反占領・平和レポート NO.15 (2002/05/1)
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4/27テルアビブで1万人の抗議行動−−守勢から反撃へ
再び活性化し始めたイスラエル内の平和運動
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■ パレスチナ自治区を廃墟と化すまでに破壊したイスラエル軍による今回の軍事侵攻は、他面で、イスラエル国内で反動の嵐が吹き荒れるという側面を持っていました。シャロンが軍事侵攻に賭けた一つの大きな理由がここにあります。「テロの基盤を破壊する」という口実のもとでパレスチナ国家の基盤を破壊することと並んで、窮地に陥っていた自分の政権を浮揚させること、この二つが今回の軍事作戦の目的にほかなりません。シャロンは「戦時」を呼号することによって、支持率を60%台にまで急回復させ、労働党の政権離脱も封じ込めたのです。
しかし、一時的な政権浮揚は、いっそう劇的な政権崩壊を準備せずにはおきません。ジェニンの虐殺をはじめとする国際的なイスラエル批判・抗議は、ますます高まりつつあります。そして、ここ数週間の窒息させられそうな状況を耐え抜いて、イスラエル内の反占領平和運動がいっそう先鋭化して息を吹きかえしつつあります。倦むことを知らない運動の先頭にたって闘っている「女性連合」のギラ・スヴィルスキーさんが、4/27のテルアビブ行動をレポートしています。それを以下に翻訳紹介します。
2002年5月1日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
(5月6日訳文一部訂正)
「女性連合」サイト http://www.coalitionofwomen4peace.org/
占領は我々すべてを殺しつつある
0)我々はシャロン政府のために我々の未来を失うことを許しはしない
1)我々はジェニンの犯罪について沈黙しない
2)我々すべてが占領の代価を支払うことになる−−特に弱者と貧者が
3)我々の共通の未来のために我々ユダヤ人とアラブ人は皆立ち上がる
4)恐怖を終わらせ占領を終わらせるために
この流血の悪循環からの政治的出口はある
5)アラブの和平提案に応えよ:完全な領土と完全な和平!
6)1967年国境にもとづく独立パレスチナ国家の樹立!
7)入植値を解体せよ!
8)相互の合意を通じて、難民問題を公正に解決せよ!
シャロンは最悪の悪夢を現実のものにしそうだが...しかしそれを阻止する希望はまだ十分にある
by ギラ・スヴィルスキー
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友人のみなさん、
シャロンは、私たちが想定する最悪の悪夢を現実のものにするのではないかと思われますが、まだけっしてそれを終えたわけではありません。今回のインティファーダが爆発してから、1,700人以上のパレスチナ人と400人以上のイスラエル人が死に、約35,000人のパレスチナ人と4,000人のイスラエル人が負傷しました。これまでにです。イスラエル内でのテロ攻撃は恐ろしいものとなっていますが、それらはシャロンによって「テロの基盤を破壊する」という、はるかに度を超した行為を遂行するために利用されてきました。イスラエル軍は、パレスチナのすべての公共施設の内部を、意図的に破壊しました。あらゆる政府省庁のすべての記録をめちゃくちゃにしたことに加えて、建物ごとすっかり破壊するということはしなかった公共施設−−学校、慈善施設、保健機関、銀行、ラジオ局、テレビ局、人形劇場さえも...−−の内部を破壊したのです。イスラエル戦車がモスクや共同墓地を踏み荒らすことさえした所もありました。イスラエル軍は、「テロの基盤を破壊する」ということで、いったいどれだけのテロリストを新たにつくり出したでしょうか。
イスラエル社会へのダメージが、この悪夢のもう一つの側面です。あからさまな人種主義(パレスチナ人の追放−−数人の閣僚が公言した計画)、子供たちに対して高められた軍国主義(兵士たちに感謝の手紙を書いたり慰問袋を送ったりすることを学校が奨励した)、メディアの意図的なウソ(難民に人道的援助が与えられたというウソ、それが与えられなかった時に)、批判への攻撃(有名な老齢女性歌手に敬意を表する夕べの催しが、彼女が軍務拒否者を支持したという理由でキャンセルされた)、現在行われている外国での抗議をイスラエルに対する反セム族主義として描き出すこと、等々。これらは、たくさんの実例を挙げることができる中で、ほんのわずかな例にすぎません。
あらゆる戦争が暴力的で残虐なものではありますが、今回の戦争は、私がイスラエルに暮らしてきたなかでこれまでにあった戦争(「6日戦争」「Yom
Kippur(1973年の「第4次中東戦争」のことと思われる−−訳者)」「レバノン戦争」)や「第1次」インティファーダのときと比べて、いっそう残虐なものでした。民間人を標的とした、いっそう残忍な攻撃、これまで以上に国際法をバカにしたこと、兵士たちによる略奪の多さ、非戦闘員の財産や持ち物の破壊の大きさ、いっそうの屈辱を与える行為、意図的な隠蔽−−ジャーナリスト、人権活動家、救急・救援組織の接近の拒絶と、国連の調査委員会への反対−−などにおいて、これまでにないものでした。
それが私を恐ろしく心配させます。そしてシャロンは、ガザが次の攻撃リストにあるのかとの問いに「ノー」とは言わなかったのです。
さて、希望を抱かせる方の話に移りましょう。悲観楽観半々というよりは、希望1/4ぐらいという状況かも知れませんが。
平和行進が、昨夜午後7時で呼びかけられていましたが、その時刻までに集まったのは2〜3百人だけでした。でも私は驚きませんでした。というのも、午前中に大規模な平和デモがナザレで行われ、さらに午後には、軍務拒否者たちと支援者たちが第6刑務所での監視・抗議行動をおこなって、占領軍での軍務を拒否したために刑務所内に収監されている勇気ある人々を支援しました。その上にまだ、もうひとつ夜の大きな行進と集会に参加するエネルギーを、誰が持ち合わせていたでしょうか?
