反占領・平和レポート NO.49 (2006/8/3)
Anti-Occupation Pro-Peace Report No.49

イスラエルは即時無条件停戦に応じよ!
Israel Should Accept Immediate Armistice without Any Condition!
◎“カナの虐殺”糾弾!レバノン、パレスチナでの無差別市民虐殺をやめよ!
◎ブッシュはイスラエルへの政治的・軍事的支援を中止せよ!
◎イスラエル、米国、日本の各政府に抗議の声を挙げよう!
- Denounce "Qana Massacre"! Stop Indiscriminate Carnage of Citizens!
- Bush! Stop Support to Israel Politically and Militarily!
- Let's Protest to Israel, U.S. and Japan governments


大規模化する地上侵攻 レバノン南部の一部を軍事占領下に 

 イスラエル軍は8月2日、レバノンに対する大規模な空爆を再開しました。南部一帯数十カ所に激しい空爆を加え、攻撃を本格化させています。首都ベイルートへの空爆も再開しています。さらに3日には、地上作戦に1万人規模の部隊を投入し、最大規模の軍事作戦を展開、国境地帯から6キロほどの地点まで侵攻し、南部の20を越える村の要衝を占拠しました。いわゆる「安全保障地帯」に相当する地域が再びイスラエルの軍事占領下に置かれたのです。イスラエル政府の方針は、レバノン南部のリタニ側以南まで6〜8キロの帯状地帯を暫定的に占領し、ヒズボラを排除・壊滅し、親米・親イスラエルの「傀儡国際部隊」を待つという、自分勝手の大規模な軍事作戦であると伝えられています。
 イスラエルの戦争マシーンはどこまで侵略的、どこまで残虐で野蛮なのか。私たちはイスラエル軍のこの暴挙を満身の怒りを持って弾劾します。改めて、即時無条件の停戦を要求します。
※Israel launches new airstrikes on Beirut (By RAVI NESSMAN, Associated Press Writer)
http://news.yahoo.com/s/ap/20060803/ap_on_re_mi_ea/lebanon_israel
※イスラエル軍が南部20村占拠か=各地で空爆、ヒズボラは反撃−レバノン(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060804-00000003-jij-int


“カナの虐殺”を正当化 再び始まった計画的市民虐殺 

 もうたくさん。レバノンから入ってくる映像は目を背けるものばかりです。それも、子どもの死体、子どもの負傷が多すぎるのです。カナの避難所で殺された50人以上の犠牲者の6〜7割は何の罪もない子どもたちでした。8月2日、イスラエル軍は、カナの虐殺についての公式の調査結果を公表し、「民間人が住む建物を無人と判断して攻撃した」、ヒズボラが住宅に武器を隠していた、などと白々しい欺瞞と居直りに終始しています。私たちは、あらためてイスラエル軍によるカナの虐殺を戦争犯罪として糾弾します。
 「48時間空爆停止」は、“カナの虐殺”に対する世界からの非難の声の前に余儀なくされたものでした。しかし、もともと空爆停止の約束などイスラエルにとっては存在しなかったのです。イスラエル軍は期限を待たず、1日夜にはレバノン東部や、南部のティール近郊タイベなどへの空爆を開始しています。「48時間」は、地上軍を2倍に増強し、本格的な侵攻の準備をするための態勢建て直しの準備期間にすぎませんでした。
※イスラエル、レバノン・カナ村の攻撃は誤爆との調査報告発表(ロイター)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060803-00000506-reu-int


死者900人 避難民100万人 ますます悪化するレバノンの市民生活

 イスラエル軍は、大規模な空爆で民間施設などへの無差別攻撃を加える一方、国境に近いアイタシャブ、マルンラスなどの村で住宅やモスクを一軒一軒捜索し、「掃討作戦」を展開しています。2日には、「ヒズボラ系」の病院を攻撃しました。しかし、ヒズボラは特に南部地域の教育、医療などの生活関連施設で重要な役割を果たしており、学校や病院、診療所などを多数もっています。イスラエルはそれらの施設を「ヒズボラ系」として、軍事攻撃の対象にしているのです。
※Israel Ready for Massive Invasion (guardian)
http://www.guardian.co.uk/syria/story/0,,1835302,00.html

 レバノンのシニオラ首相は3日、イスラエル軍による攻撃で、これまでに900人以上が死亡し、3000人が負傷したことを明らかにしました。死傷者の3分の1が12歳未満の子どもたちで、人口の4分の1に相当する100万人が避難生活を強いられていると語っています。
※イスラエル攻撃の死者900人超す、100万人避難(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060803-00000016-yom-int

