イージス艦派遣決定の撤回を!
「対イラク参戦新法」に断固反対する!
小泉政権の違憲・違法決定に非難と抗議を集中しよう!
○「対イラク参戦新法」反対!先制攻撃戦略への加担反対。
○インド洋の自衛隊艦船全てを引き揚げよ。
○イラク民衆を大量虐殺する非人道的戦争に参戦するな。
○国際法違反の「石油を奪うための戦争」への参戦を許すな。
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■ 小泉首相は12月4日、遂にイージス艦のインド洋派遣強行を決定しました。今日正式に石破長官が発表しました。8日に対イラク戦争貢献策を要求するため訪日するアーミテージ国務副長官への土産、「忠誠の証」とするためです。後で詳しく述べますが、イージス艦派遣は、なし崩し的な対イラク戦争への参戦そのものです。私たちは、この決定に断固反対します。
決定の仕方自体がメチャクチャです。4日の決定は、小泉首相が石破防衛庁長官と協議して決めたもので、閣議決定ですらありません。「基本計画」の変更も「国会報告」もなし。もちろん国会審議など全くなし。防衛庁長官が定める「実施要項」の護衛艦にイージス艦「こんごう型」(派遣するのは「きりしま」)をただ付け加えるだけです。何と姑息な。与党に相談しても決まらない、あるいは決定が遅れるからか。あるいは公明党を配慮したからか。いずれにしても小泉首相が独断専行で決めたのです。ブッシュの「先制攻撃戦略」に日本の国全体を組み込む重大決定を、何の議論もなしに一片の「事務手続き」だけでやることなど、絶対許せません。
■ 今日12月6日の読売新聞朝刊に次のような記事が載りました。「対イラク戦争参戦新法」策定に急遽取りかかったという記事です。見出しは「戦闘中は難民救済 戦後復興に新法視野 政府、支援策骨格固める」。
この見出しには「戦闘中は給油と臨検も引き受ける」が抜け落ちています。「何でも言いつけて下さい。ご主人様の言うがままにやります。」要するに全面支持ということです。「ブッシュ様、早くイラクを攻めなさい。あとは全部日本が引き受けますから。」これじゃ、戦争を煽っているようなもの。至れり尽くせり、とはこういうことを言うのでしょう。平和的外交的解決をアメリカに要求し、国際法違反のイラク攻撃を断念させるのが日本政府の仕事ではないのか。腹立たしくてなりません。(「対イラク参戦新法」の危険性と批判については続報を準備しています)
※<イラク問題>政府、自衛隊派遣へ新法検討 攻撃後の復興支援で(毎日新聞)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20021206k0000e010052000c.html
※攻撃後、イラク復興支援に新法検討(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/01/20021206it01.htm
※イージス艦派遣「当然のこと」=小泉首相(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021205-00000378-jij-pol
■ 小泉首相は、「参戦新法」を目玉に、取り憑かれたように日本の政治と軍事を更に右旋回させようと突然動き始めました。北朝鮮国交正常化も思惑外れ、不良債権処理も思惑外れ、デフレ対策も思惑外れ、道路公団民営化問題も思惑外れ・・・、政権の行き詰まりと臨時国会の空洞化を、血にまみれた戦争に参加することで乗り切ろうとしているのです。すぐにストップさせねばなりません。
■ 派遣時期は逆算して決められました。12月15日に派遣すれば、来年1月上旬にはインド洋に着きます。まさに1月中旬〜下旬と言われているアメリカの対イラク戦争に間に合わせようとしているのです。
私たちは、イージス艦派遣決定の撤回を断固要求します。もちろん「参戦新法」など絶対許せません。派遣まであとわずかしかありません。今すぐ小泉首相と石破防衛庁長官、そして福田官房長官に非難と抗議を集中しましよう。今年の通常国会で有事法制の強行を跳ね返した反戦平和の市民一人一人の力を総結集し、イージス艦派遣の撤回を勝ち取りましょう。
2002年12月6日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
派遣が目論まれる「こんごう」型イージス艦(海上自衛隊HPより) |
(1)「対イラク戦争参戦新法」を作らせるな。
小泉政権は、またもや「戦争国家作り」に向けて大きく一歩を踏み出しました。国際的にも国内的にも批判や異論が強いブッシュの対イラク戦争への参戦を本格的に検討し始めたのです。今日の各紙朝刊には「対イラク戦争参戦法」のアドバルーンがぶち上げられました。小泉首相は、再び血に飢えたアメリカの戦争に参戦することを政権の最大の課題に据えようとしています。イージス艦派遣決定はその最大の目玉です。
