1月28日、私たちアメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局の呼びかけで、「戦地イラクへの自衛隊派兵の中止と『イラク特措法』廃止に関する請願」署名提出行動と院内集会を行いました。 ■署名提出・院内集会に20名が参加、各地から市民が参加 午後1時からの請願署名提出行動には、「ピースニュース」「基地はいらない!女たちの全国ネット」「原発に反対する品川の女たちの会」『「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン」など20名もの市民が参加し、4086名分の署名を請願署名として提出しました。またオンライン署名570名分は、署名に添えられたメッセージと共に小泉首相に直接送付としました。これらを合わせ4656名分の署名を提出しました。 また、遠く島根からは「平和と歴史教育を考える会」が独自で作成し集めた「自衛隊イラク派兵に反対する請願書」1079名分の署名をもって、私たちと一緒に提出行動を行いました。これを合わせると、この日の行動での署名は5735名分となります。 提出行動では衆院議員に紹介議員をお願いすると共に、国会承認に断固反対するよう呼び掛けました。社民党議員と13名の民主党議員に紹介議員になって頂きました。また、自民党の「造反分子」といわれている議員にも声をかけ、承認反対の動きを拡大するよう依頼しました。 ■首相の虚偽発言、「サマワ市評議会機能停止問題」で衆院予算委は紛糾 午後3時からは衆議院第一議員会館第二会議室で「戦地イラクへの自衛隊派兵に反対する1.28院内集会」を開催しました。 まず署名事務局から、「大量破壊兵器保有」の大義の完全な破綻、米軍による掃討作戦の蛮行、先遣隊報告のデタラメ、劣化ウラン弾被害について簡単に報告しました。そして憲法違反などを論点に自衛隊派兵に反対するよう議員に働き掛けた今回の署名提出行動の状況、議員の対応などについて意見交換をしました。 議員回りの中で、紹介議員を引き受けて頂いた民主党議員からの情報で、サマワの評議会が崩壊している問題で衆院予算委員会が紛糾し、イラク特別委の開催のメドが立っていないことが報告されました。これは27日の衆院本会議で、小泉首相が機能していないサマワ市の評議会について「機能している」と答弁し、28日の衆院予算委で訂正したことを問題にしたものです。自衛隊派兵が、無理に無理を重ねて強行されており、必ず色々な形で矛盾が吹き出てくる、それらをフォローし、暴露、批判することが重要だと確認しました。 ※<自衛隊派遣>実質審議入り見送り 衆院テロ防止特別委 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040129-00000063-mai-pol ※政府が「虚偽情報」? 達増氏が追及 http://www.iwate-np.co.jp/news/y2004/m01/d28/NippoNews_8.html サマワ市評議会機能停止問題とは、CPAによって指名された評議会のメンバーがCPAの方針に反発し、サマワでは評議員12名中9名がCPAに通告しないまま巡礼に出発し、ルメイサでは9名の評議員全員が辞任したというものです。先遣隊はその事実を到着まで知らず、「支援調整」の窓口がない状態であるにも関わらず、小泉首相が「評議会は機能している」と強弁したのです。この問題は、サマワ現地がCPAが任命した評議会でさえ、CPAと対立しほぼ全員辞任するという事態にまで発展していること、自衛隊の派兵がイラク人のことなど全く眼中になくCPAの占領支配の支援のためだけのものであること、小泉首相がイラクで起こっていることを国民の目から隠し通そうとしていることを示しています。 ■署名活動と情勢について意見交換 署名事務局から、イラクの情勢として、イラクの劣化ウラン被害、イラクで米軍が行っている掃討作戦と被害、そして米兵が受けている被害などについて報告し、イラク派兵にまつわる情勢や各地の活動について意見交換しました。 参加者からは「勉強する会だったが何かやらねばと署名をはじめ、会員を通じて1週間で1000名の署名が集まった。」「北海道の黄色いハンカチ運動に危機感を覚える。結局は派兵に反対する意見を封じ込めるものだ」「イラクの戦場だけでなく、国内での戦争賛美の危険性にも目を向けなければならない。」「自衛隊がイラク人に銃を向け殺してしまう危険性を強調しなければならない」「イラクのこどもたちの被害、劣化ウランの被害のパネル展をしている」などの発言がありました。 ■次の運動の節目は3月20日のイラク侵略1周年。隠された真実を明らかにする運動、ねばり強い運動を作り上げよう イラク侵略1周年の3月20日に向け、東京でも大阪でも大規模な行動の準備が進んでいます。これが次の節目です。さらに署名活動と反対運動を強化しようと確認しました。派兵されたら終わりではなく、様々な矛盾が出てくるのでそれらを暴露し、継続することが大事との意見で締めくくりました。
