[翻訳紹介]
韓国でのパトリオット・ミサイル配備反対闘争

パトリオット基地閉鎖要求全国大会
基地のフェンスを取り壊そうとし、警察と衝突


 韓国の運動では、ミニ横断幕を持って参加する形態が最近の流行で、「パトリオット撤去!」「駐屯米軍撤収!」のスローガンが書き込まれている。

〔光州(クァンジュ)=連合ニュース〕 孫(ソン)サンウォン記者:
 「光州空港パトリオット・ミサイル基地閉鎖および駐屯米軍撤収のための光州・全羅南道(チョルラナムド)共同対策委員会」(共同対策委員会)は、15日午後、光州空港空軍第1戦闘飛行団の前で、全国民衆連帯や全国統一連帯と一緒に、「パトリオット米軍基地閉鎖のための全国大会」を開いた。
 特に、全国から3千余名が集まった中で開かれたこの日の大会で、行事参加者らは手を取り合ってパトリオット基地を取り囲む人間の鎖フォーマンスを繰り広げながら、鉄条網でできた基地のフェンスを取り壊して基地の中に入ろうとしたが、これを阻止する警察と衝突を引き起こした。
 このために警察のバスのガラス窓が壊れ、デモ隊の一部は鉄条網で指を怪我したりもした。
 デモが激しくなり、警察は20中隊を出動させて警戒を強化し、消防車を動員して水をかけるなど、デモ隊と摩擦を引き起こしたりもしたが、憂慮した大きい衝突なしに、行事は2時間余りで終わった。
 風物大道芸〔集会などの前座として行われる民俗芸能〕で始まったこの行事では、民衆連帯と韓総連〔韓国大学総学生会連合〕、共同対策委員会など関係者が弁士として登壇し、パトリオット基地閉鎖と米軍撤収を要求した。
 彼らは、「光州空港にパトリオット基地と米軍を駐留させることは、80年5月に続いて光州をまた再び踏みにじる行為」だと言い、「これは民主人権都市と文化首都を指向する光州のアイデンティティーを破壊している」と主張した。 (2005/05/15)
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20050515/270500000020050515185441K2.html




パトリオット米軍基地閉鎖闘争

  「駐韓米軍撤収! パトリオット撤去!」

  パトリオット米軍基地閉鎖闘争…
  鉄条網1km取り壊し

  取り去られたパトリオット基地の鉄条網

 2005年、米国は、朝鮮と中国を狙って駐韓米軍を西海岸地域に集中させている。

 米国が、3年間に110億ドルを投入して、パトリオット・ミサイルを中心とする戦力増強構想を明らかにして以後、去る2004年11月の光州(クァンジュ)には駐韓米軍35防空砲旅団の兵力450人とPAC-3とPAC-2で構成された16機のパトリオット・ミサイルが追加配置され、2005年に全64機のパトリオット・ミサイルが韓国に配置された。

 光州、群山(クンサン)、平沢(ピョンテク)、烏山(オサン)などいわゆる西海岸MDベルトにパトリオット・ミサイルを配置している米国の策略は、まさに東北アジアの覇権である。

 3千余人がパトリオット米軍基地閉鎖のための『人間の鎖』

 15日午後2時半、松亭(ソンジョン)里第1戦闘飛行団正門では、東北アジアの覇権を掌握して韓半島の戦争の脅威を増幅させるパトリオット米軍基地を閉鎖するための闘争が行われた。

 5.18民衆抗争25周年精神継承国民大会に参加して来た3千余人の労働者、農民、青年学生たちは、「パトリオット撤去、駐韓米軍撤収」の宣伝横断幕を力いっぱい持ち上げながら、米空軍基地の前を赤く染め上げた。

