(10/30街頭配布ビラより)
香田さんを見殺しにするな
自衛隊撤退!
イラクを「危険地帯」に変えたのは米英軍と日本政府だ |
人質事件は自衛隊派兵が引き起こした惨事
27日未明よりイラクで人質になっていた香田さんとみられる遺体が、30日ティクリートで発見されたという情報が報じられています。私たちは、怒りでいっぱいです。私たちは、香田さんの生存の可能性に希望をつなぐとともに、人命を軽視し、人質を見殺しにしようとしている日本政府を徹底して糾弾します。今回の人質事件は、小泉首相のイラク戦争支持と自衛隊派兵が引き起こした惨事です。香田さんを拘束したグループは、自衛隊の撤退を要求しています。ところが、「拘束」発覚直後から小泉首相は「自衛隊は撤退させない」と撤退拒否を打ち出し、打開の糸口を一方的に閉ざし、人質を見殺しにすることを表明しているのです。事件の全責任は小泉政権にあります。政府がすべきことは、自衛隊の撤退を今すぐ表明することです。
イラクを「危険地帯」「戦場」に変えたのは米英軍とそれを支持した日本政府
今回の事件に対しては野党・民主党も、マスコミも驚くほど冷淡です。早々と小泉首相の対応への支持を明らかにしました。そしてあろうことか「なぜイラクにいったのか理解に苦しむ」「旅行者がいけるところではない」などと香田さんが「愚か者」との印象を植え付け、もっぱら「イラクに行った理由」を詮索しているのです。日本の外交政策・戦争加担政策が引き起こしたという批判が全く欠落しています。イラクをそのような「戦場」に変えたのはだれなのでしょう。旅行者はおろか、経験豊かなジャーナリストや欧米の国連職員、そしてNGOのボランティアさえ入ってはいけない、そのような「危険地帯」に変えたのはだれなのでしょうか。他でもない、米英侵略軍とそれを支持し自衛隊を派兵した日本政府です。イラクを「泥沼」に変えた張本人たちが、「行ったやつが悪い」とは言語道断です。
イラクでは10万人が殺された そして今も殺戮が続いている
イラクでは、昨年3月の開戦から占領支配を通じて10万人もの一般市民が殺されたという報告が最近明らかにされました。米英軍は今も激しい攻撃を加え、女性や子どもなど一般市民を殺害し続けています。さらに米軍はファルージャやラマディで新たな大量殺戮をおこなう軍事作戦を発表しています。病院や医療施設は破壊され、水や食料さえ手に入らない、失業率は70%を超える−−これがイラクの現実です。米軍がイラクでやっていることは「復興」や「安定」などではありません。一般市民の住居を襲撃し、破壊し、拘束し、殺害することです。日本人はイラクへの渡航を控えることはできますが、イラクの人々はこの惨状から逃げることはできません。自衛隊派兵もまたこのような米英軍への協力です。
小泉首相は自衛隊をいますぐ撤退させよ
日本と日本人、自衛隊がイラクの侵略国・占領国の一員として標的になっているのは明らかです。イラクには「非戦闘地域」などどこにも存在しません。しかも小泉首相自身がイラク戦争支持を煽ってきた「イラクの大量破壊兵器」は無かったことが明らかになっています。イラクへの自衛隊派兵の前提はことごとくくずれ、自衛隊がイラクに居座る理由など全くないのです。
22日には自衛隊宿営地に信管を抜いたロケット弾の不発弾が撃ち込まれました。次は実弾が撃ち込まれ爆発するのは間違いありません。すでに、イラクで外交官2名、ジャーナリスト2名の貴重な人命が奪われ、5名の日本人が拘束されました。そして今回の事件が起こりました。これまで日本に友好的であったイラクの民衆に敵意や憎悪の感情を急激に増幅させているのです。一刻も猶予はありません。小泉首相は今すぐ自衛隊撤退を表明すべきです。
(2004.10.30 a.m.11:00)
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