ブッシュの対イラク戦争準備に向けた 露骨なOPCW事務局長解任劇 |
−−対イラク戦争の邪魔になるとして化学兵器禁止機関(OPCW)のホセ・ブスタニ事務局長(ブラジル)を解任させる!−− |
■ 新聞やTVにもあまり報道されず、私たちが知らないところで重大な出来事が起こりました。4月22日、ブッシュ政権が国際機関で好き放題の人事更迭劇を強行したのです。化学兵器禁止機関(OPCW)の事務局長ホセ・ブスタニ氏が、イラクに対してOPCW加盟を働きかけ化学兵器査察を進めようとしていた矢先に米政府の妨害を受けた上、急遽解任されたのです。米紙『クリスチャン・サイエンス・モニター』はこれを「前例のない外交クーデタ」と呼んでいます。イラクがこれに応えて査察に応じれば、フセイン打倒の大義名分がデッチ上げられなくなることを恐れたのです。陰謀と国際機関の公然たる引き回し−−これがアメリカの戦争のやり方なのです。
★「化学兵器禁止機関、米提案で事務局長を解任」2002.04/22ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020423-00000029-reu-int
★「US Diplomatic Might Irks Nations」『Christian Science Monitor』April 24, 2002
http://www.commondreams.org/headlines02/0424-01.htm
■ この危険な動きに日本でも急遽文化人・市民が声を上げ、川口外務大臣に要請状を出しました。
事務局長の解任は強行されてしまいましたが、こんなことは許さないという声を広めていくことが重要だと思います。この事実を多くの人に知らせてください。(4月27日追加)
★「アメリカによる化学兵器禁止機関の乗っ取りを阻止しよう!」
Enviro-News from Junko Edahiro No. 688 (2002.04.21)より
「Chance!」のメーリングリストなどで、賛同人が集められました。
★「OPCW局長不信任阻止を!」
星川淳氏(屋久島環境政策研究所)のメールより
2002年4月26日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動事務局
Enviro-News from Junko Edahiro No. 688 (2002.04.21)より --------------
(以下、転載については枝廣さんに連絡をおねがいします。)
「アメリカによる化学兵器禁止機関の乗っ取りを阻止しよう!」
友へ
瀬戸際にある大変に重要な問題について、ぜひ、ピーター・ガブリエル、アニー・レノックス、ブライアン・イーノ他の多くの文化人とともに、声を上げてください。
この4月21日の日曜日、米国は、化学兵器禁止条約にもとづく「化学兵器禁止機関」(OPCW)の事務局長であるジョゼ・バスターニ(Jose Bustani)氏を、事務局長の座からはずそうとします。
バスターニ氏の“罪”は、自分の仕事をあまりにきちんとやっている、ということにつきます。彼のリーダーシップのもと、英ガーディアン紙の言葉を借りると、「彼の査察官たちは、200万の化学兵器と、世界の化学兵器工場の3分の2の解体を監視してきた。彼はまた、二の足を踏んでいた国々をじょうずに説得したので、この5年間に化学兵器禁止条約の締約国は、87ヶ国から145ヶ国に増えている。近年の多国間条約の中で、これほど伸びているものはない」。
しかし、米国国務省の目からすると、バスターニ氏は目の上のたんこぶなのです。まず、彼は米国を他の締約国と同じように扱おうとしてきました。そして米国は、その宿敵であるイラクと同様、彼の選んだ監察官に満足していません。第二に、彼は査察官を受け入れるようイラクに積極的に働きかけていますが、これは米国主導の第二次湾岸戦争の根拠を弱めることになります。以上のような理由で、国務省はバスターニ氏を退陣させたがっているのです。
今週日曜日の会合で、米国は、バスターニ氏の不信任動議を提出することになっています。不信任の理由を明確に出していないのに。もし英国が米国とともに不信任投票をすることになれば、またひとつ多国間の国際機関が米国政府の傀儡となってしまいます。
川口外相に「バスターニ事務局長を信任し、独立した化学兵器禁止機関を守ってほしい」と訴えて下さい。
●川口外務大臣へ
電話→03-3580-3311
ご意見書き込みページ→http://www2.mofa.go.jp:8080/mofaj/mail/qa.html
メール→goiken@mofa.go.jp
このメッセージをご友人やお知り合いに回して、外相へのメッセージを書いてもらって下さい。時間がギリギリなので、できるだけたくさんの人々にお願いしたいと思います。
重要な国際機関を支援するために、どうぞ今日、行動して下さい。
よろしくお願いいたします。
--Eli Pariser, 9-11peace.org
2002年4月19日
賛同者
(連名で、以下の手紙を川口外相にFAXするとともに、速達で郵送します)
坂本龍一(音楽家)
星川淳(作家)
青山貞一(環境総合研究所所長)
宮内勝典(作家・早稲田大学客員教授)
田中優(日本国際ボランティアセンター理事)
枝廣淳子(会議通訳者・環境ジャーナリスト)
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そして、ブライアン・イーノが書き、他の多くの文化人も署名した「サンプル・レター」がありましたので、これを和訳しました。(環境英語MLのボランティアメンバーの方、緊急にも関わらずご協力ありがとうございました!)