 レバノンでは、イスラエル軍による陸海空の封鎖によって「兵糧攻め」の様相を呈し、発電所の破壊、ガソリンスタンドや商店の破壊、幹線道路の破壊等々で、電力供給や給水がストップし、医薬品や食糧も欠乏し、市民生活は深刻な事態に陥っています。人道団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは3日、イスラエルの人道犯罪を非難する報告書を発表しました。そこでは、軍事目標と民間人を全く区別しない無差別空爆や、生活関連施設の破壊などイスラエルの戦争犯罪を告発しています。イスラエルは、この人道上の犯罪、戦争犯罪を今すぐやめるべきです。
※Human Rights Watch Accuses Israel of War Crimes(commondreams)
http://www.commondreams.org/headlines06/0803-02.htm
※For Israel, innocent civilians are fair game (IHT)
http://www.iht.com/articles/2006/08/03/opinion/edbouck.php

“カナの虐殺”の映像
(残酷な写真があります。ご注意ください。しかし、これが現実です)
米国の反戦サイトInformation Clearing House News Wire より
http://www.informationclearinghouse.info/article14273.htm

レバノン空爆を非難するアニメーション“More Time To Bomb”
(一部残酷な映像があります。ご注意ください)
米国の反戦サイトInformation Clearing House News Wire より
http://www.informationclearinghouse.info/article14258.htm

血に飢えたイスラエル軍 ガザでも殺しまくる

 イスラエル軍の侵攻はレバノンだけではありません。8月3日、戦車約50台でガザ地区南部のラファに侵攻し、8歳の子どもを含むパレスチナ人8人を殺しました。6月28日以来の規模だとされています。しかし、実際には、6月下旬の再侵攻開始以来、ガザは幾度も幾度も攻撃を受け、そのたびに多くの死傷者が出ているのです。レバノン侵攻の下での「隠された戦争」と言われています。
※イスラエルがガザでも軍事作戦、8歳児含む8人死亡(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060803-00000012-yom-int


ブッシュの中東支配の道具としてのイスラエル軍 

 今回のイスラエルの侵攻は、米国の全面支持抜きには不可能です。ブッシュは、イスラエルによるレバノン攻撃開始以来一貫してイスラエルを支持し、即時停戦の動きをぶち壊してきました。7月26日、ローマで行われたレバノン情勢に関する緊急外相会議では、米国の反対で停戦が実現できませんでした。ライスは「一時的停戦ではダメ、持続的停戦でなくてはならない」としてイスラエルのやりたい放題を支持したのです。さらに同日の国連安保理では、米政府はイスラエル非難決議に対して拒否権を発動、国連停戦監視要員4人が空爆・殺害された事件でさえ、米政府の反対で国連安保理議長声明にイスラエル非難を明記できなかったのです。この事件ではイスラエルの国連施設攻撃が146回にも及び、意図的な国連攻撃であったことが明らかになったにもかかわらず、です。

 今回のイスラエルの侵攻は、米国の侵攻でもあります。明らかに米国とイスラエルは役割分担をしているのです。ライス国務長官は、公然と「新しい中東の実現」「産みの苦しみ」「新しい機会」などと、イスラエルの侵攻と市民虐殺を支持し、イスラエルとともに中東支配を推し進めていくことを言明しています。ヒズボラやハマスなどのイスラム原理主義を根絶やしにするまでは、レバノン人民やパレスチナ人民の抵抗闘争を血の弾圧で壊滅させるまでは、暴虐の限りを尽くすと言うのです。ライスの中東外交は、ヒズボラの一方的武装解除、ヒズボラ壊滅後にNATO軍を国境地帯に配置させるというものですが、そんな一方的で傍若無人な振る舞いが許されるはずがありません。米政府は現在、「国際部隊」「多国籍軍部隊」など、米国やイスラエルに都合の良い提案を振りかざして、何が何でも停戦を引き延ばし、ヒズボラ拠点の破壊、レバノン人民の屈服という自国アメリカやイスラエルの野望を実現しようと躍起になっているのです。
※U.S. Insists Cease-Fire Must Await Plan to Disarm Hezbollah(ニューヨークタイムス)
http://www.nytimes.com/2006/08/02/washington/02diplo.html


 それだけではありません。米国の兵器供与はイスラエル軍事力の根幹なのです。実際、今回の侵攻に当たって米政権がイスラエル政府の要請に応じ、欠乏した精密誘導爆弾の緊急供与を行ったのです。イスラエルの兵器のほとんどは米国製であり、現在レバノンに降り注いでいるミサイルや爆弾はアメリカが供給したものです。
 イスラエルのレバノン攻撃は、ブッシュ政権の全面的な支援のもとで行われており、いわば形を変えたアメリカの「対テロ戦争」に他なりません。
※米、イスラエルへ精密誘導爆弾の供与早めると(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200607220010.html

