次に紹介するのは、枝廣淳子さんの発行しておられるメール・ニュース「Enviro-News
from Junko Edahiro No. 680 (2002.04.10) −
パレスチナ、そしてアフガニスタンも」からの転載です。(改行のみ調整しました。)
(個人向け以外での転載は枝廣さんに連絡をおねがいします。)
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Enviro-News from
Junko
Edahiro
No. 680
(2002.04.10)
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<テルアビブから、子どもたちの声、パレスチナ子どものキャンペーンから、日本からJVCも現地へ、アフガン難民写真展示会、パレスチナに対する行動>
いっしょに『非戦』を作った高野孝子さんのテルアビブ在住のご友人から、現地の情報をいただきました。
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実は、3月27日から、ユダヤ教の過ぎ越祭でこちらは1週間ほど休暇に入ったので、国外に出ていて、昨日こちらに戻ってきました。過ぎ越祭を祝う、一番メインの夕食が27日で、アラファトが行けなかったアラブサミットもこの日だったので、いやな予感がしていましたが、やはり、ひどい事態に突入してしまいました。
どこでも連日トップニュースで伝えられていますが、テレビで見ていてもひどいと思うのに、メディアが入れない所では、歯止めがきかなくなっているようです。私の友人たちは、すでに9日間、外出できずにいるものの、みんな無事で安心しました。一時は水や電気がとまり、食料のストックも底をついたようですが、なんとかしているようです。
サーバーがラマラにあったりするので、メールもつながらないことが多いそうです。電話は結構大丈夫です。ベツレヘムの友人は、お兄さん家族と住むビルの増築中の最上階に、イスラエル兵が2日間、居座ったそうです。幸い、この兵士たちは態度がよく、何事も起こらなかったそうですが。
出産しかかった女性が、結局チェックポイントを越えられず、そこで出産、赤ちゃんは亡くなったとか、そこら中の若者たちを引っ張っていって尋問するのに、昨日は15才の少女まで逮捕されたとか、救急車の出動をとめられているので、亡くなってしまう人も多い、家の中で亡くなった人の死体をどうすることもできず、何日間もそのまま、などなど、想像を絶する話を次から次へと聞きました。
何週間か前、12日間の外出禁止令があった時、これは最悪の事態、と思ったけれど、今回はさらに、これまでの人生で一番最悪、と言っていました。いったいこの先どこまで悪くなるのか、検討もつかない、と。
イスラエル人も、かなりショックを受けています。昨日は、軍事行動に反対する人達(新聞では1万5千人が参加)が集まって、抗議デモがテルアビブでありました。それに参加した同僚は、とりあえず、それだけの人が、今イスラエルがしていることに反対していることがわかっただけよかったと言っていました。彼女は、同僚のパレスチナ人に毎日電話して状況を聞き、載らないと思うけどね、と言いながらも、プレスリリースをメディアにファックスし続けています。米国出張中のボスも、毎日、パレスチナ人スタッフに電話して安否を気づかっています。
が、こういうイスラエル人は、どちらかといえばマイノリティー。私はこういう人達の中にいるので、もっと普通のイスラエル人と接することの多い夫とは、見方が違います。夫のオフィスのスタッフたちは、自称左派で、占領地から撤退すべきだ、と本当に思っているのですが、テロが相次ぎ、一般市民が亡くなるのを見ると、今は戦争状態・・・・と、ある部分、イスラエル軍の行動を肯定するところがあり、だからー、そもそも、自分たちが何をしてるかわかっているの?とキレてしまいます。