2004年1月29日 アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 [資料]
1.請願の要旨 陸上自衛隊先遣隊が重武装でイラク・サマワに到着した姿は、まさに戦場へ派兵された侵略軍の姿そのものです。私たちはこの暴挙に強い憤りを禁じ得ません。自衛隊員が軍靴で踏み入れたイラクは一体誰の土地なのか。それはイラクの人々のものであり、アメリカが侵略し、蹂躙した国土です。アメリカは大義無き戦争によって一般の民衆だけで1万人、兵士もあわせれば数万人の罪なき人々を殺し、今も「ゲリラ掃討」を名目に、一般民衆の拘束、拷問、殺害を続けています。これがイラクの現実です。「非戦闘地域」「正当防衛による武器使用」など全くの詭弁です。全土が侵略戦争の戦場であるところに非戦闘地域などあり得ず、侵略軍の一員である自衛隊員に正当防衛など存在しません。私たちは戦場への自衛隊派兵を中止するよう要求します。派遣命令を撤回し、派遣された自衛隊を即時撤収するよう要求します。そして、「イラク特措法」を廃止するよう要求します。 イラクへの自衛隊派兵は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とする憲法9条の否定です。イラク戦争はアメリカによるイラクへの侵略戦争であり、自衛隊の派遣はこの侵略戦争への加担です。重武装の自衛隊派兵は「武力による威嚇」そのもののであり、「武力行使」「交戦権」行使以外の何ものでもありません。戦場への軍隊の派遣それ自身として憲法上許されません。自衛隊がクウェートの米軍基地で訓練を積み、占領軍特権を持った侵略軍・占領軍としてイラク・サマワに入り、イラク人殺戮訓練をやった上でイラク領土へ軍靴で踏み込む、重武装でイラク人に銃を向ける等々日米共同の集団自衛権の行使に道を開いています。しかも、米の開戦の根拠であった「イラクによる大量破壊兵器の保有」は完全に破綻しました。私たちは、政府が日本国憲法を遵守し、アメリカの無法な戦争と軍事占領に手を貸さないことを要求します。 さらに、サマワとイラク全土は米英軍が大量に使用した劣化ウランで放射能に汚染されています。現地イラクの人々の放射能汚染は極めて深刻です。かつての湾岸戦争の結果、南部バスラの人々が今も重大な放射能障害に苦しんでいますが、この悲劇がサマワやイラク全土で再びより深刻な形で再現する危険があります。自衛隊の派兵は劣化ウラン戦争、放射能戦争への加担であるだけでなく、自衛隊員の被曝をも強要するものです。その点からも私たちは自衛隊の派兵に絶対に反対します。米による劣化ウラン弾の使用の事実を認め、劣化ウランによって被害が出ていることを認める事を要求します。被爆国として、はっきりと反対の立場をとり、この戦争に加担しないことを要求します。 2.請願事項 (1)戦地イラクへの自衛隊派兵を中止し、「イラク特措法」を廃止すること。 (2)日本国憲法を遵守し、アメリカの無法な戦争と軍事占領に手を貸さないこと。 (3)米による劣化ウラン弾の使用に反対し、放射能戦争への加担を行わないこと。 [資料]
政府・与党は26日、陸上自衛隊本隊に派遣命令を出しました。2月初めにも陸自本隊の一部のイラク派遣が予定されています。多くの国民が反対している、戦場に自衛隊を派遣するという憲法違反の大問題が、わずか一日半の形だけの「現地調査」だけに基づいて行われました。初めから結果が決まった政府・自民・公明党の茶番劇としか思えません。私たちはこのような国民を無視した暴挙に抗議します。国会議員の皆さんに自衛隊派兵の国会不承認をお願いします。 「大量破壊兵器はなかった」--大義なき戦争を支持した小泉首相の責任はどうなるのですか 米国のイラク戦争の根拠であった「イラクによる大量破壊兵器の保有」は完全に破綻しました。米調査団団長のデビット・ケイ氏は「イラクには大量破壊兵器は存在しなかった」と語って辞任しました。パウエル長官自身が「イラクが大量破壊兵器を保有していたのかどうかは未解決の問題」と保有が「ゼロ」だった可能性を認めたのです。「大量破壊兵器を持っている」「脅威を与える」ことを理由に、国連安保理各国の反対さえ押し切って一方的にイラクに攻め入って人々を殺したブッシュの責任はどうなるのでしょうか。何の根拠もないのにブッシュを支持して人殺しに手を貸した小泉首相は政治責任をとるべきです。デマに基づく戦争加担の「イラク特措法」は廃止し、不法な占領に手を貸す自衛隊のイラク派兵も直ちに取りやめるべきです。 