 
孤立化する米=イスラエル枢軸 高まるヒズボラ支持 広がるレバノン人民の抵抗闘争

 しかし、イスラエルのレバノンへの大規模な攻撃と侵略は、ヒズボラの予想外の抵抗と反撃によって目算が狂いはじめています。簡単に壊滅できると踏んでいたヒズボラの抵抗と組織が極めて強固であり、ロケット弾などの反撃によってイスラエル内での被害も拡大してきました。特に、先月27日「ヒズボラの首都」と言われるビントジュベイル村で敗北を喫し、イスラエル軍は撤退を余儀なくされ、戦略の大幅な見直しを迫られました。さらに、先月30日の“カナの大虐殺”は、国際的な非難を巻き起こし、イスラエルの政治的孤立化をますます深めました。イスラエルは、目算違いを帳消しにしようと、より大規模な軍事攻勢によって巻き返しを図っているのです。それだけいっそう軍事行動をエスカレートさせ、歯止めがきかなくなってきています。
※イスラエル軍、ヒズボラの拠点から撤退(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060729i413.htm
※Livni: Qana attack led to turning point in support for Israel
http://libertypost.org/cgi-bin/readart.cgi?ArtNum=152919

 レバノンで抵抗しているのはヒズボラだけではありません。共産主義者、社会主義者、民主主義者なども、民族自決、民族解放のための抵抗闘争に立ち上がっています。レバノン全域で、さらには中東全域でヒズボラへの支持が急速に高まっています。これまで米国やイスラエルに去勢され、言うがままになってきたエジプトやサウジアラビアやヨルダンなど、親米反動政権の間でも、人民大衆の怒りの爆発を恐れるほどまで、反米感情、反イスラエル感情が高まってきています。
 欧米や中東諸国、さらにはイスラエル国内でも、イスラエルのレバノン侵略を非難する抗議行動が拡大しています。


一人でも多くの抗議の声を集中し、イスラエルの侵略をやめさせよう

 圧倒的な米国とイスラエルの軍事的・政治的力を前にして、また止めることができない市民虐殺を前にして、私たちはどうしても無力感に陥りがちです。しかし、あまりにも度を超した暴虐非道に、米=イスラエル枢軸は確実に孤立化しています。
 どんな小さな取り組みでも集まれば大きな流れになります。FAXやメールでも行動することができるのです。今は、一人でも多くの市民が米=イスラエルの侵略に対する抗議の声を上げることが大切です。世界の反戦平和の世論と運動の力で、即時無条件の停戦、一刻も早いイスラエルの撤退を勝ち取りましょう。イスラエルの行動を全面支援するブッシュ政権に抗議を集中しましょう。

 日本政府は、イスラエルの行動を全面的に支え続けるアメリカの立場に同調しています。麻生外相は、2日「自粛は一番大事だ。報復を越えつつある」と発言し、「報復の範囲内の自制ある攻撃」を要求しました。一体どこからが報復を越えているのでしょうか、どこまでが自制なのでしょうか。結局は、米=イスラエルの行動を容認することに他なりません。米=イスラエルの蛮行を黙認する日本政府にも抗議の声を挙げていきましょう。

2006年8月3日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局





抗議先

イスラエル大使館宛
(はがき宛先)
  〒102-0084 東京都千代田区二番町3番地 イスラエル大使館
  エリ・コーヘン様
電話: 代表:03-3264-0911

《担当毎の連絡先》
広報室:03-3264-0561
E-mail: information@tky.mfa.gov.il
FAX:
広報室/文化部 03-3264-0792
経済部 03-3264-0829
武官室:03-3264-0655
領事部:03-3264-0791

Eメール:
information@tky.mfa.gov.il

イスラエル政府宛メール
オルメルト首相         webmaster@pmo.gov.il
首相府スポークスマン     dover@pmo.gov.il


アメリカ大使館宛

(はがき宛先)
  〒107-8420 東京都港区赤坂1丁目10-5 アメリカ大使館

J・トーマス・シーファー様

 E-mail    mail-jpn@pd.state.gov or pressjpn@pd.state.gov
 Tel:03-3224-5000 Fax:03-3505-1862
 WEBサイト投稿ページ: http://japan.usembassy.gov/j/info/tinfoj-email.html

アメリカ政府宛メール
ブッシュ大統領      president@whitehouse.gov
ライス国務長官      secretary@state.gov


日本政府宛

(はがき宛先)
  〒100-0014 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣官邸
  内閣総理大臣 小泉純一郎 様

 または
  〒105-8519 東京都港区芝公園2−11−1 外務省
  外務大臣 麻生太郎 様

 ● 首相官邸 Fax: 03-3581-3883
WEBサイト投稿ページ: http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

 ● 外務省 E-mail: goiken@mofa.go.jp
WEBサイト投稿ページ: http://www2.mofa.go.jp:8080/mofaj/mail/qa.html