でも、こういうのが普通の人達のマジョリティーです。別の友人は、こうなったのは自分たちのせいだと思う、と言っていました。オスロ合意後、夢だと思っていた平和が本当にやって来る、これで男の子が生まれても、戦争で死ぬかもしれないと心配することはないんだと嬉しかったけど、パレスチナの人達のことを本当に思いやっていなかった、と言いました。こういう分析ができる人は、残念ながら少ないと思います。
最近になって、イスラエルの兵士たちにモラルがなくなりつつあるように思えます。テロリスト一掃作戦という名のもと、難民キャンプの家に入り込んでめちゃくちゃにし、冷蔵庫の中のものを食べあさり、とか、ちょっとでも身の危険を感じると、即座に撃つ、などなど。自爆テロも、最近の爆弾は、これまでのような手作り風のものから高度化し、威力が増していますし、今までは安息日を避けていたのが、3月27日のような、ユダヤ人にとって最も神聖で大切な儀式の夕食に自爆するなど、双方、歯止めがきかなくなっています。いったいあと何人が亡くなるのか、誰にもわかりません。
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ある難民キャンプでは、本当に水が足りなくなってきて、トイレの水を飲み始めたらしい、という話も伝わってきています。
以下は、メルマガ「Publicity」から、子どもたちの声の転載です。
http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/7376/hogoho/publicity.html
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子供たちの証言
私はラマラのカリル・サカキニ・カルチャーセンターの所長です。私は今、自宅に閉じ込められており、自宅からこれを書いています。包囲下のラマラで生活しているパレスチナの子供たちの13編の短い証言を読んでください。今すぐこの証言を発表、配布してください。
この証言は、このセンターの管理・財政担当のマナル・イッサさんが書き取ったもの(アラビア語)を英語に翻訳したものです[注:日本語版は英語からの翻訳です]。これをイスラエルの包囲攻撃下のパレスチナ人の苦しみの断片として発表してくださることを希望します。
ありがとうございます。
Adila Laidi.
[2002年3月30日(土)]
☆アラヤーン・ザイードくん(9歳):裏庭であそべなくなった。「外出禁止令」が出てるから、家の外に出られないんだ。おもちゃは隠したよ。おもちゃの鉄砲やおもちゃの戦車なんか持ってると、イスラエルの兵隊に取られるからね。「外出禁止令」が出てるから、お店へお菓子を買いに行くのもダメなんだ。
☆ラナから世界中の人たちへ:今、私のお父さんは遠くへ行っています。お姉さんとお母さんがテレビを見ながら泣いていたので見たら、イスラエルの兵隊が捕まえた男の人たちを撃っていました。私はお父さんがその中の1人かも知れないと想像しました。私は泣き出しました。
泣いて泣いて、しばらくして、なぜ泣いているんだろうと考えました。これは私たちの運命ではないのか。私のお父さんは警察官です。私たちは抵抗しなければならないのです。
☆レマ・ザイードさん(11歳):学校へ行きたい。今年は卒業です。夏は自由にしていたい。泳いだり、遊んだり。
イスラエルの兵隊たちが、私たちのところから出て行って、占領をやめて、こんな重たい戦車を使うのをやめてほしい。私たちには抵抗する手段がない。学校を占領したり、破壊したりするのをやめてほしい。
☆アーメド・トゥカンくん(7歳):インティファーダが始まってから、僕たちは何回も家を引っ越した。毎週、家が変わるんだ。イスラエル人たちが家に入ってきて、みんなを脅している。
イスラエル人がエルサレムに入ったとき、僕たちはラマラへ逃げた。イスラエル人がラマラに来ると、僕たちはエルサレムへ逃げるんだ。
☆ムスタファ・ムルヘムくん(8歳):僕たちを助けてくれる外国の人たちに、お礼を言います。僕たちは今、すごく困っています。町が占領されました。僕はラマラにいます。僕たちはイスラエルの兵隊に完全に支配されています。町には戦車や軍隊の乗り物がいっぱいです。