米軍がしているのは侵略戦争と占領支配の蛮行です 米軍は今でもバグダッドで戦争をしています。いわゆるスンニ派三角地帯では残酷な掃討作戦を繰り返し、子どもや若い女性を含む多くの罪なき人々を殺し、不当に拘束し、拷問を加えています。文字通りの軍事占領で現地の人々の人権などないかのようです。すでに一般民衆だけで1万人、兵士もあわせれば数万人のイラク人が殺されました。産業は破壊され仕事も奪われています。これがイラクの現実です。なぜ米軍の侵略と占領に軍事協力するのですか。「非戦闘地域」「正当防衛による武器使用」など全くの詭弁です。全土が侵略戦争の戦場であるところに非戦闘地域などあり得ず、侵略軍の一員である自衛隊員に正当防衛など存在しません。私たちは自衛隊を侵略の軍隊にすることに反対です。戦場への自衛隊派兵を中止するよう要求します。 先遣隊報告はでたらめです 先遣隊の現地報告書はサマワが危険でないかのように報告しています。しかし、現在のイラクは戦場です。自衛隊と同じように「復興支援」で入った韓国軍、イタリア軍、スペイン軍等々、各国の軍隊も全部はじめは現地住民と笑って交流していました。ところが、現地の抵抗闘争に攻撃されて、今では46時中住民に対して銃を構え、極度の厳戒態勢をとっています。いつ攻撃されるのかという恐怖に脅かされ、周りが全部敵に見えているのです。人々に銃を突きつける他国の軍に住民の怒りも高まっています。先遣隊が演出した「安全」は幻と消えるでしょう。失業と生活苦に苦しむ住民、そして直接選挙を要求するシーア派の人々の攻撃の矛先は、米英軍とそれに加担する外国軍に向かってくるでしょう。政府は日米同盟を優先させるために自衛隊員をそんなところに送るつもりです。彼らが殺されてもいいのですか。彼らが人殺しになってもいいのですか。全く無責任としか言いようがありません。 サマワでの劣化ウランの危険をもみ消すな サマワとイラク全土は米英軍が大量に使用した劣化ウランで放射能に汚染されています。その量は湾岸戦争に数倍すると言われています。現地イラクの人々の放射能汚染は極めて深刻です。かつての湾岸戦争の結果、南部バスラの人々が今も重大な放射能障害に苦しんでいますが、この悲劇がサマワやイラク全土で再びより深刻な形で再現する危険があります。 自衛隊の派兵は劣化ウラン戦争、放射能戦争への加担であるだけでなく、自衛隊員の被曝をも強要するものです。形だけの先遣隊報告書は劣化ウランの調査について一言もふれていません。しかし、現地には劣化ウラン弾が転がっており、オランダ軍もそれを確認しているのです。国際機関はどこで使われたのか明らかにし、除染し、隔離すること、住民の健康調査をすることを最低限すべきことと勧告しています。ところが小泉首相も石破長官もそれさえ無視して「劣化ウランは危険でない」と言い出しました。イラクの人々の健康にも自衛隊員の健康にも、何の注意も払うつもりがないのでしょうか。 直ちに派遣を中止し、米国に劣化ウラン使用の情報公開を迫るべきです。 自衛隊派兵は憲法違反 陸上自衛隊先遣隊が重武装でイラク・サマワに到着した姿は、まさに戦場へ派兵された侵略軍の姿そのものです。イラクへの自衛隊派兵は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とする憲法9条の否定です。イラク戦争はアメリカによるイラクへの侵略戦争であり、自衛隊の派遣はこの侵略戦争への加担です。重武装の自衛隊派兵は「武力による威嚇」そのもののであり、「武力行使」「交戦権」行使以外の何ものでもありません。私たちは、政府が日本国憲法を遵守し、アメリカの無法な戦争と軍事占領に手を貸さないことを要求します。 院内外の運動の力で小泉首相の暴走をストップしましょう 私たちは軍事国家、侵略国家の道を歩むのか、あくまでも平和主義と日本国憲法を守り抜くのかの岐路に立っています。国会内外では連日抗議行動が行われています。最大の自衛隊派遣地北海道では、札幌、旭川、小樽、千歳などでねばり強い反対運動が展開されています。また全国の反戦平和運動は、自衛隊派兵反対の戦いを推し進めながら、イラク開戦一周年の3月20日をイラク戦争・占領支配反対、自衛隊派兵反対の戦いの一つの集中点にしようとしています。世論の反対と市民の反対運動、そして議会での反対の中で自衛隊派兵を強行するならば、必ず小泉首相は孤立し、責任問題が前に出てくるのは確実です。陸自師団長による露骨な反戦デモ牽制発言、政府・防衛庁による情報統制と「大本営発表」などは彼らが反対運動を恐れ、真実を知られることを恐れている証拠です。院内外で批判と暴露、反対行動を強化し、小泉の暴走を何としても止めましょう。 [資料 提出行動への呼びかけ文]
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