ブッシュの「最後通告」を糾弾する!
国際法を踏みにじる無法者の戦争
小泉首相は「支持表明」を撤回せよ!
小泉政権に抗議を集中しよう!
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(1) 国連と国際社会から孤立した挙句のブッシュの暴走
ブッシュ大統領は17日午後8時(日本時間18日午前10時)、テレビ演説で48時間以内にフセイン大統領らが亡命しない限り武力行使に踏み切るとする「最後通告」を突きつけた。日本時間20日午前10時15分以後は、いつでもイラク攻撃が始まりうる事態になった。私たちは全力を挙げてやれるだけの抗議行動を精一杯尽くしたい。
圧倒的な戦力的優位、圧倒的な国力・経済力の優位を持つブッシュとブレアの血に飢えた軍隊が襲いかかれば想像を絶する多大な犠牲者が出ることは確実である。何の罪もない無防備の2200万人のイラクの民衆、無邪気で幼気な1200万人のイラクの子どもたちを皆殺しにする大虐殺戦争になることは確実である。私たちは、ただ石油強奪と戦争特需が欲しいだけの、そして世界全体を自らの言うがままに隷属させたいだけの、この侵略戦争に対して満身の怒りを込めて糾弾する。
(2) ウソに塗りたくられた「最後通告」。
ブッシュの演説は何も知らない人、ただブッシュに従う人にだけ通用するウソばかりのものだ。
○ウソその1:イラクは大量破壊兵器を持っている。
幾度も行われた国連の査察報告で、「証拠がある」と豪語したパウエルの証拠はことごとくウソであったことが、UNMOVICのブリクス委員長やIAEAのエルバラダイ事務局長から非難されたばかりである。
○ウソその2:国連査察は失敗した。
これこそ全くのウソである。国連査察が進展しているからこそ、フランスやロシアや中国などの常任理事国だけではなく非常任理事国も「査察継続」を強く求めたのである。
○ウソその3:イラクの武装解除について平和的解決に努力してきた。
まさにうまく進んでいる今回の「国連査察」を妨害するのがこの「最後通告」ではないのか。よくも平気で言えるものである。それだけではない。1998年に国連査察を妨害し中断に追い込んだのもアメリカであった。国連査察が進展し、大量破壊兵器がないと分かれば、「経済制裁」を解除しなければならなくなるからだ。今や有名になった当時のUNSCOMの現場リーダーであるスコット・リッター氏が暴露したように、アメリカは査察を妨害させ空爆しやすいように口実を作れと命令したという。(当時命令する側にあったバトラーUNSCOM委員長が今回のイラク攻撃に批判的なのは皮肉なことだ)
○ウソその4:安保理の一部の国が拒否権の行使を表明、安保理の責任を全うしないから我々がその責任を果たす。
こんな屁理屈が通るわけがない。ブッシュやブレアの戦争中毒を拒否したのは一部じゃない。米英とスペイン、日本など誇りも何もない金魚の糞のような「属国」だけである。安保理の過半数、圧倒的多数の安保理理事国、圧倒的多数の国連加盟国が、戦争に反対しているのだ。孤立しているのはフランスではなく米英の方である。
○ウソその5:法的根拠は国連安保理決議1441、678、687である。
1441は開戦を認めた決議ではない。だから米英は新決議をわざわざ可決しようとしたのではないか。もし1441でOKなら、新決議など最初から必要ないはずだ。678、687はどうか。これは12年前の湾岸戦争と開戦と終結に関するもので、イラクのクウェート侵攻に対する懲罰として決議されたものである。今回のイラクに対する米英の侵略を正当化する根拠にはならない。全く異なる問題をすり替えているのだ。
○ウソその6:イラクが開発した核兵器がテロリストにわたりアメリカの国家安全保障に脅威だ。
IAEAが米政府の言い分「イラクが核兵器を開発している。持っている」は根拠がないと批判したことはすでに述べた。パウエルはイラク北部でフセインがアルカイダを養っていると言ったが、ウソであることが判明した。
○ウソその7:イラクが攻める前に攻める。
ブッシュ演説ではっきりしたのは、「先制攻撃」という名の侵略行為を、初めて国際社会全体に押し付けようとしていることである。核兵器保有というウソとアルカイダとの結び付きというウソを結び付けて、イラクがアメリカに攻めてくる、だから攻められる前に、先に攻めるのだ。そんな暴論である。こんな理屈が通れば、世界はアメリカの好き放題になってしまう。
○ウソその8:イラク国民の解放のため。
何十万人、何百万人の犠牲者を出して何が「解放」か。聞いてあきれる。ブッシュを批判する女性記者は言い放った。「死者に自由はあるのか?」と。それだけではない。これは明らかな民族自決権の蹂躙である。他国が他国特有の手続きで選んだ国家元首を勝手にすげ替えるなど、「帝国主義と植民地主義の時代」への復古である。
ブッシュ演説のウソ八百を数え上げればきりがない。こんなデタラメな「最後通告」など、これまでの歴代米政権でもなかったのではないか。
(3) 真の狙いは、石油強奪=戦争特需=世界覇権の三位一体
最後に大ウソがある。それはブッシュ演説に書かれていないことである。しかしこの書かれていないことこそが最も重要なこと、イラク攻撃の真の狙い、真の理由なのである。あまりにも露骨だから言えないのだ。それは石油強奪と戦争特需、そして「世界覇権」である。新しい「アメリカ帝国」の構築である。国連やEUや国際社会全体の上に立つ「帝国の中の帝国」の形成である。こんな事を許したら、世界は無法状態、無法地帯になるだろう。アメリカが気にくわなければ全てを叩き潰す、アメリカが欲しいものは武力で手に入れる、そんな野蛮な世界である。
(4) 平和憲法を踏みにじる小泉首相の「支持」
こんなウソとデタラメ、国際法にことごとく違反したブッシュの「最後通告」、イラク攻撃を、小泉首相は無条件に「支持」した。私たちは、対米追随のこの「支持表明」を糾弾する。直ちに撤回するよう要求する。
小泉首相の「支持」には何の法的根拠もない。すでに上で述べたように、安保理決議1441、678、687は根拠にならない。国際法違反なのだ。しかも平和憲法に真っ向から違反する。−−一切の法的根拠の欠如。これこそが小泉の最大の弱点である。最後は「日米同盟だから仕方がない」「米から離れて生きてゆけない」など。惨めで情けないではないか。
今こそ、国際社会から徹底的に孤立した米英イラク攻撃を拒否することで、「日米同盟」の危険なエスカレーションに歯止めを掛ける時だ。国際的な無法地帯を作り出す根拠になろうとする「日米軍事同盟」から離脱する生き方を探るべき時である。
イギリスの反戦平和運動は議会の内外から、ブレア首相の暴走に抗議と非難を集中している。私たち日本でも、小泉首相に、首相官邸と国会に、反戦平和の持てる力全てを集中し、ブッシュの孤立した「有志連合」から日本を離脱させる闘いをより一層強めよう。今からでも遅くはない。小泉首相、小泉政権の加担を阻止しよう!
2003年3月18日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局
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