死んだ人やけがをした人はかわいそうですが、病院やお医者さんが僕たちを守ってくれると思います。
☆アラ・ジブリンさん(12歳):ラマラの古い、1部屋だけのお家に住んでいます。お家にはバスルームがないので、外のトイレを近所の人たちといっしょに使っています。家からトイレまでは30メートルあります。
トイレに行きたくても、イスラエルの兵隊がじゃまをします。キッチンも家の外にあります。そこへ行くのもじゃまされます。食事の準備もできません。きょうだいは8人います。とても困っています。何がなんだかわかりません。何をしたらいいのかわかりません。
外へ出ると撃たれるかも知れません。それに、兵隊たちは自分のゴミやウンチやおしっこを私たちの家の前に捨てるんです。昨日から電気が停まっています。私たちはイライラしています。気が滅入ってきます。神様や、人間の感情を持っているすべての人々に、助けてほしいとお願いしています。私たちの悪夢を早く終わらせてください。
☆ヤナル・ザイードくん(4歳):泳ぎに行きたい。お家がほしい。窓があって、外が見られるお家がほしい。
☆サラ・アトラッシュさん(5歳):私はママが大好き。
☆ヘバ・ブルカンさん(12歳):平和と安全がほしい。愛情がほしい。私たちに自由をください。
☆アーメド・アトラッシュくん(8歳):とても辛い。退屈だ。パパとママは、裏庭で遊んだらダメって言うんだ。テレビも見せてくれない。ニュースを見るからって言って。
死んだ人たちのことが悲しい。死んだ人の数がふえていくので、よけいに悲しい。だけど、僕は近所の友だちと遊んでいる。僕のたった1つの願いは、イスラエルの兵隊が出て行くこと。それが一番の願いだよ。
☆アラ・ジブリンさん(12歳):私たちが寝ていたら、ガラスが割れる音が聞こえたの。そおっと窓から覗いてみると、イスラエルの兵隊たちが自動車の窓を壊して、レコード・プレーヤーを盗んでいた。兵隊たちは私たちの自動車のガラスを壊したの。
でも、神様のおかげで、レコーダーは盗まれなかった。朝、15人の兵隊が、わめきながら私たちに家に入ってきた。家の中をめちゃめちゃに荒らして、パパを逮捕した。
私たちは家の外にある小さなキッチンに閉じ込められたの。パパはパレスチナの旗を持ってたから、連れて行かれたのだと思う。私たちは兵隊たちが逮捕した男の人たちをひどく殴っているのを見ました。
それってテロリストのやることじゃないの!
☆ミゼル・ジブリンくん(15歳、アラさんの兄):
イスラエルの兵隊は、僕たちが家の外にあるキッチンやトイレへ行くのも邪魔をしました。信じられない状況です。
トイレは家から離れているので、妹はカラのゴミ箱を使っています。僕はそれを拒否して、外のトイレへ行っています。父と母は止めますが、僕が言い張るので、あきらめて、気をつけるようにと言います。
トイレが終わると、兵隊たちが取り囲んで、手を上げるように言います。そのうちの1人が僕を押して、尋問を始めました。「何をしているんだ?
名前は? 歳は?」僕が答えた時、彼らは僕を殴ろうとしました。
そこへ父が「やめろ、やめろ、子供がトイレに行っただけじゃないか」と叫びました。
彼らは僕を放し、僕たちの家に突入しました。彼らは妹たちと弟たちと僕を小さなキッチンへ閉じ込め、家の中のものを壊しました。彼らは父を捕まえ、殴りました。ほかの男の人たちも捕まえられ、殴られました。
そのあと、父やほかの男の人たちの頭にビニール袋をかぶせ、どこかへ連れ去りました。
これが占領というものだということがわかりました。僕はこれを決して忘れません。僕は言います、占領を止めてください。威張るのをやめ、殺すのをやめてください、・・・やめてください!
☆アラヤーン・ザイードくん(9歳):イスラエルの兵隊が若い男の人たちを殺し、子供たちを脅している。パレスチナの兵隊を牢屋に入れて、新聞記者を殺している。
僕たちを助けて、僕たちを守って!
