2002年7月20日(土)〜21日(日)、於 慶應義塾大学三田キャンパス西校舎
参加費(事前申し込みは不要です.参加費は当日お願いいたします.)
小西 聖子氏(武蔵野女子大学教員)
全国ネットワーク事務局 戒能民江
TEL&FAX 03-5978-5789(研究室直通)
全国事務局 戒能民江(お茶の水女子大学)
7月20日(土)、21日(日)の2日間、東京で第8回全国集会を開催します。全体テーマは「被害を受けた人の権利保持と権利回復」です。
この間、大学におけるセクシュアル・ハラスメント対策が進展し、多くの大学で対応のしくみがつくられました。被害の掘り起しが進み、加害者の処分も増えています。まだそれほど多くはありませんが、ガイドラインの見直しや相談員の研修、啓発・教育、実態調査などセクシュアル・ハラスメント対策に積極的に取り組むところがでてきました。
しかし、大学の対応は依然として処分に終始し、被害を受けた人の尊重や権利保持・回復の視点が欠落した状況はまったく改善されていません。それどころか、不適切な大学の対応や二次被害で被害が深刻化し、学習・研究・就労環境のみならず、未来を奪うほどの影響を、被害を受けた人の生活全般に与えています。
裁判では、セクシュアル・ハラスメント被害への無理解と偏見に基づく判決が続きました。マスメディアの世界でも、キャンパス・セクシュアル・ハラスメント防止の動きがあたかも「言葉狩り」を行い、学問の自由や表現の自由を脅かしているという論調が登場しています。バックラッシュの始まりです。
昨年の全国集会では、大学のセクシュアル・ハラスメント対策の次段階を見据えながら、現状と課題を話し合いました。議論のなかで、被害の救済の視点が不可欠であること、セクシュアル・ハラスメントは大学等における学習・研究環境の問題であることが明確になったと思います。
今回の全国集会では、セカンド・ステージをさらに切り拓いていくために、被害の救済の要である「被害を受けた人の権利」の問題を取り上げることになりました。具体的には、2日目の分科会で「二次被害」、「大学における権利回復」、「裁判などの場での権利回復」の三つのアプローチから検討します。2日目の全体会で、分科会の議論をもとにみなさんで話し合い、「被害を受けた人の権利保持・権利回復のための提言」をまとめたいと考えています。
基調講演は、女性に対する暴力被害に取り組んでこられた精神科医の小西聖子さんにお願いしました。「目からうろこ」のお話が聞けるものと思います。ご期待ください。
また、今回の全国集会では、二つの新しい試みを行います。一つが1日目のワークショップです。個性豊かなプログラムが揃いました。二つ目が同じく1日目の「フォーラムシアター」。観客と一緒に短いドラマをつくりながら問題を考えていくという演劇集団をお呼びしました。
全国集会は年に1度、顔を合わせて議論や情報交換をおこない、交流を深める場です。全国ネットも会員数が増え、考え方や立場の多様化が進んでいます。議論の難しさもあるでしょうが、率直な意見交換が行われ、セクシュアル・ハラスメント防止へ向けて、また新たな第一歩を踏み出すことができればと願っています。
会員の方も、まだ会員でない方も、多くの方がたのご参加をお待ちしております。
7月20日(土)13:00〜15:15
大学でのセクシュアル・ハラスメント対策の策定と運用の実態を探り、今後のあるべき方向性を考えます。
市販されているセクシュアル・ハラスメントに関するビデオを九州ブロックで分析したものを報告しながら、参加者と一緒にいくつかビデオを見て意見交換し、どのようなものが望ましいかを考えたい。
女性の自尊感情の回復とエンパワメントに寄与するためのプログラムです。セクシュアル・ハラスメントや痴漢、レイプなど女性への暴力から自分を守る方法を言葉での応酬と身体的防御の両面から学び、最小限の力で暴力に対処するテクニックを提供します。
キャンパス・セクシュアル・ハラスメント防止/学生のエンパワーメントのために、学生自らが学生向けに実施する研修プログラムを一緒に作っていきます。
架空のキャンパスSH事例について、グループに別れ、大学としてとるべき解決までの道筋を話し合ってみる。その中で、「大学の中での権利保持、権利回復のための方策」についても話し合いたい。このワークショップの参加者は大学等でSH対策委員等を担当している教職員に限らせていただきます。
7月20日(土)15:30〜17:30(会場:地下生協食堂)
パフォーマンスグループ「フォーラムシアター」によるキャンパス・セクシュアル・ハラスメントをテーマにした演劇です。参加者のワークにより演劇は完成しますので、ぜひ積極的・能動的な参加を期待しています。
7月21日(日)10:00〜12:00
コーディネーター:田中かず子・辻 智子
理解者であるはずの周りの人によって、被害者がさらに傷つけられる二次被害。二次被害は見えにくく、防ぎにくいが、そのダメージは大きい。この分科会では、事前にフォーカスグループで二次被害について議論をし、それをふまえて分科会で問題提起をするとともに、分科会参加者と議論を深める。
コーディネーター:北仲 千里
大学の対応でもっとも欠けているのは、被害を受けた人の権利の保持や権利回復という視点である。安全とプライバシーの保持、学習・研究活動・就労権の保障、被害からの回復の支援を、当事者の立場にたって行っていくために、権利保持・回復を妨げるものはなにか、権利保持・回復のために必要なしくみ・方法などについて話し合い、大学が責任をもって取り組むべき課題を具体的に明らかにしていく。
コーディネーター:大村 芳昭・金子 幸代
セクシュアル・ハラスメントの被害者が、自らの権利や尊厳を回復するために用いる手段の1つが裁判です。裁判という方法論には様々な限界や問題点もありますが、裁判によって得られるものもあります。この分科会では、権利回復方法としての裁判について考えてみたいと思います。
会員相互の交流を図るため懇親会を以下の通り実施します。参加については、受付時にお伺いします。奮ってご参加ください。
関連図書などの販売スペースを休憩室に設ける予定です。販売を希望される方は、当日直接会場にお持ちいただくか、7月15日(月)までに、事務局(お茶の水女子大学戒能研究室)までお送りください。販売価格について明記した紙も必ず同封してください。
同じく休憩室に、各大学のリーフレットやポスターなどを展示する「ギャラリー」を設置する予定です。さまざまな大学での取り組み状況を知るためにも、是非足をお運びください。また、全国集会に参加される方、集会当日で構いませんので、ぜひ皆さんの大学のリーフレット・ポスターをお持ちください!
全国集会参加希望の学生(全国ネット会員に限る)のうち、首都圏以外から参加の方に、交通費一部補助を実施します。交通費補助ご希望の方は、下記のフォーム にて、全国事務局へお申し込みください。(郵送、FAX、メールのいずれでも可)。なお、応募者の人数によって、金額の調整をさせていただきますので、ご了承ください。
補助金は大会当日受付にてお渡ししますので、学生証をご持参ください。