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(翻訳:枝廣淳子)
親愛なる川口外相
非常に重大で緊急を要する問題について、ご一考下さいますようお願い致します。
「化学兵器禁止機関」(OPCW)の事務局長であるジョゼ・バスターニ(JoseBustani)氏が、事務局長の座からはずされようとしています。これは、イラクを攻撃するうえでの邪魔を取り除くこうとする米国の働きかけによるものです。米国が、その働きかけどおりに、バスターニ氏解任に成功すると、一方的外交が勝利を収めることになり、多国間協力の原則は手痛い打撃を受けることになります。そして、それだけでなく、世界が第二次湾岸戦争へ一歩近づくことになるのです。
米国はこれまでに幾度となく、国際条約から離脱したり、多国間機関を骨抜きにしたり無視しようとしてきました。いうまでもなく、今回の動きもそのひとつに過ぎません。ここ数年、だれもが、“例外論者・米国”の様子を見てきました。
米国は、京都議定書の批准を拒否し、国際刑事裁判所を創設する法規を踏みにじりました。生物兵器禁止条約を強化する体制を作ろうという交渉の締結に反対し、弾道弾迎撃ミサイル制限条約を破棄する意向を表明しました。
最近では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長に対して「信頼を失った」ということですが、それは偶然にも、米国のエネルギー業界の代表者と協議した後のことでした。
そして、国連特別委員会(UNSCOM)が失敗した(主な原因は米国が情報収集手段として使っていたため)後、UNSCOMに代えて作られた国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の委員長であるハンス・ブリックス(Hans Blix)氏の業績をCIAが調査していたとの報告があります。
今回の問題がこれまでと異なるのは、その結果によって左右されるものがずっと大きく、明白である、ということです。OPCWは あらゆる種類の大量殺戮兵器の完全撤廃を検証するための初めての地球規模の機関です。
米国は、過去5年間にイラン、スーダン、リビア、サウジアラビアなどの“ならずもの国家”をこの多国間軍縮体制にうまく引き込んできた事務局長を引きずり下ろそうと意を固めているのです。できるだけ多くの国に多国間軍縮体制に加わってもらうことがバスターニ氏の任務ですから、氏はイラクに対してもずっと交渉の窓口を用意してきました。
イラク攻撃(心理的攻撃および軍事攻撃)の準備を進めるブッシュ政権にとっては、このような交渉は大変都合が悪いのです。バスターニ氏解任は、事実上、イラクと平和的な解決を図ろうという最後の道を閉ざすことになります。
OPCWの独立性も危機にさらされています。とともに、他の国際機関の独立性も危ぶまれています。国際機関のスタッフや事務局長は、経済的にまた別な面で十分に力を有する締結国が不満を持てば、簡単にその役から引きずり下ろされることになるでしょう。
バスターニ氏は、「自分が仕えているのは健全なる締約国会議である」と繰り返し述べ、他の締約国を差別せよという米国の指示に従うことを何度も拒否してきました。このことから、米国国務省にとってバスターニ氏は厄介者となり、ブッシュ政権は何としても氏を解任しようとしているのです。
米国は、バスターニ氏不信任を正当化するために、根拠のない主張をしています。
その証拠を提示するように求められるたびに、それどころか、正式な調査をするよう求められても、米国はその要請を退けています。また、不信任動議の要請を裏付けるいかなる書類も、締結国会議に提出していません。
バスターニ氏を解任する実質的な理由が不足しているので、米国は氏を中傷する報道を行うという手段に出ました。そして、解任運動への駄目押しとして、米国はOPCWへの資金拠出を打ち切ると脅しをかけています。こうなるとOPCWは22パーセントもの資金を失うこととなり、確実にその機能は低下してしまいます。
日本の声を米国政府に届けることによって、日本はイラク問題を武力によらず多国間交渉で解決する道を開いておくことができます。さらに重要なことですが、今回の米国の画策が失敗すれば、第二次世界大戦後これほどの配慮と献身で築き上げてきた多国間協力による国際システムのさらなる低下に、歯止めをかけることになるでしょう。
4月21日(日)に開催されるOPCWの臨時会合において、道義、良識、そして国際正義が必ずや勝利を収めるよう、リーダーシップを発揮されることを強くお願いします。
敬具
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星川さんに確認してもらった後(「非戦」を作っていた頃を思い出します)、賛同者の名前を連ねて、川口外相にメールおよび郵送で送ります。本来なら最終版をお送りするべきですが、時間的制約により、確認前の翻訳で送ります。細かい表現は修正の可能性がありますが、内容は変わりません。
賛同者に名を連ねることを希望される方は、「お名前(ご所属)」を、私までお送り下さい。このメールへの返信メールでけっこうです。ご所属は「主婦」「無職」「なし」など何でもけっこうです。
今日の夕方には速達で出しますので、一次〆切は本日21日正午、最終〆切は本日21日午後3時とします。〆切前にいただいた方のお名前を、私たちの名前といっしょに並べさせていただきます。
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枝廣淳子さんのHP
http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/news/peace/
http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/news/ (環境メールニュース)
http://www.ne.jp/asahi/home/enviro/ (トップページ)
星川淳氏(屋久島環境政策研究所)のメール(4/20)より -------------------
(以下、転載については星川さんに連絡をおねがいします。)
OPCW局長不信任阻止を!