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「パレスチナ子どものキャンペーン」の方から届いたメールを2本、紹介します。
(注:改行を増やしてあります)
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アラファト議長も幽閉され、パレスチナサイドではもはや、事態の収拾に向けたイニシアティブどころか、実効的なコントロールができない状況です。
私もずっと主張していることですが、力と支配の現状からしても、イスラエルの側から、構造的なものを含めて暴力を慎む以外に道はないのです。そしてそれを促すことができる最大の可能性はアメリカです。
しかし、まさにやりたい放題のシャロン政権に、アメリカが本腰を入れて介入しようとはせず、シャロン政権に時間を与え、その間多くのパレスチナ人のいのちと生活が奪われ、暴力と憎悪の拡大がイスラエルの人も国家も危機に陥っています。
私たちとしても、今できることの一つとして、イスラエル側の平和運動を盛り上げていくことがあると思います。ヒステリックな状況の中でともすればかき消されてしまいがちなイスラエルの見識ある指導者の声をお伝えしたいと思います。
パレスチナ子どものキャンペーンのボランティアの人が翻訳してくれました。
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先ごろのブッシュ大統領の演説をどのように見るのかについて、非常に鋭く、見抜いているのが、イスラエルの平和運動に長年かかわり、歴史をつぶさにみてきたウリ・アブネリ氏です。
同氏は、元国会議員であり、20年前のレバノン戦争の時には包囲下のベイルートでPLOアラファト議長と会ったりしています。昨年は、もう一つのノーベル平和賞といわれるRightLivelihood賞を受賞しています。
アブネリ氏は、また、ジャーナリストとして、イスラエルの主要な新聞にしばしば記事を書いています。
日本のマスコミなどが持ち上げている、4月4日のブッシュ演説についての以下の寓話は、演説の本質だけでなく、今後の情勢を占う上でも、非常に示唆に富んででいると思われるので回覧いたします。
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ウリ・アヴネリ 2002年4月6日(土)
「 トム、ディック、そしてハリー」(ブッシュ演説の裏側で)
ジョージ・ブッシュの一番すぐれたスピーチ・ライター3人が、今週木曜日(4月4日)の大統領の演説の草稿を書きあげた。この3人を、さしあたりトム、ハリー、ディック
と呼んでおきましょう。
トムの仕事は、演説がイスラエル寄りのロビー(ユダヤ教とキリスト教両方の原理主義者たち)のご機嫌を損ねないように確認することでした。ディックは
この演説が、大統領のスタイルと知的水準(もっぱら彼が西部劇から得たものですが)に合致するように注意しました。ハリーは国務省出身ですから、なによりアメリカ合州国の利益を守る責任がありました。もちろん、大統領の演説ですから、そのこと(合州国の利益)に触れられている必要がありました。
「大統領は介入するべきだ」とハリーは叫びます。「このビジネス(パレスチナの状況)は我々にとって危険なものになってきている。」
「テロリスト!すべてのテロリストを根こそぎにすることだ!」とディックが叫びました。
「アラブ諸国の政府はパニックに陥っている!」とハリーは答えます。「君には想像もつかんだろう。嵐のようなデモがアラブ世界中で起きている。このままではデモはたちまち収拾がつかなくなってしまう。そうなる前に大統領はシャロンを止めなければ。」
「そんなに誇張するなよ」とトムは主張します。「ことはそれほど深刻じゃないよ。アラブの支配者連中は皆、アメリカの施しもので生きながらえているんじゃないか。彼らにとっては、パレスチナ人に起きていることより、自分たちの金のほうがずっと大事なんだよ。ユダヤ人ロビーが一言うながすだけで、アメリカ議会が彼ら(アラブ指導者)から何億ドルという援助金を取リ上げてしまうことをよく知っているさ!」
「おれたちに味方しないやつらはすべてテロリストだ!」とディックはまた叫んだ。「テロリストは根こそぎにしなくては。連中はおれたちの未来を台無しかねないから。」
「アラブの大衆が本当にたきつけられたら、笑いごとでは済まないぞ」とハリーが懇願するように言いました。「もしイスラム原理主義者が、一つのアラブ政府、たとえばヨルダンを転覆させたら、アメリカにとって友好的なすべてのアラブ首脳が次々と倒れていくぞ。まるで将棋の駒みたいにな。彼らの耳に聞こえのよい