すでにブッシュ政権は世界中の50カ国に対してイラク攻撃への支持・支援の圧力を、得意のカネと脅しでかけまくっています。福田官房長官は先月21日、日本にも要請があったことを明かした上で、具体的な支援内容について協議していると述べました。政府は米国が武力行使に踏み切った場合を想定し、周辺国での大量難民への救済支援、フセイン打倒後の親米傀儡政権による「復興」への協力など、戦争が始まる前から、まるでそれに弾みを付けるような準備をぶち上げているのです。全く許せないことです。
(2)“自衛隊”から“侵略軍”へ−−対米追随の下で海外での戦争遂行の既成事実作り。
今回のイージス艦派遣決定は、言うまでもなくまず第一に、対米関係、対イラク戦争への参戦を最優先させるものです。「アメリカが好き」「アメリカのことなら何でも言うことを聞く」という小泉首相の対米追随の危険性を改めて示すものです。ずるずると国民全体をブッシュの戦争の道に引きずり込む小泉政権にノーを突き付けなければなりません。
しかしもう一つ非常に危険なことがあります。つまり第二に、小泉政権と自衛隊の自国軍国主義のエスカレーション、自国の軍拡衝動を露わにするものだということです。対米追随の振りをしながら、海外での戦争遂行の野望に燃える自衛隊の制服組と日本の軍国主義勢力、保守反動勢力の目論見を実現しようとするものなのです。
昨秋のイージス艦派遣騒動の時も、実は日本の海上自衛隊と自衛隊制服組、首相官邸の超タカ派たちが、‘共同謀議’でアメリカに頼み込み、「イージス艦派遣要請をして欲しい」と打診していた事実が、後に暴露されました。実は彼らは、日本の自衛隊が「専守防衛」「個別自衛権」の“自衛隊”という殻を脱ぎ捨て、海外で米軍と一緒に侵略戦争をどんどんやれるように戦闘能力を積み重ねる“侵略軍”へ格上げしようと目論んでいるのです。今のうちに、この動きを止めなければ将来大変なことになります。軍隊というものは、実戦に参加することで凶暴性を増していくものだからです。
(3)戦争を煽るのではなく、戦争回避、平和的外交的解決を。
今この時期に「イージス艦での参戦決定」を決めた小泉政権の責任は極めて重大です。なぜなら世界中が、戦争回避、平和的外交的解決を必至に追求し努力しているのに、日本だけがブッシュやブレアと一緒になって戦争の地均しに躍起となっているからです。
政府が言い出した「難民支援」や「復興支援」の「新法」は露骨に戦争に参加するものです。そもそも10年以上にわたる過酷な経済制裁や空爆で疲弊し荒廃し尽くした国へ大規模な侵攻をすれば難民が大量に発生し周辺諸国へ流出するのは当たり前です。ならば、なぜ戦争を回避するために全力をあげないのか。なぜ「戦争が始まれば」、「難民が生み出されれば」として、戦争が始まることを期待するかのように、政府やマスコミがこぞって対米戦争協力を煽っているのか。全く危険極まりないことであり無責任なことです。
先の「国連決議1441」は、ブッシュ政権がイラク攻撃を正当化するために圧力をかけて決議されたもので、国連憲章や国際法に違反する疑いが非常に強いものです。それ自身許し難いことです。しかし世界中が、この決議は「自動開戦」やアメリカの武力攻撃を自動的に認めたものではないと主張し、平和的外交的解決を求めています。査察はイラクの国家主権を侵害しイラク民族の尊厳を著しく傷つけているにも関わらず、イラク側の自制で「順調」に進んでいます。そのような段階で対米戦争協力を公然と表明するなどもっての他です。
私たちは小泉政権に要求します。イージス艦派遣決定を即刻撤回し、戦争による解決ではなく平和的解決に向けて、外交政策を根本的に転換するよう要求します。
※「ブッシュの対イラク攻撃準備と国際情勢(]W)
国連安保理決議1441に抗議する−−ブッシュは「強制査察」を開戦の口実にするな」
(4)日本の対イラク戦争への参戦は国連憲章違反、国際法違反。日本は一体如何なる法的根拠でイラクを攻めるのか。
何よりもまず、最初に“ブッシュの対イラク戦争とは何か”を問題にしなければなりません。集団自衛権か個別自衛権かという議論の前に、です。もちろん「難民支援」や「新法」など論外です。日本がイラク攻撃に参戦する法的正当性は、一体どこにあるのか。イラク攻撃が国際法の上で、根拠と正当性を持つのか否かということです。日本の新聞やTV報道を見れば、そこがすっぽり抜け落ちています。
明らかにブッシュのイラク攻撃は国連憲章や国際法に反する正真正銘の“侵略行為”です。なぜか?以下にざっと国際法に照らしてその違法性を見てみましょう。
−−イラクが1万qも遠く離れたアメリカを攻撃し侵略したでしょうか? 否!
