「イラク特措法」衆院通過に抗議する!
自衛隊派兵はイラク市民の殺りくへの加担 ----
------------- この真実を覆い隠すな!


 7月4日、自衛隊をイラクに派兵する「イラク特措法」が与党の賛成多数で衆院を通過した。この法案が国会に上程されてからまだわずか2週間しか経っていない。アメリカの無法な戦争と軍事占領を支援するために自衛隊を戦地に海外派兵するという、戦後を画する重大法案をまともな議論も一切ないまま可決したことに私たちは断固抗議する。

イラクの「ベトナム化」が始まろうとしている

 「国または国に準じるものによる攻撃でなければ戦争ではない」「非戦闘地域に派遣する」「米は劣化ウランを使用したとは言っていない」−−国会ではへりくつと言葉遊びが飛び交っている。しかし現実は違う。バグダッド北部、北西部を中心に、激しい戦闘が行われている。米軍は戦車、ヘリ、重火器を用いて、イラク民衆の抵抗を圧殺、子どもも含めて平然と民間人の殺害を続けている。民衆の反抗が拡大している。民衆の抵抗と反発が強まれば強まるほど、誰が敵か分からなくなり、辺り構わず撃ちまくっている。イラクの「ベトナム化」が始まりつつある。しかも米軍の駐留によって、「人道的危機」−−病院の荒廃、医薬品不足、食糧不足等々が深刻になっている。

自衛隊派兵はイラク市民殺りくに加担するもの

 このような状況のイラクへ自衛隊を派遣することは、米軍の軍事弾圧、民衆虐殺へのあからさまな加担でしかない。自衛隊は米占領軍の武器や燃料、食糧、さらには米兵も輸送する任務に就く。「浄水」「水の供給」も米軍支援のためである。1000人もの自衛隊員を派遣し、巨大な燃料供給基地を設営し、米軍の戦争を支援し続ける。装甲車や対戦車砲のような重火器を持って戦地に駐留し、イラク市民に銃を向けることになる。それを「人道」「復興」の名でカムフラージュしているのだ。「最大の人道支援」は米軍の即時撤退である。

小泉首相はいまだに、「大量破壊兵器保有」を断定した根拠を明らかにしていない
 わたしたちの公開質問状に答えよ


 小泉首相はいまだに、「イラクによる大量破壊兵器保有」を断定した根拠を明らかにしていない。私たちが小泉首相に提出した「公開質問状」にも答えず、回答期限である7月4日に衆院通過を行うなど言語同断である。この問題はアメリカによるイラク戦争の前提であり、イラク戦争支持の前提であり、また「イラク特措法」の前提でもある。絶対にあいまいに出来ない。大量破壊兵器は見つからず、米の国防副長官自身が「口実だった」と認めた。もう明らかなはずである。小泉首相は自らの過ちを認め、戦争支持を撤回し、謝罪すべきである。私たちの公開質問状に答えよ。

憲法違反の「イラク特措法」を参院で廃案に追い込もう

 イラク特措法は、侵略軍として自衛隊を海外派兵することである。憲法第9条で否定された「交戦権」の行使であり、正真正銘の違憲行為である。
 イラク戦争で数千、数万の人々が殺され、クラスター爆弾や、劣化ウラン弾など大量の「非人道兵器」が使われた。放射能障害で多くの子どもたちが苦しむだろう。これから眼をそらすことはできない。イラクの戦闘地域、放射能で汚染された地域に自衛隊を送り込むという法律は必ず大き動揺を生み出すだろう。政府のうそを見抜き徹底して追及し、参院で廃案に追い込もう。

2003年7月4日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局