ことだけ言っていればすむ場合ではもうないんだ。シャロンにはっきり止めろと言わなくては。」
「OK。」とトムはため息をつく。「しかし彼にあと2−3日の猶予をやろうよ。もっと言えば1−2週間てとこか。」
「それは調整できるだろう。」とハリーも同意します。「たとえば、大統領はパウエル(国務長官)を中東に派遣する。それまでの間シャロンはやりたいようにやれる。パウエルはすぐには飛び立てない。彼は荷づくりをしなければならない。将軍はとってももったいをつけるやつだから、荷づくりだけで1週間はかかるだろう。イスラエルに着くまでの途中で、彼はあちこちの友人たちに儀礼的な電話をかけるだろうから、それで更に1週間かかってしまう。その間にシャロンは気の済むだけのパレスチナ人を殺しまくればいいさ。」
「それで皆納得だね。」 とトムが締めくくる。「大統領はパレスチナ自治区へのイスラエル軍の進攻を中止するよう呼びかける。でも、”すぐに”とか”たった今”という言い方はしない。それでシャロンは必要とする時間をすべて与えられるから、わがユダヤ人たちも皆満足ってわけだ!」
「とは言え、おれたちはシャロンがアラファトを殺さないことだけは保証しておかねばならん」とハリーは思い出したように言う。「そんなことになったら大変だ。中東中で民衆の蜂起が起きてしまう!」
「テロリスト!」とディックは叫びました。「アラファトこそテロリストだ!彼はテロリズムの道を選んだのだ!彼はパレスチナ人の未来を裏切ったのだ!彼こそ・・・」
「そこがおれたちの難題だ。」とトムがさえぎりました。「シャロンはアラファトを殺したくてしかたがない。彼は個人的に決着をつけたいのだ。彼の将軍、なんて名前だっけ、そうモファズだった、はアラファトをまっすぐ極楽に投げ捨てたいと思っている。」
「なんてこった!」とハリーはうめきました。「それって破局になるぜ!アメリカの大使館は世界中で爆破される。安全に飛べる飛行機もなくなるぜ。」
「そこんとこはなんとか丸く収めらるかもよ。」とトムは粗暴な声で考えたことを言います。「おれたちはジニ(大統領特使)をアラファトに会いに行かせる。その後すぐ、事件が起きる。イスラエル軍はアラファトの事務所(大統領府)にいる”お尋ね者”を捕らえようとする。そこで弾丸が飛び交う。アラファトは偶然の事故で殺される。おれたちアメリカ政府を責めるものはだれもいないさ。」
「まあね。」と言いつつ、ハリーはまだ疑心暗鬼です。「でも(アラファト殺害)への(アラブ大衆の)反応は暴発的になるだろうし、原油の価格も高騰させるに違いない。それは、おれたちアメリカの経済にとっても、ヨーロッパや日本の経済にとっても破壊的なものとなってしまうかも。アメリカ国民は殺されたパレスチナ人のことなどまったく気にもかけないが、1ガロンあたりあと5ドルもガソリンの値が上がったら、ブッシュは次の選挙で負けることになるぜ。」
「テロリズムだ!」とディックは口をはさみます。「原油の価格を上げるってことは、つまり自由世界に対するテロリズムだ!」
「一番大事なのは、大統領がアラファトに対して、ちょっとでもやさしい言葉を言ってはならんということだ。」とトムはけしかけます。「大統領は彼をののしらなければいけない。アラファト一人が、すべての問題の元凶だと大統領は言うべきだ。彼が監禁状態に置かれていることも含めてな。アラファトに甘い言葉は禁物!さもなくば、ユダヤ人が怒り出す。」
「OK。」とハリーは同意する。「だがその代わり、大統領は、アラブ人の尊厳だとか、検問所で(パレスチナ人が受けている)屈辱だとか、アブダラ皇太子の(和平提案の)すばらしさとかについて、うんとリップサービスを振りまいておくべきだな。そうすれば、今の状況にうんざりしているヨーロッパ人を黙らせることもできる。大統領はパレスチナ国家のことや入植地の凍結についても、語るくらいはするべきだな。」
「それには、おれも反対はねえな。」とトムは同意します。「ただし、ブッシュがそのこと(パレスチナ国家建設)を遠い未来のビジョンとして言う限りにおいてな。その間にシャロンは、パレスチナを入植地でいっぱいにしてしまい、パレスチナの指導層を皆殺しにしてしまえるってわけさ。」
ハリーはここでもう一つの事柄に触れます。「シリアのことも忘れちゃいけないぜ。CIA筋からの情報だと、シャロンはシリアに対してものすごい攻撃を準備しているらしいぜ。(シリアをたたく口実を得るために)彼はヒズボラからのほどよい挑発を待っているだけってところさ。」
「それは好都合だ。大統領はシリアに対して厳しい、だが厳し過ぎない程度のことを言っておくだろう。そうすれば、シャロンが本当にシリアをたたいた場合でも、こっちにとってはよいアリバイとなる。」
「テロリスト!」とディックは彼のオハコを言います。「シリア人は皆テロリストだ!