−−イラクが今にも米国への攻撃寸前の急迫状況にあるでしょうか? 否!
−−イラクが周辺諸国を侵略したでしょうか?そのことで米国に支援の要請を求めたでしょうか?否!
−−イラクが今にも周辺諸国への攻撃寸前の急迫状況にあるでしょうか?そしてそのことで米国に支援の要請を求めたでしょうか?否!
−−イラクが米国や周辺諸国に脅威になるような「大量破壊兵器」を保有しているでしょうか?否!等々。・・・・・等々。
このようにブッシュのイラク攻撃はどう言いくるめても、アメリカの自衛権行使ではありません。侵略行為です。だから彼らは説明に窮して「悪者」を成敗するには「先制攻撃」しかないと騒ぎ立てているのです。
(5)イラクへの先制攻撃戦争への参戦、「石油略奪戦争」への参戦。
同じことは日本にも言えます。イラクに攻められてもいない、イラクから何の切迫した脅威も受けていない日本が、なぜイラクに攻めるのか。何の根拠も正当性もありません。それはただ「ブッシュ・ドクトリン」=「先制攻撃戦略」に自分を組み込むこと、文字通りの侵略行為の国際犯罪を自らが進んで犯すということなのです。
そしてその本質は、あまりにも露骨なので言うのもはばかる、ずばり「石油を奪うための戦争」なのです。「大量破壊兵器」や「悪の枢軸」も、戦争の本当の理由を隠すための取って付けた口実、屁理屈に過ぎないのです。私たちは、アメリカの対アフガニスタン戦争も、国際法に違反し国連憲章を蹂躙する“侵略行為”だと主張してきました。しかし今回のイラク攻撃ほどあからさまな“石油に飢えた戦争”、ここまで公然と国際法を破壊する“石油のための戦争”を見たことがありません。日本はこんな汚い戦争に絶対参戦してはなりません。
(6)戦争相手も戦争目的も対アフガンから対イラクに変わる−−違憲の「テロ特措法」にさえ違反する二重の違憲・違法行為。
今回の小泉首相の派遣決定は、自らが決めた「テロ特措法」にも違反する違法行為です。なぜか?一言すれば、イラクは「テロリスト」ではないし、イラクとアルカイダとの関係はアメリカですら公式に証明していないからです。
「テロ特措法」の「基本計画」の条文には、どこにもイラク攻撃を認める文言は書かれていません。同法の基本性格を規定する「1.基本方針」にも、「2.協力支援活動の実施に関する事項(1)協力支援活動に関する基本的事項」にも、イラクのイの字もありません。はっきりと規定されているのは9・11の米の同時多発テロへの「テロとの戦い」(要するに“報復攻撃”)です。イラク攻撃への参戦は明らかに違法行為です。
小泉首相は言うでしょう。「いや、アフガン支援だ」と。しかしこれは彼特有のごまかし、問題のすり替えです。「2.協力支援活動の実施に関する事項(2)
協力支援活動の種類及び内容」のうち「ア.補給 艦船による艦船用燃料等の補給」を取り上げて説明しましょう。
考えても見て下さい。一体日本の給油艦はインド洋で何に、何のために給油するのか。ブッシュの戦争相手、戦争目的は変わったのです。アフガンに対する空母からの作戦は終わったはずです。米海軍は戦力を今やペルシャ湾に集中し、アフガン向けにほとんど戦力を割いていません。「テロ特措法」の「対テロ戦争への協力」など、今ではほとんど必要ないのです。現実にはアメリカがイラク戦争の準備に入り、戦力を湾岸方面へシフトさせているのです。もしイラク攻撃となれば、米空母機動部隊は戦闘時にはペルシャ湾へ深く入り大規模空爆を支援し、給油時には危険な戦闘領域を離れてアラビア海やインド洋で補給するはずです。「インド洋」は、こうした戦闘時と給油時の特性をうまくごまかした言葉であり、実際にはイラク攻撃への露骨な参戦なのです。従ってこの部隊を給油支援することは明らかに「テロ特措法」違反なのです。
「給油」以外も全くこれと同じです。おそらく戦争が始まれば「イ.輸送」、つまり艦船による艦船用燃料等の輸送、飛行場施設建設用重機等及び人員の輸送、航空機による人員及び物品の輸送も、全てイラク攻撃目的のものに変わるでしょう。更にはその他業務の「修理及び整備」「医療」「港湾業務」も全てイラク攻撃を目的としたものに変わるでしょう。対アフガン戦争の兵站支援から、対イラク戦争の兵站支援にがらっと変わるのです。
