国民。高をくくっているのです。国民はもっと怒るべきです。 (3) イラク多国籍軍とはイラクに侵略した米英侵略軍のことです。「治安維持」、つまり反米武装抵抗運動をせん滅するのが唯一の任務です。政府は「人道復興」など付け足しでごまかそうとしていますが、武力鎮圧のための侵略軍なのです。集団自衛権の行使、武力行使が本質なのです。もちろん憲法違反、前文にも第9条にも違反します。だから日本の歴代政権は、集団自衛権の行使に当たるとして多国籍軍への参加を見送ってきたのです。 米英の傀儡政権である「暫定政権」は反米武装レジスタンスに対して武装解除を要求し、要求に応じなければ弾圧すると表明しました。もし多国籍軍に参加すれば、反米武装レジスタンスとの交戦が現実味を帯びてくるでしょう。「我々は多国籍軍のようだが実は多国籍軍ではない」「武力行使をするようでしない」等々、苛烈な戦場でどこまで自己都合の言い訳が通用すると思っているのでしょうか。笑い話にもなりません。小泉首相のこと、あるいはわざと戦死者を出して、靖国参拝を強行しようと目論んでいるのかも知れません。 (4) 現にイラク情勢は急速に悪化しています。「基本計画」が承認され、自衛隊が派兵された昨年末、あるいは今年初めと比べても様変わりです。さらに米軍による前代未聞の戦争犯罪が次々と明らかになりました。ファルージャでの700人とも1000人とも言われる民衆虐殺。アブグレイブ収容所での虐待、拷問、性的拷問、殺害の発覚。さらに最近ではバグダッドのサドル・シティでシーア派住民がわずか9週間で900人も虐殺される等々。イラク民衆の反発と怒りは極限にまで達し、怒りの矛先は自衛隊に向かっています。 自衛隊派兵と米占領軍協力によって、日本に対して友好的であったイラクの人たちの感情が急速に変化し、「日本は敵」「日本はアメリカの戦争に協力している」という怒りが生まれてきています。高遠さんら3人の「人質事件」でも、自衛隊の撤退が要求されていました。橋田さん、小川さんが襲撃され殺害されたのも、自衛隊宿営地サマワからバグダッドへ向かう途中であり、彼らの悲劇も自衛隊派兵が原因であることは間違いありません。 (5) 米英多国籍軍=イラク民衆鎮圧軍への参加は、「復興人道支援」の名目さえかなぐり捨て、米占領軍と完全に一体化・従属化し、イラク住民への攻撃で米英軍と集団自衛権を行使することです。正真正銘の侵略軍、占領軍の一員としてイラク人民に対峙することです。 多国籍軍参加はイラク民衆に銃を向けることです。私たちは多国籍軍参加に絶対反対です。小泉首相は参加発言を撤回すべきです。即刻の自衛隊の撤退を要求します。「自衛隊の即時撤退を求める署名」は6月末を第一次集約として、随時小泉首相に提出します。引き続きご協力下さい。 2004年6月9日 アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
1.請願の要旨 イラクから自衛隊を即時撤退させて下さい。 泥沼化し世界中から非難を受けるようになった米ブッシュ大統領のイラク戦争・占領支配にどこまで付いていくのか、それともイラクから手を引くのかが問われています アメリカの非道な占領支配の実態が、700人とも1000人とも言われる市民を殺害したファルージャの大虐殺とアブグレイブの拘束者虐待・拷問事件という形で明らかになり、イラク民衆の怒りは極限に達しています。この怒りの矛先がサマワに居座る自衛隊に向かうのは時間の問題です。 そもそも自衛隊派兵は重大な憲法違反です。そして国際法違反の戦争、大義無き侵略戦争への加担です。しかしこのまま居座れば、大量虐殺、拘束者拷問・虐待の共犯者になるのは明らかです。日本の自衛隊が展開するイラク南部、サマワにも戦闘が拡大しています。スペインの撤退をきっかけに対米追随の「有志連合」諸国が次々と軍隊を撤退させています。 今の時機を逃してはなりません。アメリカの占領支配への加担をやめ、即時無条件に自衛隊撤退に踏み切る時です。殺し殺される前に、自衛隊員がイラク民衆に対して銃口を向け引き金を引く前に自衛隊をイラクから撤退させてください。 サマワから帰還した自衛隊員全員に精密な劣化ウラン検査をして下さい。 5月17日、24日、陸自第1次部隊が旭川に帰還しました。先に来日したUMRCドラコビッチ博士は、サマワからの帰還米兵が劣化ウランに被曝していた事実を明らかにしました。同米兵が所属するニューヨーク州では知事や上院議員が、全帰還米兵の劣化ウラン検査を政府・軍に求める騒ぎに発展しています。同じサマワに展開していた自衛隊員も無縁ではありません。帰還した自衛隊員全員の精密な劣化ウラン検査をしてください。 国民保護法など有事関連7法案をすべて廃案にして下さい。 現在国会上程中の有事関連7法案は先の有事3法と一体となり、憲法の平和主義の枠組みを覆し、自治体・住民をも巻き込んで日本を「戦争のできる国」に仕上げるものです。「国民保護」の名の下に軍隊が住民を指図・命令する、米軍に弾薬を供給する、戦争挑発行為である「船舶検査」ができる、「正当防衛」でなくても危害射撃をすることができる、等々。さらに「大規模テロ」への「緊急対処事態」なる新しい規定が盛り込まれ、「国家総動員体制」の発動が乱用される危険が出てきています。日本での戦争準備態勢を整える有事関連7法案をすべて廃案にしてください。 2.請願事項 1.イラクから自衛隊を即時撤退させて下さい。 2.サマワから帰還した自衛隊員全員に精密な劣化ウラン検査をして下さい。 3.国民保護法など有事関連7法案をすべて廃案にして下さい。 |