 5月の日差しにかすんだ握り拳をぎゅっと握り締め、反米反戦歌を呼ぶ参席者らの熱気と気勢は、彼らの左側に広がる米軍基地を圧倒してあまりあった。

 全国連合の呉(オ)ジョンニョル常任議長は、「新しい虐殺武器パトリオットを撤去させるために全国八道から集まった同志らに挨拶を伝える」と述べ、大会の辞を始めた。

 呉ジョンニョル議長は、民衆の血で建設した光州が、米国の先制攻撃のための戦略基地になっているとし、「出て行って戦い、祖国統一を成し遂げよう」と叫んだ。

 引き続き、「戦争の火種、駐韓米軍を撤収しろ」、「資本の銃剣、駐韓米軍を撤収しろ」という参加者らの叫びが光州の空を引き裂いた。

 パトリオット米軍基地閉鎖光州・全南(チョンナム)対策委常任共同代表金ビョンギュン牧師は、心が洗われる政治演説で参加者らの大きい拍手を受けた。

 金牧師は、「まさにこの場所からパトリオットを撤去することによって、世界のヤクザであり悪辣な組織暴力団ブッシュの行動を中断させ、第3世界民衆まで解放させてしまおう」と一喝した。

 金牧師は、「全世界の元凶米帝国主義と戦っている私たちの北韓〔朝鮮〕同胞らに絶え間ない拍手を送ろう」と話しながら、「民族の名で闘争している皆さんに神様の平和と愛が永遠であることを、イエスキリストの名によって称賛する」と話した。

 大会参加者らは、決議文を通して、「米国はこれ以上私たちの友邦でも血盟でもない。ひたすら自分たちの世界覇権のために韓半島を利用しているだけだ。光州と韓半島を再び踏みにじる米国に反対する闘争に、絶えず打って出るだろう」と強調した。

米軍基地鉄条網1km完全に取り払われていき

 3時40分頃、米軍基地の人間の鎖をつなぎ始めた参加者たちが、米軍基地の鉄条網に綱を掛けて引っ張り、鉄条網が力なく取ら払われていき始めた。基地の中にいた戦闘警察は、うろたえていてどうすればよいか分からなかった。

 参加者たちの気勢が強いので、米軍基地の中で消防車が登場し、水鉄砲と消化粉末を撒き散らし始めた。警察放送車輌からは、「基地内へ投石したりする行為は、軍事施設保護法違反であり、いかなる理由によっても容認されない」として、法的処罰をするという警告放送を発した。

 あちこちで水鉄砲と消化粉末が撒かれたが、参加者らは隊列をかき乱さないで、「駐韓米軍撤収!パトリオット撤去!」を叫びながら、綱を元気良く引っ張った。

 米軍基地の中間鉄条網が3分の2程度取り払われていくなど、現在、松亭里の米軍基地は、数十年間固く隠されてきた肌を顕わにしている。

 4時半ごろ、しばらく小康状態にあった参加者らの気勢がまた息を吹き返し、第2次人間の鎖をつなぎ始めた。

 参加者たちは、今日こそ米軍基地をみな撤去させてしまうという気勢で、老若男女を分ける必要なく皆くっついて、「よいしょ! よいしょ!」のスローガンを叫びながら、綱を握り締めた手に力を集中した。

 一部参加者たちは、取り払われた鉄条網を越えて米軍基地の中に入り、戦闘警察と体当たりをしたりもした。

 松亭里の米軍基地は、1kmの区間、鉄条網が完全に取り払われていった状態だ。駐韓米軍駐留の歴史上、米軍基地鉄条網が民衆によって取り払われ、満身瘡痍になったのは無かったことだ。

「米国が私たちの土地に戦争威嚇をしている
 状況で、私たちの力を見せてやり痛快」


 参加者たちも、この日の闘争にだいぶ鼓舞された雰囲気だ。民主労働党完山(ワンサン)地区党の李(イ)ビョンム(38)氏は、「米国が私たちの土地に戦争威嚇をして軍事的危機をそそのかしている状況で、民衆がこのように自身の力を見せること自体が痛快だ。これからこういう戦いが平和を維持する唯一の道だと思う」と伝えた。

 公務員労組呉ギョンヒ(29)氏は、「今日の闘争のような英雄的な闘争がなかったようだ。気持ちがすっきりした。私の中にパトリオットがあるなら、みな取り出して米国に撃ってしまいたい。今日はあの門を開けたので、次には米軍基地を爆破してしまいたい」と話しながら、興奮した心を隠すことができなかった。

 5時ごろ、参加者たちは、風物音〔ドラや鐘〕が鳴る中で、大型星条旗を燃やす象徴儀式をしながらこの日の勝利を祝った。今、松亭里の米軍基地の前はお祭りの雰囲気だ。

 一方この日、鉄条網を切断する過程で、江原道(カンウォンド)の農民朴(パク)ヨンス氏が、右手親指を切断する怪我を負い、病院に護送される不祥事が発生した。

 「駐韓米軍は、もうこの土地を離れろ!」


民主労働党サイト http://www.kdlp.org/ から
記事は、
http://www.kdlp.org/index.php?main_act=board&board_no=498&art_no=126158&jact=art_read