※[注釈]「テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/anpo/kakugi/021119keikaku.html
※ペルシャ湾、アラビア海、インド洋と自衛艦活動の位置関係をよく見てください。
対アフガン攻撃から対イラク攻撃への支援転換が簡単にシフトできることが分かるはずです。
http://www.yomiuri.co.jp/attack/200212/a20021205_03.htm
(7)イージス艦の業務は「不審船」の臨検=イラク攻撃米艦船の防衛と共同反撃行為=憲法違反の武力行使。
私たちがこれまで繰り返し批判してきたように、給油をはじめ兵站活動で対米支援をするということからして、すでに従来の政府解釈にはない集団的自衛権の行使であり、憲法第9条及び憲法前文に違反する違憲行為です。
しかしイージス艦の派遣はもっと違憲性が高い、まさしく第9条に真っ向から敵対する“武力行使”に踏み込むことになります。なのに理由付けは全くメチャクチャ。例えば「日本の補給艦・護衛艦の護衛」という理由はウソです。イージス艦が輸送艦を「防衛」しなければならない「敵」などアフガンには存在しないからです。言うまでもなく隊員の負担軽減(イージス艦には快適な冷房がある!なんじゃこれは?)も付け足しに過ぎません。「データリンク」「一般情報か特殊情報か」云々での「集団自衛権行使」論議も、重要ですが、もっと決定的な事柄が抜け落ちています。
一体何のために米国以外はスペインを除いて日本しか保有していない最新鋭の戦闘艦船イージス艦を出すのか。情報収集力、防空能力、攻撃力で格段に優れるイージス艦を出すのか。もっと本質的な、あり得る危険な現実を議論しなければなりません。これは結論から言えば、インド洋で米海軍が行っている「不審船」の臨検を代位、補完する非常に危険な武力行使の一端を担うためなのです。米軍は「テロ部隊」による自爆ボートを恐れ、それの事前阻止態勢を準備しています。また海上を使った「テロ組織」の移動を恐れています。しかし対イラク戦争でペルシャ湾に軍備を集中させるために、インド洋では余裕がなくなるわけです。インド洋からペルシャ湾にかけての広い海域・空域、海上と上空の防衛を日本のイージス艦に肩代わりさせようと言うのです。イージス艦は米艦船に代わって「不審船」狩りを行い、臨検を行い、あるいは攻撃を行う共同反撃態勢の一部を引き受けようと言うのです。
しかし臨検は、憲法にも一切の国内法にも反する違法行為です。イージス艦の早期警戒システムを通じて発見した目標を自らが攻撃する場合は言うまでもなく、米英に情報を送り代わりに攻撃してもらうにしても、共同戦争行為でしかありません。イージス艦は高度な情報システムでアメリカ軍と全面的につながっているのだから絶えず共同参戦の危険があるのです。ここまで来れば「間接支援」どころではありません。集団自衛権の行使そのものであり、武力行使の一端を担う重大な憲法違反です。
※臨検とは、武力を背景に強制的に船舶検査を行うことで、戦争行為そのものである。(ただし「周辺事態法」で規定されている「船舶検査」は相手の同意を得た場合に限定されている。もし今回米軍の指揮下での強制的な「臨検」に自衛艦が参加すれば、そこから戦争にもエスカレートしかねない非常に危険な行為に踏み込むことになるのである)
臨検とは、武力によって船舶を停船させることを前提に行われる行為なので、武力による威嚇を伴うものであるのみならず、武力行使あるいは対象船舶からの武力反撃を覚悟しなければできない。
国際法ではこう説明されている。
−−「主として戦時に、船舶や航空機(およびその戴貨)を捕獲するにあたって、捕獲理由の有無を確かめるため士官を派遣してその備付書類を検査すること」。
−−「船舶に対する臨検は、交戦国の軍艦・軍用機が公海や交戦国領水で船舶を発見したとき、これに停船を命じたうえで行う」。
