[署名事務局アピール] 教育基本法の改悪をとめよう!11.12全国集会に大結集を! ◎タウンミーティングは政府・文科省によってでっち上げられた。「国民的合意」の前提が崩れる
◎やらせ質問と官製動員のタウンミーティングを集中的に追及しよう
(1)最大のヤマ場を迎えた臨時国会の攻防。強行採決を絶対に阻止しよう
教育基本法改悪をめぐる情勢は、正真正銘最大のヤマ場を迎えた。国会前で連続して闘われている反対行動と全国各地で繰り広げられている反対運動は、野党による国会内での徹底追及の論戦と結びつく形で、10月末から11月第一週、11月第二週といわれていた強行採決の危機を回避し、先延ばしさせてきた。11月第三週、すなわち13日から17日の採択をストップさせることが出来れば、教基法改悪を断念させ、今国会で廃案にしていく現実的展望が生まれるだろう。
(2)質問だけではない。タウンミーティングそのものが官製動員による“やらせ”だった
11月10日の教育基本法特別委員会の審議で、更にとんでもないことが明らかになった。八戸の教育改革タウンミーティングで、やらせ発言が問題になってきたが、質問がやらせであっただけではない。タウンミーティングそのもの、全体が官製動員によるやらせだったことが発覚したのである。
※「教育改革タウンミーティング」で「やらせ」発言を組織的に計画 安倍自身が関与。内閣府・文部科学省が教基法「改正」支持の世論をでっち上げ −−政府の不当な介入を禁じた教基法10条違反そのものだ−− (署名事務局)
すなわち、募集定員200名に対して400人を超える人が参加した、一般参加者は186人であった、「関係者で御招待申し上げたのは、279人で」あった(山本大臣官房官房長答弁)等々、地元八戸市、青森市、周辺市町村の教育委員会から、県立学校、地元小中学校、国立大学・高専、、さらにはPTA関係者に至るまで官製動員を徹底して会場を埋めつくし、一般応募者の参加を排除して、参加者から質問者まで一切をサクラで取り仕切っていたのである。質問をした保坂展人議員は、友人の話として5人が応募したが4人がはずれ、参加できたのは1人だったことを明らかにしている。
すでに八戸市の発言者10人のうち6人が文部科学省からの依頼者であったこと、全国8カ所でのタウンミーティングのうちわかっているだけで5カ所でやらせ質問があったこと、その質問文案は、文科省広報室長が直接つくって質問を依頼し発言させさせていたこと、別府市のタウンミーティングでは教育委員会の職員4人が質問したこと等々が暴露されている。こんなものを何回も開いてあたかも教育基本法改正の世論があるかのように演出するのは政府による詐欺に他ならない。
※「民」を偽装した教育関係者の大量動員が判明した(「保坂展人のどこどこ日記」)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/77f6733368b29031fba1d5812ea5fe86
質問に立った保坂氏のブログによると、ある女性が「主婦です」と話し始めた人のところで、ドッと笑いが沸いたという。なぜなら、この「主婦」は先日まで校長であり、その前は市教委の指導主事だったからだ。それがわかるほど「学校長・副校長・事務職員・教育委員会などの関係者が多かった」というのである。
※聴衆の半数は関係者 質問は県職員 タウンミーティング(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/1110/016.html
※タウンミーティングやらせ質問案、文科省元室長が作成(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061111-00000101-yom-pol
(3)「国民的合意を得た」という政府の主張の前提が崩れた
政府はこれまで、教基法改悪の根拠として、「子どもの道徳心・公共心の低下」、「家庭の教育力の低下」、「少年犯罪の凶悪化」を煽り、あるいは一般的な「時代の変化」などを持ち出すことで、だからこそ教基法を変えなければならないと主張してきたが、今回暴露された官製の「質問項目」は、いずれも「教育の原点はやはり家庭教育だと思います」「時代に即して変えていくべきだと思う」「公共の精神、社会の形成者などの視点が必要」等々と政府のプロパガンダそのものなのである。関係者がヤラセ質問を行い、大量に動員された参加者たちが拍手喝采する異常な茶番劇が、「民意」として宣伝されてきたのである。道徳心がないと問題にされるべきは子どもではなく政府と中央官僚ではないか。
伊吹文科相は、同日の答弁で「タウンミーティングで民意の広がりがあるというのは適当ではなかった」と述べ、教基法「改正」法案が民意を得たというこれまでの政府の主張が誤りであったことを認めた。タウンミーティングによって「教育改革」についての国民的な合意形成が行われたというこれまでの政府の宣伝を否定せざるを得なくなったのだ。教育基本法改悪法案が採択されるかどうかの瀬戸際に来て、法案の前提そのものを自ら堀り崩したのである。
もし政府・文部科学省自身が「民意の広がりがあるというのは適当ではなかった」と認めるなら、一から今回の教基法「改正」問題を、時間を掛けて国民的議論に付すのが筋であろう。今臨時国会で何が何でも採決を強行するという、現在の政府与党の方針は撤回すべきである。
しかもそれだけではすまない。今回のヤラセ質問や官製動員は、文部科学省や内閣府が、依頼、質問書作成、動員等に直接的間接的に関与している。早くも文部科学省−教育委員会−内閣府の間で責任の押し付け合いが始まっている。そもそも最初に発案し計画したのは誰なのか。タウンミーティング「やらせ事件」の徹底的な事実の究明、責任者の所在、そして処分などを明らかにすることが先決である。何よりも今回の指揮を取った文科省=内閣府の責任、そして当時の内閣府の責任者である安倍氏自身の責任が徹底して追及されなければならない。