10,000 人の人々が、明らかに、そのエネルギーを持っていました。「占領は我々すべてを殺しつつある」と明記した大きな旗に導かれて、ゆっくりとした行進がテルアビブの大通りを進み、とても印象的でした。多くの目立った小隊が行進しました。そして、イスラエル内のパレスチナ人市民が多く参加し、ヘブライ語とアラビア語のスローガンが混在して聞かれました。最もドラマチックな出色のパフォーマンスは、「Kveesa
Shchora(黒い洗濯屋):平和をめざす同性愛者」のものでした。黒衣の上にピンクのスカーフをつけて、お互いを数珠つなぎにして目隠しをし、「メディアは我々の目を見えなくさせている」というプラカードを掲げていました。
群衆はミュジアム・プラザを埋めつくし、演説者は、ユダヤ人、パレスチナ人、女性、男性、次から次へと、占領を終わらせることと公正な和平の交渉をすることを、熱烈にアピールしました。ことのほかドラマチックな瞬間がやってきました。パレスチナ医療救急委員会連盟(UPMRC)の長であるドクター・ムスタファ・バルグーチ氏の声を聞くことになったのです。彼がラマラから携帯電話で語り、それをマイクにつなげたのです。「シャロンは、私たちの家を破壊し、学校を破壊し、店を破壊し、病院を破壊しましたが、公正な和平と、イスラエル国家と手を取り合うパレスチナ国家への、私たちの弱まることのない希望を破壊することには成功しませんでした。」と、彼が感きわまった様子で語ったとき、人々は熱烈な拍手喝采で応えました。レラ・マザリは、女性もまた、次のことを拒否すべきだと宣言して、人々の琴線に触れ感銘を与えました、−−戦争で闘わせるために子供を育てること、軍事国家の中で生きていくこと、軍務につく配偶者または子供を支えること(を拒否すべきだと宣言して)。軍隊が神聖なものである国において、このような冒涜的な考えは、新鮮な空気を吸うような感じをもたらすものです。軍務拒否者のイダン・ランダウは、占領地で軍務することを拒否したことで今現在45人が軍刑務所に収監されていること、それはこの国で前例のない人数だということ、その後にさらに数百人がもし必要なら刑務所に入る覚悟でひかえているということを報告しました。イダンは、またこう述べました。イスラエルのメディアは十分な報道をしていない、もし私たちが軍のやったことの現実を実際に見るならば、「私たちは一瞬たりとも平静ではいられないだろう」と。
それは、反アラブ、反パレスチナ、反ヨーロッパのプロパガンダの、一日中私たちを砕きすりつぶす終わりのないチェーンソー(電動鎖のこぎり)からの小休止の瞬間でした。このチェーンソーの攻撃は、単に政治家からだけではありませんでした。ヘアードレッサーからも、教師からも、トークショーの司会者とゲストからも、タクシードライバーからも(私はここ当分バスに乗っていません)、隣人からも、そして...そう、私の親友の幾人かからも。
私たちは、明日は、それぞれ別々の平和行動にもどります。監視行動、支援物資輸送、検問所監視、取り壊されようとする家屋の防衛(取り壊されてしまうまで)、救援活動、チラシ配り、請願行動、新聞広告、たくさんの個人的な拒否行動−−軍務拒否、問題解決の方法としての暴力の拒否、敵になることの拒否、等々。そして今夜私たちの達成したことが、ただ単に私たちはお互いに一人ではないということを思い出させただけであったとしても、それだけでも重要なことでした。
最後に一言。この地域以外からあなたがたが行う、平和のための困難な活動のすべてに対して深く感謝します。私たちは、それが心からの気づかいからくるものであることを知っています。
共に闘いましょう。We shall overcome.
Shalom(ヘブライ語の平和),Shalaam(アラビア語の平和)
エルサレムより、
ギラ・スヴィルスキー
昨夜の行進と集会を共催した諸組織:
Another Voice in the Galilee; Association
of Arab Students; Balad; Coalition
of Women
for Peace (Bat-Shalom, The Fifth Mother,
Machsom Watch, Neled, New Profile,
Noga,
Tandi, WILPF, Women in Black); Committee
for International Intervention; DuSiach;
Forum Smol; Gush Shalom; HaCampus Lo
Shotek;
Hadash; Israeli Committee Against House
Demolitions;
Kol Ezraheha; Kvisa Sh'hora; Lesbians
and
Gay Men Against the Occupation; Neve
Shalom/Wahat
al-Salam; Ta'al; Ta'ayush; Arab-Jewish
Partnership;
Yesh Gvul; and others.
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