ヒズボラもそうだ!そして、アル・アクサの野郎ども、ハマス、それになんとかという名前の組織もだ!要するにすべてのアラブ人はテロリストってことだ!」
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パレスチナ子どものキャンペーンより、イスラエルの平和団体「グッシュ・シャローム」から来たメールを転送します。
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以下の文は包囲下のアラファト議長府から寄せられた。
これを書いたのは、人間の楯として議長府にいるイスラエル人活動家ネタ・ゴランおよび米国のジャーナリスト、イアン・ウルビナ。国際的介入を強く求めている。
ウルビナの所属するMiddle East Research
and Information Projectによって最初に公表された。
=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=
包囲下のアラファト議長府より、
一イスラエル人の意見、
2002年4月6日、土曜日06:51
PM(GMT)
ネタ・ゴランとイアン・ウルビナより
=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=~=
アラファト議長府に監禁されている国際平和活動家を驚かしているのは、イスラエルの攻撃ではありません。わたしたちがショックを受けているのは、国際社会が動かないということです。イスラエルの狙撃兵と戦車に包囲された弾痕だらけの建物の中では、だれもが一つの疑問を感じています。UNが即時完全撤退を要求する前に、イスラエルはどれほど多くの国際法を破るのでしょう?
長年の紛争をとおし、双方で残虐な行為がおこなわれてきましたが、今回の暴力行為はいまだかつてないほどの数にのぼっています。国際法は入植地建設を厳禁していますが、今年だけで34もの新入植地が建設されました。連帯責任によって集団全体を懲罰するのは違法行為です。しかしイスラエルは現在、パレスチナの都市ラマラへの食糧出荷を妨害するだけでなく、飲料水の供給を完全にストップすることまでやっています。120,000人のラマラ市民の命が危険にさらされているのです。パレスチナ人の発電所、学校、下水設備などの機能を停止するため、すさまじい爆撃がおこなわれています。毎日、非武装の市民が殺されています。
イスラエルの軍隊が病院を襲撃して、救急車やジャーナリストに発砲したという報告も増えています。どれも重大な国際協定違反です。アメリカの新聞記者Anthony
Shadidの経験は、めずらしいものではありません。彼は、イスラエル軍が完全に掌握していた場所で撃たれました。静かで、交差射撃もおこなわれていない場所です。同記者は着衣の背中に標識をつけていましたし、前から見れば公式報道機関の記者であることがわかるようになっていました。議長府でのインタビューを終えて、外に出ていったところでした。記者が病院に到着した直後、イスラエル軍がマシンガンで病院を攻撃してきました。記者は治療のために移送されましたが、彼が乗せられた救急車は、検問所にいたイスラエル兵士に銃撃されたのです。
イスラエルは、国際人道法を定めた第4ジュネーブ条約を愚弄しています。UNがこのような行為を黙認すれば、この地域のみならず世界中での信用は失墜します。
議長府の中にいる人々にはどうあても助けが必要です。もちろん、外での一斉検挙や戸別攻撃と向きあっている人々ほどではありません。建物内部の状況はこれ以上悪くはならないでしょう。とはいっても、医薬品は底をつきました。食糧もじゅうぶんではありません。
海外からの圧力が何よりも重要です。個人的なレベルであってもかまいません。ボイコットをしたり、手紙を書いたりしてください。さまざまな国の人々が集まって占領地全域で作った「人間の楯」のおかげで、イスラエル軍の無差別攻撃を制限することができました。しかしながら、事態を鎮静化させて和平交渉への道を開くのは、イスラエルは1967年当時の境界線まで完全撤退せよという国連による要求です。これが実行されない限り、エルサレムの地位とパレスチナ難民をめぐる話し合いはありえません。最近になって侵攻した土地から軍を引き上げるだけでじゅうぶんなのです。
完全撤退を要求しているのはパレスチナ人と議長府の内部にいる外国人だけではありません。イスラエル軍部の中にも、イスラエル国民が平和と安定を手に入れるにはこの選択しかないとする人々がいます。シャロン首相あての公式の「拒否状」では、数百人ものイスラエル兵士(彼らの多くは実戦を経験しています)が完全撤退に賛同し、西岸地区とガザ地区での軍務にはつきたくないと述べました。
しかしシャロン首相は聞く耳を持っていません。議長府の内部では身の危険を感じることもあり、わたしたちの頭には、国際社会は、とどまることのないイスラエルの不法占領とアラファト議長の追放(暗殺ではないにしても)を認めてしまうのだろうかという疑念が浮かんでくるのです。