※ <やらせ質問>政府の説明は前提が崩れた 伊吹文科相(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061110-00000053-mai-pol
(4)安倍右翼政権のもとで次々と噴出する矛盾を追及しよう
タウンミーティング問題だけではない。政府、文科省、財界が煽る大学受験偏重主義が生み出した必修逃れ問題、続発するいじめ自殺についてはなんら具体的・本質的な対応は検討されていない。安倍と政府・文部科学省は、具体的問題にふたをして、採決の強行だけを目論んでいる。言語道断。もってのほかである。現に直面している問題こそ、その原因、責任の所在も含めて徹底して検討されなければならない。
さらには「核武装」の議論を扇動し、核武装に道を開こうとする中川発言、麻生発言、笹川発言、慰安婦問題「河野談話」見直しを求める下村発言など、右翼安倍内閣はタガがはずれたように野放図な暴言を繰り返している。民主党ら野党4党は9日、麻生太郎外相の罷免要求を正式に行った。さらに民主党は、不信任決議案提出などを検討しようとしている。
安倍右翼政権が内包する諸矛盾が、政権成立後一ヶ月半も立たないうちに噴出している。これは決して偶然ではない。朝鮮民主主義人民共和国の核実験実施声明に対する強行姿勢を追い風に、政権発足当初は順調に見えた安倍政権は、それが後景に退くに従って急速に求心力を失い始めたのである。与党内からも、次々と難題が突きつけられている。10月15日から1ヶ月近くにわたって「核武装発言」が延々と繰り返されていることは、逆に安倍政権にとって「北朝鮮問題」以外に政権を維持するまともなカードが存在しないことを示している。
これらを不問にしたまま、教基法の強行採決など絶対に許してはならない。
(5)安倍政権の唯一のよりどころ=ブッシュ政権の瓦解の始まりと「対テロ戦争」の破綻
さらに安倍政権が最も頼りとするブッシュ政権の瓦解が始まった。アメリカ中間選挙で、共和党が下院だけでなく上院でも大敗北を喫し、上下院で少数派に転落した。ラムズフェルド国防長官がイラク戦争の責任をとる形で辞任した。ブッシュの敗北をもたらしたのは、イラク戦争の泥沼化と政権の腐敗とスキャンダルであり、イラク人民と米国の人民大衆の力である。イラク戦争での米兵死者が2800人を越え反戦・厭戦機運が高まる中、人々の怒りは腐敗を極めるブッシュ政権そのものに向かった。「対テロ戦争」の遂行をよりどころとして維持されてきた「戦争マシーン」としてのブッシュ政権が、イラク戦争の破綻によつて崩壊が始まろうとしている。
※米中間選挙敗北(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20061109/mng_____kakushin000.shtml
ブッシュの敗北は、日米同盟を最優先し、戦争できる国造りのための国内法整備、米軍基地再編を進める安倍政権に打撃を与えざるをえない。安倍が主張するイラク戦争への支持、イラクへの航空自衛隊の派兵継続、対テロ戦争支援のための「テロ特措法」の根拠が問われなければならない。
※65万人を超えるイラク人が米軍、多国籍軍の侵攻の犠牲に(署名事務局)
(6)すべては運動の力にかかっている。11/12全国集会に参加を
教育基本法改悪法案の採択を許すのかどうかを決するのは運動の力である。国会前では10月19日から実に一ヶ月近くに渡って連日リレーハンストが闘われてきた。日教組も「非常事態宣言」を発し、闘いに合流し始めた。11月8日に行われた「教育基本法『改正』反対11.8 ヒューマンチェーン」では、予想を超える2300人もの人が結集し、衆議院前から参議院前にかけて国会裏の歩道を二重の列をつくった。このような闘いが、タウンミーティング問題のような政府の決定的な失点を政治的焦点へと高めていったのである。
※ 教育基本法「改正」反対 11.8 ヒューマンチェーン 国会前に2300人 (署名事務局)
※教育基本法「改正」反対 国会前抗議行動(署名事務局)
※[投稿] 11月7日教育基本法「改正」反対国会前集会リポート (署名事務局)
特に、ヤラセ質問と官製動員が明らかになったタウンミーティングに対する追及と抗議の声を強めなければならない。これをどれだけ徹底して追及出来るかが、来週の採決に持ち込ませるか、阻止できるかを決める決定的なポイントになるだろう。
今が本当の正念場、踏ん張りどころである。政府・与党に抗議の声を集中しよう。野党議員に激励の声を届けよう。民主党が安易な取引をしないよう、徹底抗戦を呼びかけよう。
教基法改悪反対闘争の最大の結集軸である11月12日全国集会に大結集し、反対の声の大きさを見せつけよう。
2006年11月11日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
○11.12全国集会に大結集を!
□教育基本法の改悪をとめよう!11.12全国集会
日 時:2006年11月12日(日)
13時 開場
15時半 デモパレード出発(銀座へ)
場 所:東京・日比谷野外音楽堂
主 催:教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
詳細はhttp://www.kyokiren.net/_action/1112
○やらせ質問と官製動員のタウンミーティング追及と抗議の声を集中しよう!
□[緊急アクション] 教育基本法の改悪を阻止しよう!
○教育基本法「改正」反対のメッセージを送ろう
○与党議員への要請・抗議メッセージ
○野党議員への要請・激励メッセージ