星川@屋久島よりBCC転送
まいどお騒がせします。
ブッシュ政権が戦時体制を無理やり継続・拡大するためにいろいろ画策しているせいで、対応するほうも忙しいですね。
下記、とても重要な呼びかけです!
OPCWは化学兵器禁止条約にもとづく「化学兵器禁止機関」(在ハーグ)
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/cwc/100joyaku/110opcw.htm
OPCWの局長(呼称は未確認)として非常に優れた仕事ぶりをしてきたJose Bustani(ジョゼ・バスターニ? この読みも未確認)をアメリカが辞任させようとして、21日に不信任決議案を提出する予定なので、各国外務大臣(日本は川口さん)に「アメリカに追従しないで信任すべし」と圧力をかけようという国際アピール。ブライアン・イーノやピーター・ガブリエルの名前も見えます。
バスターニさんは、イラクにもきちんと査察を働きかけているのでアメリカが攻撃する根拠を弱めるし、アメリカを世界のほかの国と平等に扱ってきちんと査察しようとするので米政権はおもしろくないらしい(査察官を拒んでるそうです)。
●川口外務大臣へ
電話→3-3580-3311(月曜日で間に合うのか??)
ご意見書き込みページ→http://www2.mofa.go.jp:8080/mofaj/mail/qa.html
下記には英語版のサンプルレターと英ガーディアン紙の関連記事があります。
(日本語サンプルレターをつくったり、川口外相のファクスを調べたりできる方
はどうぞお願いします。あとは時間もないので自由にやってください。)
Date: 19 Apr 2002 14:06:49 -0000
Subject: Urgent: Join cultural leaders to stop US "coup d'etat"
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Dear Friend,
Please join Peter Gabriel, Annie Lennox, Thom Yorke of Radiohead, Brian Eno, and many other cultural figures in speaking up on an important, last-minute issue.
This Sunday, April 21, the United States will seek to remove Jose Bustani, the head of the Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW), from his post. Bustani's crime is essentially that he was too good at his job. Under his lead, according to the Guardian article copied below, "His inspectors have overseen the destruction of 2 million chemical weapons and two-thirds of the world's chemical weapon facilities. He has so successfully cajoled reluctant nations that the number of signatories to the convention has risen from 87 to 145 in the past five years: the fastest growth rate of any multilateral body in recent times."
But in the eyes of the US State Department, Bustani has been a nuisance. First, he's attempted to treat the US like any other signatory to the body, and the US, not unlike its enemy Iraq, is unsatisfied with the inspectors he's chosen. Second, he's actively working with Iraq to encourage it to accept inspectors, which would undercut support for a second US-led Gulf War. For these reasons, the State Department wants him deposed.
In a meeting this Sunday, the US will propose a vote of no confidence in Bustani, even though it hasn't specified the exact nature of his failings. If the UK votes with the US, yet another international, multilateral organisation will essentially become a proxy of the US government.
Please contact Minister for Foreign Affairs Yoriko Kawaguchi and urge her to "support Director-General Bustani and an independent Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons."
Just call:
+81 (0) 3-3580-3311
Then pass this message on to your friends and colleagues and urge them to write. Since the timing is so close, we need to get as many people involved as possible. And please send us a message at opcw@9-11peace.org so that we can keep track of how many contacts have been made.