−−停船の手段としては、「停戦命令は信号旗や汽笛、または空弾発射をもってするが、必要な場合には船首の前方に実弾を発射する。命令に応じないときは武力をもって強制することができる。
−−「停船したときは、その現場で、船舶に臨検士官(および補助員)を派遣して行うのが原則である」といわれている(国際法学会編「国際法辞典」)。
(8)国民の意見を聞かず国会の審議もなしの独断決定。イラク民衆皆殺しの戦争への参戦を断固拒否しよう。インド洋の自衛艦を即刻引き戻せ。
昨年11月、「テロ特措法」は、広範な国民の反対の声を無視し、衆参両院でわずか10日間という猛スピードで、事実上何の審議もなしに、議会制民主主義を破壊して強行成立させられました。
今回はもっとひどいものです。冒頭で述べたように、小泉首相と石破長官が2人で勝手に決めたのです。憲法違反の軍事行動、共同侵略行為が、閣議決定すらなしに、また国会の審議も経ずに、首相と防衛庁長官のわずか2人の人物だけで決定されるというのは驚くべきやり口です。小泉首相はたった一言「問題ない。」「当然のこと。」石破防衛庁長官は、派遣決定の理由を「高い情報処理能力を活用して補給作業の安全を確保する」と言い、福田官房長官は、「警護目的であれば国会の承認は全く必要ない」と述べました。彼らは、国民を騙し、ウソとごまかしで塗りたくった説明で、戦争への道を大きく踏み出させようとしているのです。
イージス艦派遣を巡る政府内の議論、マスコミの報道には決定的なことが抜け落ちています。すなわち、イラク民衆を何万人、何十万人も殺す、大量虐殺のために派遣するという事実です。「テロ特措法」によって対米協力したアフガニスタン戦争では、残虐兵器が使用され、数千人の罪なき市民が殺され、数万人の兵士が皆殺しにされ、捕虜が虐待され、アメリカの特殊部隊が数々の非道を働きました。そして現在、悪化した治安と荒廃した国土で人々は飢えと貧困で寒い冬の訪れを待つしかないのです。
しかし都市部での激烈な戦争となる対イラク戦争はアフガン戦争とは比較になりません。大規模空爆と市街戦で40万人の犠牲者が出るとも言われています。そのような罪もない一般市民、子どもたち、女性や老人たちを殺しまくり、甚大な犠牲を生む戦争への参戦を、事務手続きだけで平然と進める小泉首相を私たちは断じて許すことができません。
皆さんと一緒に力を合わせて、小泉首相と石破長官に抗議と非難を集中しましょう。それを黙認した政権の閣僚たち、与党に、公明党に抗議の声を突き付けましょう。
○イージス艦派遣決定の撤回を! 対イラク戦争への参戦に断固反対する!
○「対イラク戦争参戦新法」反対!ブッシュの先制攻撃戦略への加担反対。
○イラク民衆を大量虐殺する非人道的戦争に参戦するな。
○国際法違反の「石油を奪うための戦争」への参戦を許すな。
○インド洋の自衛隊艦船全てを引き揚げよ。
抗議先
内閣総理大臣
小泉 純一郎
〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1
衆議院第一議員会館327
TEL. 03-3508-7327
FAX. 03-3502-5666
官邸FAX. 03-3581-3883
首相官邸HP: http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
防衛庁長官
石破 茂
〒100-8982 東京都千代田区永田町2-1-2 衆議院第二議員会館525
TEL. 03-3508-7525
FAX. 03-3502-5174
e-mail: g00505@shugiin.go.jp
内閣官房長官
福田 康夫
〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館611
TEL. 03-3508-7181
FAX. 03-3508-3611
e-mail: g03872@shugiin.go.jp
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