パトリオット反対!
光州空軍飛行団の前激烈デモ<オーマイ>




 デモ参加者などが基地周辺鉄条網に紐を括って取り壊そうとし、警察が装備を動員して鉄条網に縛られたひもを切ろうとしている。
写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
「パトリオット反対!」
    空軍基地鉄条網1km取り払って
民衆連帯など4000人余り
   光州空軍第1戦闘飛行団の前激烈デモ


<オーマイ・ニュース>

 15日午後、光州松亭里空軍第1戦闘飛行団の前で開かれた『パトリオット米軍基地閉鎖のための全国大会』参加者4000人余りは、基地を囲んだ鉄条網1kmほどを取り壊しながら、激烈なデモを繰り広げた。

 今回の集会には、14日の夜と15日にかけ、朝鮮大学校と光州道庁前などで開かれた5.18民衆抗争25周年精神継承国民大会に参加した民衆連帯、韓国大学総学生会連合、パトリオット基地閉鎖光州・全羅共同対策委員会など、所属会員らが大挙参加した。

 彼らは、「パトリオット撤去」、「駐韓米軍撤収」のスローガンが書かれた横断幕を持って、「民衆の血で建設した光州が米国の先制攻撃のための戦略基地になっている」として、韓半島内の米軍戦力増強の一環として追加配置されたパトリオット・ミサイルの撤収などを要求した。

 参加者たちは、午後3時40分頃、米軍基地を人間の鎖でつなぐことを試みながら、空軍基地の鉄条網に綱を掛け始めた。鉄条網が取り払われ始めるや、空軍基地の中にいた警察は、近接する鉄条網をはがすデモ隊に向かって消防車を動員して水をかけたり消化粉末をばら撒いて対応した。

 松亭里の空軍基地は、1km区間の鉄条網が完全に取り払われていった。光州松亭里の光州飛行場(空軍第1戦闘飛行団)は、昨年までにおいても、韓半島有事の際に米空軍増員兵力を支援するための施設を管理する米軍兵力20人余りが残っていた。そうするうちに昨年11月、パトリオット・ミサイル部隊である駐韓米軍第35防空砲旅団兵力450人が追加で配置された。

 彼らは、「米国が、光州、群山(クンサン)、平沢(ピョンテク)、烏山(オサン)などの西海岸ミサイル防御体制(MD)帯にパトリオット・ミサイルを集中配置するのは、東北アジアの覇権を掌握するための意図」であるとし、「これによって韓半島の戦争の脅威が増幅されている」と主張した。最近米国は、パトリオット・ミサイルを中心とした駐韓米軍軍事力増強計画によって、去る2003年8月末にパトリオット最新型であるPAC-3を追加で配置したのを初め、烏山、水原(スウォン)、群山に、全部で48機(6個の砲台)のパトリオット・ミサイルを配置している。

 これに加えて、米国は、駐韓米軍第35防空砲旅団兵力450人、およびPAC-3とPAC-2など16機のパトリオット・ミサイルを追加配置するなど、全部で64機を韓国に配置した。

カッターと紐を利用して、基地周辺鉄条網を切断している。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
はがした鉄条網をデモ隊などが引っぱり出している。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
デモ隊などが鉄条網にくくったひもにすがっている。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
鉄条網をはがしたデモ隊などが、鉄製柱まで紐でくくって打ち倒している。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
基地進入を試みるデモ隊などと警察が体当たりをしている。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
集会参加者らが基地周辺で人間の鎖作りの行事を終えた後、鉄条網を取り壊そうとするや、基地の中に待機していた警察が消火器をばら撒いている。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ
集会参加者らが大型星条旗を燃やしている。
  写真:光州から 安(アン)ヒョンジュ

集会参加者たちが、「駐留米軍撤収」「パトリオット撤去」などのスローガンが書かれた横断幕を持ってスローガンを叫んでいる。

記事は、
http://www.kdlp.org/index.php?main_act=board&board_no=498&art_no=126158&jact=art_read

翻訳:アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局 (2005.5.18)