A sample letter, drafted by Brian Eno and co-signed by many other cultural figures is copied below, as is an article by George Monbiot more fully explaining the situation.
Please act today to support an important international institution.
Sincerely,
--Eli Pariser, 9-11peace.org
April 19, 2002
SAMPLE LETTER
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Dear Minister of Foreign Affairs Kawaguchi,
We are writing to draw your attention to the very serious and urgent matter of the impending removal of the Director-General of the Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW), Jose Bustani, from his post. This follows a campaign led by the United States which is ultimately aimed at further clearing the way for an attack on Iraq. If the United States succeeds in its campaign for Bustani's removal, it will not only be a victory for unilateralism and a blow to the principles of multilateral
cooperation, but it will also mean that the world will be brought one step closer to a second Gulf War.
Admittedly, this is only the latest in a series of attempts by the United States to disengage from, undermine and override international legal instruments and multilateral institutions. We have all witnessed the US's exceptionalism in recent years. It has refused to ratify the Kyoto Protocol, and torpedoed the statute creating the International Criminal Court. It has opposed the completion of negotiations to create a regime strengthening the Biological Weapons Convention, and indicated its intention to abandon the Anti-Ballistic Missile Treaty. More recently it has "lost confidence" in the head of the International Panel on Climate Change, coincidentally following a consultation with US energy industry representatives. And after the failure of UNSCOM (largely the result of its use by the United States as an intelligence-gathering instrument), there are now reports that the CIA has been investigating the performance of Hans Blix, head of UNMOVIC, UNSCOM's successor.
The difference this time is that the stakes are higher, and more evident. The OPCW is the first ever global regime designed to verify the complete abolition of an entire category of weapons of mass destruction. The Bush administration is determined to remove the man who, over the last five years, successfully brought such alleged rogues as Iran, Sudan, Libya and Saudi Arabia into this multilateral disarmament regime. Bustani's mandate requires him to bring as many member states as he can into this regime, and for this reason he has consistently kept negotiations open with Iraq. In light of the Bush administration's preparations (both psychological and military) for an attack on Iraq, these negotiations are seen as highly inconvenient. The removal of Bustani would effectively mean the closing of one of the last peaceful routes to dealing with Iraq.
Also at stake is the independence of the OPCW, and with it the independence of all other international organisations. Their staff and directors will become vulnerable to removal by a dissatisfied member state, as long as that member state is sufficiently powerful, financially or otherwise. Bustani has repeatedly refused to act on the instructions of the United States in discrimination against other member states, stating over and over that his employers are the integrity of the Conference of States Parties. This has made him a thorn in the side of the US State Department, which Bush and his team are now determined to remove. The US has made unsubstantiated allegations to justify its motion of no-confidence, and has declined on every occasion to provide the evidence, or even to conduct a formal inquiry. Nor has it submitted any document to the Conference of States Parties to support its request for a no-confidence motion. Given the lack of substantive motives for Bustani's removal, the United States has resorted to character assassination in the press. And in order to ensure the success of its campaign, the United States has threatened to withdraw its funding of the organisation, which would leave the OPCW 22% worse off, and effectively crippled.
By making its voice heard in Washington, Japan would be keeping open a peaceful and multilateral route to a resolution in Iraq. More importantly, a defeat of the United States' motion would put a stop to the further deterioration of the international system of multilateral cooperation that has been built with such care and commitment since the end of the Second World War.
We urge you to take the lead at the Special Session of the OPCW which opens on Sunday 21 April, and to ensure that morality, good sense and international justice prevail.
Sincerely,
[Your Name]
[Your Address]
[Your Phone Number]
FROM THE GUARDIAN
Tuesday April 16, 2002
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4394862,00.html
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Chemical coup d'etat
The US wants to depose the diplomat who could take away its pretext for war with Iraq George Monbiot
On Sunday, the US government will launch an international coup. It has been planned for a month. It will be executed quietly, and most of us won't know what is happening until it's too late. It is seeking to overthrow 60 years of multilateralism in favour of a global regime built on force.
The coup begins with its attempt, in five days' time, to unseat the man in charge of ridding the world of chemical weapons. If it succeeds, this will be the first time that the head of a multilateral agency will have been deposed in this manner. Every other international body will then become vulnerable to attack. The coup will also shut down the peaceful options for dealing with the chemical weapons Iraq may possess, helping to ensure that war then becomes the only means of destroying them.
The Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) enforces the chemical weapons convention. It inspects labs and factories and arsenals and oversees the destruction of the weapons they contain. Its director-general is a workaholic Brazilian diplomat called Jose Bustani. He has, arguably, done more in the past five years to promote world peace than anyone else on earth. His inspectors have overseen the destruction of 2 million chemical weapons and two-thirds of the world's chemical weapon facilities. He has so successfully cajoled reluctant nations that the number of signatories to the convention has risen from 87 to 145 in the past five years: the fastest growth rate of any multilateral body in recent times.
In May 2000, as a tribute to his extraordinary record, Bustani was re-elected unanimously by the member states for a second five-year term, even though he had yet to complete his first one. Last year Colin Powell wrote to him to thank him for his "very impressive" work. But now everything has changed. The man celebrated for his achievements has been denounced as an enemy of the people.
In January, with no prior warning or explanation, the US state department asked the Brazilian government to recall him, on the grounds that it did not like his "management style". This request directly contravenes the chemical weapons convention, which states "the director-general ... shall not seek or receive instructions from any government". Brazil refused. In March the US government accused Bustani of "financial mismanagement", "demoralisation" of his staff, "bias" and "ill-considered initiatives". It warned that if he wanted to avoid damage to his reputation, he must resign.
Again, the US was trampling the convention, which insists that member states shall "not seek to influence" the staff. He refused to go. On March 19 the US proposed a vote of no confidence in Bustani. It lost. So it then did something unprecedented in the history of multi lateral diplomacy. It called a "special session" of the member states to oust him. The session begins on Sunday. And this time the US is likely to get what it wants.
Since losing the vote last month, the United States, which is supposed to be the organisation's biggest donor, has been twisting the arms of weaker nations, refusing to pay its dues unless they support it, with the result that the OPCW could go under. Last week Bustani told me, "the Europeans are so afraid that the US will abandon the convention that they are prepared to sacrifice my post to keep it on board". His last hope is that the United Kingdom, whose record of support for the organisation has so far been exemplary, will make a stand. The meeting on Sunday will present Tony Blair's government with one of the clearest choices it has yet faced between multilateralism and the "special relationship".
The US has not sought to substantiate the charges it has made against Bustani. The OPCW is certainly suffering from a financial crisis, but that is largely because the US unilaterally capped its budget and then failed to pay what it owed. The organisation's accounts have just been audited and found to be perfectly sound. Staff morale is higher than any organisation as underfunded as the OPCW could reasonably expect. Bustani's real crimes are contained in the last two charges, of "bias" and "ill-considered initiatives".
The charge of bias arises precisely because the OPCW is not biased. It has sought to examine facilities in the United States with the same rigour with which it examines facilities anywhere else. But, just like Iraq, the US has refused to accept weapons inspectors from countries it regards as hostile to its interests, and has told those who have been allowed in which parts of a site they may and may not inspect. It has also passed special legislation permitting the president to block unannounced inspections, and banning inspectors from removing samples of its chemicals.
"Ill-considered initiatives" is code for the attempts Bustani has made, in line with his mandate, to persuade Saddam Hussein to sign the chemical weapons convention. If Iraq agrees, it will then be subject to the same inspections - both routine and unannounced - as any other member state (with the exception, of course, of the United States). Bustani has so far been unsuccessful, but only because, he believes, he has not yet received the backing of the UN security council, with the result that Saddam knows he would have little to gain from signing.
Bustani has suggested that if the security council were to support the OPCW's bid to persuade Iraq to sign, this would provide the US with an alternative to war. It is hard to see why Saddam Hussein would accept weapons inspectors from Unmovic - the organisation backed by the security council - after its predecessor, Unscom, was found to be stuffed with spies planted by the US government. It is much easier to see why he might accept inspectors from an organisation which has remained scrupulously even-handed. Indeed, when Unscom was thrown out of Iraq in 1998, the OPCW was allowed in to complete the destruction of the weapons it had found. Bustani has to go because he has proposed the solution to a problem the US does not want solved.
"What the Americans are doing," Bustani says, "is a coup d'etat. They are using brute force to amend the convention and unseat the director-general." As the chemical weapons convention has no provisions permitting these measures, the US is simply ripping up the rules. If it wins, then the OPCW, like Unscom, will be fatally compromised. Success for the United States on Sunday would threaten the independence of every multilateral body.
This is, then, one of those rare occasions on which our government could make a massive difference to the way the world is run. It could choose to support its closest ally, wrecking multilateralism and shutting down the alternatives to war. Or it could defy the United States in defence of world peace and international law. It will take that principled stand only if we, the people from whom it draws its power, make so much noise that it must listen. We have five days in which to stop the US from bullying its way to war.
www.monbiot.com
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This is a message from the 9-11peace campaign of MoveOn.org