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イスラエル人ネタ・ゴランは40名あまりの国際平和活動家とともに包囲された議長府にいる。イアン・ウルビナはワシントンD.C.で発行されている「ミドル・イースト・レポート」誌のアソシエート・エディター。この記事は最初「ミドル・イースト・リサーチ・アンド・インフォーメーション・プロジェクト」(MERIP)に公表された。
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人類は暗黒の中世を抜け出して、明るい近代にたどりついたはずではなかったのか・・・と思います。
日本からもNGOが現地に向かいます。
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プレス・リリース
2002年4月5日
<転載歓迎>
パレスチナ・イスラエルのNGOと共に緊急医療支援活動を実施
パレスチナ情勢は極度に緊迫しています。
イスラエルによる軍事侵攻、自治区占拠によって、パレスチナ人の移動は極端に制限され、戦闘による負傷者や緊急患者の救急車による搬送さえも困難を極めています。
JVCは人道的見地から、傷病者の救急搬送に同伴するため、緊急に日本から医師(井下俊・39歳)および保健婦(藤屋リカ・34歳)を派遣します(4月11日出発予定)。支援活動は、UPMRC(Union
of PalestineMedical Relief Committee), 人権のための医師団(Physicians
for HumanRights)など、パレスチナ、イスラエル、アメリカの各NGOと協力して実施する予定です。一時帰国していたJVCパレスチナ事務所代表の佐藤真紀も同行し、調整および情報収集にあたります。
この活動を通して軍事侵攻の非人道性を訴え、市民からの支援により、イスラエルおよびアメリカの新聞への意見広告掲載を目指します。そして日本政府に対して、人道的な支援と、中立な立場からの解決に向けた努力を提言していきます。
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この活動を支えるため、募金をお願いします
お振込先(郵便局の口座)
00190-9-27495JVC東京事務所
( 通信欄に「パレスチナ医療支援」とお書き添えください)
状況を見て、5月以降の第2次の派遣も検討します。
赴任可能な医師、看護士など医療専門家の方、ご連絡ください。
第1陣の帰国報告会を4月23日(月)午後7時から品川「きゅりあん」で行います。ぜひご参加下さい。
日本国際ボランティアセンター(JVC)は、1992年からパレスチナにスタッフを送って支援プロジェクトを開始し、97年からは子ども図書館を基盤に平和教育を支援しています。活動や団体の詳細は、http://www1.jca.apc.org/jvc/のサイトをご覧ください。
お問い合わせは、下記にてお待ちしております。
日本国際ボランティアセンター(JVC)
東京事務所
TEL: 03-3834-2388
中野/川合 emi0604@jca.apc.org
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昨年12月に『非戦』の出版記念講演会にも、JVCの方が来て下さり、アフガニスタン現地でいっしょに活動なさっているNGOの方のお話を聞くことができました。この講演会の模様は、テキストおよび動画でみていただくことができます。
http://www.sustainabilityforpeace.org/
いま特にパレスチナの情勢が緊迫していますが、数ヶ月前に世界中の注目を集めたアフガンでも、問題や苦境が解決したわけではありません。
[No.621, 626] でご紹介したフォト・ジャーナリストの写真展が開催されます。
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「アフガン難民;"正義と自由の戦い"の犠牲者たち」
「Afganistan Refugees:- Vitims of
"
War for Justice and Freedom "
」
4/23(火)〜5/19(土)正午〜7pm
<月定休>
<http://www.documentaryphotographs.com/>
昨年末、米国の“Veterans for Peace”(平和を考える退役軍人の会)とグローバルピースキャンペーンによってアフガニスタンとパキスタンに派遣されたフォト・ジャーナリストのアラン・ポーグさんの写真に心打たれた人々により、4月23日(火)〜5月19(土)までの4週間、東京・西麻布で会場が提供されることになり、写真展が行われることになりました。
会場ではモノクロ写真を中心に、アートとしても素晴らしい数々の写真をじっくり味わって下さい。室内外に展示、Teaコーナーもあります。持ち帰っていただけるパンフレット(全作品掲載予定)を準備しています。写真展は正午から7時までですが、会場はそのまま8時から通常営業しているBarになり、室内展示に関しましては十分に観賞していただけるので、どうぞ夜の時間帯もごゆっくり。
これを機に、より多くの人にアフガニスタンの様子が伝わり、アラン氏の活動を継続的に支えてゆく日本からのピースアクションを…という志により行われま
す。
........光と影の織り成す真実........
御来場をお待ちしています。
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ここまでで発信しようと思いましたら、「パレスチナ子どものキャンペーン」のかたから、もうひとつメールが届きました。「知ること」、そして、「自分のできることを行動すること」。どうぞ、ご自分にできることで思いを伝えましょう。
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厳しいパレスチナでの状況に対して何が出来るのか、いろいろな方からお問い合わせをいただいております。
キャンペーンおよび、関連した予定について、以下にお知らせいたします。
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1)アラブの人たちのデモのご案内
このひどい状況の中で、イスラエル大使館に向けて、在日のアラブの人たちがデモを予定しています。賛同される方は、ご参加ください。
日時:4月12日(金)午後1:30集合
集合場所:市ヶ谷駅そば、外濠公園(地下鉄A1出口そば)
コースなど: 2:00過ぎに出発してイスラエル大使館のそばを通り
四ッ谷駅近くの公園で解散予定
お問合せ先: 電話03-5414-3636
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2)4月中に大きなデモを予定しています。
なお、パレスチナ子どものキャンペーンでは、他のNGOや宗教者などと共同の取り組みで少し規模の大きなデモ行進(500名以上)を考えています。
実行委員会などを形成して、近日中に具体的な日時等をお知らせできると思います。
是非よろしくお願い致します。
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3)署名活動
いくつかのNGOが呼びかけて署名活動も準備しています。
近日中に呼びかけます。
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4)緊急支援
現地NGOと連絡を取りながら、現状で可能なことを探っています。
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5)イスラエルの平和団体から誰か日本に来て現状について話が出来ないか交渉中です。
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6)現地からのニュース
また、キャンペーンでは出来るだけ早く、多くの方に現地からの生の情報をお知らせしたいと思っています。多くの方のお力で翻訳しながら、進めています。
一昨日にお送りしたジェニンからのSOSの翻訳はキャンペーンのホームページに載っておりますのでご参考になさってください。
なお、これまでにお送りしたものは、4月7日 ジェニン、最悪の事態(英語)
4月8日 ウリ・アブネリ氏の「ブッシュ演説の裏側」(日本語)
包囲下のアラファト議長府から、イスラエル人の呼びかけ(日本語)
今後、ジェニンのその後、ナブルスなどの最新情報をお送りするつもりです。
多くの方にご回覧ください。
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7)翻訳や事務所での作業などのお手伝いをしてくださる方を募集しています。
また、全国各地で、いろいろな活動を進めていただくようお願い致します。
特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン常務理事 大河内秀人
Campaign for the Children of Palestine(CCP)
〒171-0031 東京都豊島区目白3-4-5 アビタメジロ304
Tel:03-3953-1393 Fax:03-3953-1394
Email: ccp@bd.mbn.or,jp
HP: http://plaza17.mbn.or.jp/~CCP
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5月12日、レスター・ブラウン氏の講演会&エコ・ネットワーキングの会を開催。
http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/doc/May12
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『朝2時起きで、なんでもできる!』(サンマーク出版、1300円)
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枝廣淳子さんのHP
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